九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 福岡県行程(往路)総括

 トレッキングを始めたばかりで、歩くことに精一杯で、十分な記録を残してこなかった九州自然歩道のスタートとなる福岡県エリア。これまでに、福岡県、佐賀県長崎県と歩き継いできた。九州自然歩道の反時計回り1周が完遂するならば、再び大分県から福岡県に北上してくるが、今回は福岡県内の往路について記憶が新鮮なうちに総括しておこうと思う。

 九州自然歩道の北端は、北九州市八幡にある皿倉山頂上。そこから稜線を伝い、福智山まで南下する。そこから東に向きを変え平尾台を歩き、仲哀トンネルを抜けて筑豊地域に入る。香春から南に添田町の油木ダムに向かい、英彦山に至る。今度は西に向きを変え、嘉穂アルプスと言われる馬見山、屏山、古処山の稜線を歩き、秋月市街に下る。長崎街道の通った冷水峠を越えて三郡山系を縦走し、宝満山から太宰府に入り、二日市を抜けて天拝山から基山に至るのが福岡県内の225.6kmのコース。

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 JR鹿児島本線八幡駅で下車すると、正面に見えるのが皿倉山(622m)。この山は北九州市のシンボルと言っていいだろう。ケーブルカーが山頂まで運行しているが、八幡駅から山頂まで歩いても2時間ほど。海抜0m付近から600m以上高度を上げるこの道のりは、眺望が良く、整備状況の良い複数のコースが選べるので、歩くのもお勧め。皿倉山の山頂からは、北九州市の市街がグルッと見渡せる。

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JR八幡駅前から眺める皿倉山

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山頂までケーブルカー利用の選択肢も

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北九州市を眺めながら歩く選択肢も

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皿倉山の頂上は開けている

 山頂のビジターセンターには飲料水の自動販売機がある。ここから先30kmは一切の補給はないので、手持ちが不安ならばここで飲料水の補給をしておく必要がある。

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皿倉山ビジターセンター

 皿倉山からの九州自然歩道は山道だが、整備状況は良好で、コースを示す標識も必要箇所に設置してある。皿倉山を出てから、権現山(617m)を経由し、尺岳(608m)までは概ね稜線に沿っているが、いくらかのアップダウンはある。尺岳までは4~6時間ぐらい必要。尺岳山頂近くには四阿と整地された広場があるので、ここで野営することも可能である。さらに2時間ほど進む体力があれば、最後の急斜面をよじ登って福智山(901m)の頂上を目指しても良い。あるいは、福智山の頂上の手前の烏落としには、避難小屋と水場があるので、ここを野営地にしても良い。福智山の頂上からは、小倉、遠賀、筑豊と、360度の雄大な景色を味わうことができる。

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九州自然歩道が始まる

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福智山烏落としの避難小屋 近くに水場も

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福智山の頂上からは素晴らしい眺め

 福智山からは、北九州市の水源地の一つである鱒淵ダムに向かって下りていく。下山路は6km近く、2時間ほどを所要する。鱒淵ダムから先は舗装路を歩くことになる。国道322号線が近づけば人家が増え、商店もいくつか現れる。この辺りはJR日田彦山線石原町駅が最寄りの駅となる。

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鱒淵ダム

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石原町からは平尾台採石場が見える

 国道322号線から2kmほど舗装路を進むと、平尾台の登り口になる。この間の2kmは商店がいくつかあり補給のチャンス。平尾台の登り道は一般道で、交通量は多く、かなりのスピードで峠を攻める車やバイクも多いため、騒音がうるさく、また危険である。眺望もそれほどないため、早々に登り切った方がよい。

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平尾台への登りは交通量の多い道路

 坂を登り切ったところが吹上峠で、平尾台カルスト台地への入口である。ここで舗装路から分かれ、カルスト台地の中の小さなピークである大平山(587m)に向かう道を進む。ご存じとは思うが、カルスト台地とは石灰岩からなる地形で、草原の中に羊のような白い石灰岩柱が並ぶ様は一度見たら忘れられないほど美しい。平尾台は、山口県秋吉台愛媛県高知県との県境近くの四国カルストと合わせて日本3大カルストとされている。吹上峠からは5km近くにわたり、カルスト台地の中を歩くことができる。

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平尾台吹上峠から大平山への山道

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カルスト台地の羊群原

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目の前に広がるカルスト台地

 平尾台の南端部分には千仏鍾乳洞がある。1km近く奥まで進むことのできる鍾乳洞で、しばしの探検気分を味わうことができる。九州自然歩道は、千仏鍾乳洞のトイレの横を通過しているが、ここは標識が分かりづらく、迷いやすいポイントの一つ。このポイントを過ぎると、高度を下げながら行橋の方面に進む。この部分の山道は荒れ果てている。1時間ほど我慢して進むと、行橋市内の福丸集落に着く。ここには小規模な商店があり、飲料水の補給は可能。

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千仏鍾乳洞 サンダルを借りて、ズボンの裾を上げて、冷たい水に足を入れて進む

 ここからはほぼアスファルト舗装の道となる。貯水池や古墳の脇を通り抜けて進む。綾塚古墳は一見の価値がある。この辺りの新町地区には、商店やレストランがいくつか並んでいる。

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御清水ヶ池



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道路脇にある綾塚古墳

 その後、九州自然歩道は地図の上では筑豊地区との境界になる仲哀(ちゅうあい)トンネルに向かう。しかし、現在は仲哀トンネルは老朽化のため、通行できないように封鎖されているため、ずっと下方に新しく開通した新仲哀トンネルを進まなければならない。ちなみに、仲哀トンネルは1963年に全国で5人を殺害した連続殺人事件の最初の殺害が行われた場所として有名で、心霊スポットとしても知られていることから、近隣の若者たちの肝試しに活用されているようだ。かわりに通行しなければならない国道201号線の新仲哀トンネルは長さ1365mのトンネルで、交通量、とくに大型トラックの通行が多く、神経を病みそうなぐらいすさまじい騒音を20分ほど体験することができる。トンネルを抜けると香春町に入り、2kmほど先には道の駅香春がある。

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旧仲哀トンネル この辺りでは知られた心霊スポット

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新仲哀トンネル トンネル内の歩行は拷問

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道の駅香春

 仲哀トンネルを抜けたあとは国道201号線を離れ、大坂山(573m)に向かって山道に入る。山間の静かな呉の貯水池の水面には大坂山がきれいに映っているだろう。1時間ほどで大坂山の頂上には到達するが、ここには眺望はない。大坂山から先10kmほどは、山間の集落を縫うように歩いて、平成筑豊鉄道源じいの森駅に到着する。ここにはキャンプ場、宿泊施設、温泉、レストランと、必要なものが何でも揃っている。

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呉の貯水池

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大坂山への登山口

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山間の集落を経て源じいの森に

 源じいの森駅から5kmほどは舗装路を歩く。途中に琴弾の滝、大音の滝と、趣のある名の付けられた滝の横を通過する。平山集落を通過し、峠を越えると舗装路はなくなり、いきなり驚くような悪路になる。300mほどで数軒の家のある田代集落を通過したら、さらに6kmほどはほとんど踏み跡のないところを地図を頼りに進まなければならない。かなり苦労すると思われるが、平山集落からは8km、3時間ほどで、油木ダムが見えるところに着くと思う。このあたりには、重機を入れた工事が進んでいたので、そろそろきれいな舗装路ができているかもしれない。

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琴弾の滝

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大音の滝

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時にはまったくコースが分からないところも

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油木ダム

 油木ダムからは、舗装路と山道を繰り返し、英彦山のエリアの北坂本集落に至る。北坂本には英彦山観光りんご園があるが、ここでは店頭でリンゴの小売りもしている。新品種の栽培にも意欲的にトライしており、質の高いリンゴが楽しめると思う。

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英彦山観光りんご園はおすすめ

 英彦山エリアには、英彦山神社の下宮、上宮、北岳(1192m)、南岳(1199m)などを周回するコースもある。シンボルの銅の鳥居(かねのとりい)の辺りには、コミュニティバスがJR日田彦山線添田駅まで運行している。

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英彦山のシンボル 銅の鳥居

 九州自然歩道は、銅の鳥居の先の南坂本の集落から山道に入り、緑川の集落に抜ける。緑川では舗装路を横切って歩道がつながるはずであるが、どこに進んだら良いのかは容易には分からない難所がある。地図を仔細に眺め、ここと思った地点から人家の庭を横切る度胸を要するポイントである。しかもそこからの山道がかなりの難所。一昨年の豪雨以来、歩道らしい痕跡がほとんど残っていない。しかし、なんとかがんばって峠を越えて長谷の集落にたどり着けば、長谷の里食堂で素朴な味の鶏モモ焼や団子汁などを楽しむことができるかもしれない。土日のみで営業時間は短いが、もしも開いていたらぜひ味わって欲しい。特別な材料を使ったり、手の込んだ調理をしているわけではないのだが、心に沁みる味がする。

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ここが九州自然歩道正規ルートとは

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長谷の里食堂もおすすめ

 長谷から4kmほど舗装路を進み、ほんの少しの山道を抜ければ、小石原に到着する。小石原は素朴な普段使いの陶器の窯元が50軒ほど開かれた陶器の町。気取りのない食器や花器を探すのも良い。小石原には、道の駅、商店、食堂などがあり、ゆっくり過ごすことができる。

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小石原の大王杉

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小石原焼の窯元が並ぶ

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 小石原から1.5kmほど先の嘉麻峠までの舗装路は、大型トラックの交通が多く、楽しい行程ではない。嘉麻峠から山道に入ってしまえば、比較的快適な歩行ができる。嘉穂アルプスと言われる馬見山、屏山、古処山の稜線を歩くが、コースを通して地元の山岳会の標識が親切に案内してくれる。山道の整備状況は極めて良好。馬見山の頂上付近には宿泊可能な避難小屋が新設されたと聞いたが、ここを通過した時は濃いガスに包まれており、現場は確認できなかった。古処山山岳信仰で知られている。頂上からの景色も良く、登山道も石畳などが丁寧に作り込まれているが、一部には豪雨の影響と思われる崩落が生じているのが残念。

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嘉麻峠から山道に入る

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馬見山山頂

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屏山山頂

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古処山山頂

 古処山を下りたところは秋月の街並みになる。ここには見どころが多いので、半日ぐらい時間を使っても良い。

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古処山の山頂から眺める秋月

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落ち着いた秋月の街並み

 秋月からは、6kmほど舗装路を歩いて夜須高原記念の森に至る。このあたりは九州自然歩道ポータルサイトの地図に記載されているコースは、道路脇の標識や看板のコースとは明らかに異なっているので、注意がいる。地図よりも、道路脇の看板に記載されたコースが、現状の歩道を正確に反映しているという印象を持っている。

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秋月から夜須高原への道路

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夜須高原記念の森

 交通量の多い国道200号線と交差するのが冷水峠。ここからは大根地山(651m)の山頂近くの神社までつながる参道を快適に登っていく。山頂からは2kmほど下りの山道になるが、その後は舗装された林道を香園まで歩く。香園にはきれいに整備された筑紫野市竜岩自然の家キャンプ場があるが、事前予約が必要で、持ち込みテントは不可である。未確認ではあるが、香園の辺りには飲料水の自動販売機があると思われる。ここから先は、太宰府に至るまで補給はないので、山道に入る前に準備が必要。

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冷水峠

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大根地山参道入口

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往時の長崎街道

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大根地山頂上の神社

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 2kmほど県道を北に進み、柚須原に向かう。県立射撃場の入口から、三郡山(936m)の頂上にある航空監視用のレーダーサイトのための舗装されたサービス道路に曲がる。三郡山の頂上までは、距離はあるものの、舗装路を歩くのは楽。また、南面が開けた道路からの眺望も良い。

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三郡山の山頂

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三郡山から宝満山を眺める

 三郡山からは、頭巾山(901m)、仏頂山(868m)、宝満山(829m)と、三郡山系の稜線を歩く。この道は太宰府市民に人気のコースで、整備状態の良好な、低木広葉樹に囲まれた心地のよい山道。宝満山を下りたところは、竈門神社という宝満山の下宮にあたる。こぢんまりとしているが、センスの良いリノベーションがなされた神社である。

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快適な稜線の道を歩く

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仏頂

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宝満山山頂

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竈門神社

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太宰府天満宮

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太宰府表参道のスターバックス 隈研吾設計

 ここから先は太宰府の市街地になる。太宰府市内には見るべきところが多数ある。せっかくここまで来たら、太宰府天満宮にお参りをしたり、名物の梅ヶ枝餅を食べてみるのも良い。太宰府政庁の跡地や令和の元号にゆかりのある坂本神社なども見逃せない。水瓶山(212m)、岩屋山(281m)は、太宰府の守護となった巨大な山城の一隅である。ここを歩いてみるのも良い。

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岩屋山からの眺望

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太宰府政庁跡地

 太宰府を巡ったあとは、二日市温泉の熱いお湯に浸かって汗を流してから、西の天拝山(257m)に登る。ここも市民に人気のあるコースで、常に登山客が途切れることはない。

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二日市温泉

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天拝山登山口

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天拝山山頂からは福岡市街地が一望できる

 天拝山から1時間ほど山中を進むと天拝湖が現れ、さらに2kmほど山道を進むと佐賀県との県境が現れ、太宰府の守護として建てられた山城である基肄城址のある基山(404m)に到着する。ここから先は佐賀県に入ることになる。

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天拝湖

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基山頂上 ここは佐賀県


 九州自然歩道福岡県エリア 2019年8月31日~2020年1月12日 活動日数 11日 福岡県北九州市八幡駅(2019年8月31日)~佐賀県基山町基山(2020年1月12日) 距離225.6km 44787歩

九州自然歩道125日目 とうとう九州自然歩道制覇 福岡県直方市竜王峡~北九州市八幡東区皿倉山 2021年10月9日

 前回はまだ明るい午後1時半に、九州自然歩道のゴールの皿倉山まで14kmほどの地点からエスケープルートに下りて、福岡に帰った。頑張ればゴールできる距離だったがいったん離脱とした理由は、ゴールが日没後になる可能性が高く、もったいないなと感じたことが一つ。もう一つは124日目でゴールとなったとなると、124という数字があまり好きではないため。

 124は百の位が20、十の位が21、一の位が22と、2に関わり合いの深い数字のみで構成された素性の良さそうな数字に見える。ところが実は約数が2と31という、いざ処理するとなるとやっかいな数字。ヒトに例えるならば、愛想は良いものの影でコソコソ人の悪口を言うようなタイプ。

 あと1日我慢して125日目にゴールとなれば、なんと125=53である。なんとも潔く、さっぱりして気持ちが良いのだ。そんなこんなもあって、本日も福岡から直方に向かう電車に揺られている。

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直方駅に到着

 本日の九州自然歩道トレッキングは、福岡県直方市竜王峡からの再開。自宅から福岡市営地下鉄、JR福北ゆたか線と乗り継いで8:40に直方に到着。8:55のコミュニティバスで9:17に竜王峡に到着し、行動開始。

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直方駅からコミュニティバスに乗り継ぐ

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終点の竜王峡バス停

 竜王峡の渓流に沿って、心地よい風を受けながら登り始める。30分ほど進み、汗が吹き出てきたところで谷川の水で顔を洗う。冷たくて気持ちが良い。

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竜王峡の道はやや荒れ気味

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渓流が美しい

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 ここからは道があやしくなり、ガレ場を登る。先週の下りはルートが分かりにくかったが、今回の上りは岩に付けられたペイントが目立ち迷わない。登りながらマーキングしたからだろう。上からは見えない位置に付けられている。

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渓流から離れたところからはガレ場が始まる

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上りでは岩に赤いマーキングを見ながら登ることができる

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山瀬越に到着

 10:27に山瀬越から九州自然歩道に復帰。尾根伝いの快適な山道を進み、10:55に尺岳平、11:00に尺岳(608m)に到着。眺めがいい。先客がいたが、気を遣って眺望の良い場所を空けてくれた。ゴールの皿倉山も、ずいぶん近くに見えてきた。

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山瀬越から尺岳への稜線の心地よい道を進む

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尺岳平には平らな草地と屋根付きの休憩所

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尺岳山頂

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皿倉山も間近に見える

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頂上からの眺望も良好

 尺岳からも稜線に沿って快適な山道を進む。11:54に田代分れ(H436m)を通過し、12:27に観音越(H380m)に到着。田代分れから先では登山者に会っていない。山々を繋ぐ連絡路は、人気の山でも人が少ない。ベンチで昼食のかしわ飯の包みを開ける。

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田代分れを通過

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観音越で昼食

 昼食を済ませて、12:45に行動再開。今回のコースの参考にした、今年4月25日にこの辺りをくまなく歩いたGさんの軌跡に従って、九州自然歩道を50mほど外れて、12:51に音滝山(416m)のピークに立ち寄る。ここには三角点はあるが、眺望はない。立ち寄るまでもなかったような気もする。

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音滝山山頂。いんたきやまと読ませる。

 次はGさんの軌跡に従って参考に13:15に双伍山(ふたごやま)分岐から九州自然歩道を外れてピークに向かう。藪漕ぎ指数200%のとんでもない山道だった。13:44に高圧線下の双伍山(507m)の山頂に着いたときはフラフラだった。南の眺望が良好だったのが救い。前回登った福智山がずいぶん遠くに見える。

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双伍山へのアプローチは藪度200%

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ようやくたどり着いた頂上は南側の眺望抜群

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高圧線の下の芝生で小休止

 芝生の上で小休止ののち、13:50に行動再開。下山も藪の中で行先を見失い、ズタボロになって14:04に九州自然歩道に復帰。Gさんはイノシシ並みの突破力の持ち主のようだ。

 14:35に田床峠に到着。次の建郷山に向かうGさんの軌跡を見ると、とうてい山道とは思えない、どストレート。行くべきかどうか迷ったが、軌跡に従って進んだ。激直登だった。後悔した。どうも彼はまともな脚力の持ち主ではないようだ。

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次は建郷山に寄り道

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激直登

 14:48に建郷山(451m)の頂上に着いたときは、汗が滝のように吹き出した。三角点あり、眺望なし。ここも疲れているときには立ち寄る必要なし。

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残念ながら眺望なし

 14:54に九州自然歩道に復帰。再び快適な山道を進む。木々の間から街が見えてきた。15:13に市の瀬峠(H315m)に到着。四阿(あづまや)で小休止。2年前の往路では、この四阿で東筑軒のかしわめしを昼食に食べたなと思い出す。

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市の瀬峠が近づくと町並みが見えてくる

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四阿で小休止

 15:25に行動再開し、しばらくは急坂を登り、200mほど高度を上げる。16:00に権現山の周回路に出たが、ここでのGさんのチョイスはまたもや直登だった。九州自然歩道はアップダウンの少ない周回路を進む選択もあるのだが、この人はあくまでも力で攻めたいようだ。汗まみれになりながら、16:15に権現山山頂(618m)に到着。ちょうど除草作業中で、青い草の臭いが辺りを包んでいる。景色は最高。

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市の瀬峠からは急坂上

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権現山周回路に交差する

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ふたたび直登で権現山に到達

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眺めは最高

 ここからは舗装路となり、16:35に皿倉山ビジターセンターに到着。センター前で盛んに写真を撮っている二人連れがいた。何かと見たらアサギマダラ。植えられたフジバカマの周囲を10頭ほどの可憐な個体が舞っている。男性が脇に避けて撮影させてくれた。優しい方たちで、疲れた身体が癒やされた。

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権現山から皿倉山までは舗装路

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皿倉山頂上のアンテナがはっきり見えてきた

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皿倉山ビジターセンターに到着

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アサギマダラが乱舞していた

 16:50に皿倉山(622m)山頂に到着。あっけない。九州自然歩道の起点を撮影して17:00に行動終了。あーあ、九州自然歩道一周が終わってしまった。明日から何をして生きていこうか考え始めた。

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皿倉山まで200m

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九州自然歩道はここに始まる

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小倉の街並み

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コーラで乾杯!

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 125日間で歩いた距離は2713.2km。4677711歩。使ったお小遣いは1149005円。後悔は微塵もない。ただ名残惜しいだけ。

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2021年10月9日 九州自然歩道125日目 福岡県直方市竜王峡~北九州市八幡東区皿倉山 晴れ 31/22℃ 行動距離16.2km 行動時間7:42 35772歩

往路: 西新6:49福岡市営地下鉄-博多7:02/7:26福北ゆたか線-直方8:40/コミュニティバス上頓野線8:55-竜王峡9:17

復路: 皿倉山ケーブルカー山頂駅17:30-麓駅17:40/高速皿倉山ケーブル17:54西鉄高速バスいとうづ号-19:07天神郵便局前

九州自然歩道124日目 筑豊の名峰福智山からゴールは見えた 福岡県北九州市小倉南区石原町~直方市竜王峡 2021年10月3日

 本日は北九州市小倉南区にある日田彦山線石原町駅から7:32にスタート。

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 民家を抜けて寂しい舗装路を進み、7:51に櫨が峠トンネルに入る。心霊スポットのような雰囲気が漂うが、幸か不幸か霊感はまったくないので何も見えない。2年前の往路では、このトンネルを抜けたのは午後7時を過ぎていたので、かなり怖かったことを思い出す。霊感はなくとも、人里離れたトンネルの中を歩くのは、昼でも怖い。

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石原町の民家の中を抜ける

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振り返ると平尾台から雲が下りてきたのが見える

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最後の人家から1kmほど進む

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当たり前だが、トンネルの中は昼なお暗い

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トンネルを抜けたときはホッとしたが、まだ人家はない

 心霊現象は何事も起きず、8:05に道原集落に到着。なぜかこの集落はどの家の屋根瓦も赤いが、山の深い緑、稲の黄金色とマッチして美しい。もし自分が「美しい日本の村百選」選定委員に指名されたら、道原に1票入れようと心に留める。冗談でも選ばれることはないが。

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道原集落が近づいた

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赤い瓦屋根の集落

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秋といえばカラスウリ

 8:18に道原から左折して、県道258号線を進む。交通量が多いため、並行する自転車道を歩き、紫川源流域を上流に進む。

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県道258号線は近隣住民の皆さんが清掃中

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休前日の夜はうるさいのだろうな

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交通量が多いので並行する自転車道を歩く

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紫川の源流域

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突然現れる自転車用のループ橋はどう見ても無用の長物

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枯れ葉の溜まり具合を見ると使われてはいなさそう

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並行する道路があるから使われないのも当然

 8:56に鱒渕ダムに到着。朝食のサンドイッチを食べて小休止。10名を超える登山客が前を取り過ぎる。今日登る福智山はずいぶん人気のようだ。

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鱒淵ダム

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ダム湖の畔で朝食

 9:15に行動を再開し、赤い吊橋を渡って、ダム湖に沿って進む。舗装路であるが、落ち葉が降り積もり、あまり人は通っていないようだ。9:38から鱒渕ダム登山口から福智山への山道に取り付く。

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吊り橋を渡って先に進む

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福智山鱒淵ダム登山口

 福智山への登山道の整備状況は最上級。つい最近にも草が刈られたようで、この季節にもかかわらず草が足にまとわりつくことすらない。

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登山道の整備状況は最上級

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谷川の水音も心地よい

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しっかりと下草が刈ってある

 10:10にからす落ちへの分岐を福智山方面の左に進み、さらに進む。福智山の山頂が見え始めたところで、鈴ヶ岩屋への分岐が現れる。地図で見るとすぐ近くのようで、せっかくなので鈴ヶ岩屋に立ち寄ってみた。福智山の山頂がすぐ近くに見える小ピークで、小倉方向の眺望が良い。

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鈴ヶ岩屋に立ち寄る

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鈴ヶ岩屋から福智山の山頂を真正面に見る

 11:37には福智山山頂(900.8m)に到着。360°のパノラマが素晴らしい。頂上には50人ほどの登山客がのんびりと過ごしている。山頂は賑やか過ぎるので、昼食のおにぎりを食べて、そそくさと行動再開。

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福知山山頂はすぐそこ

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山頂からは遠賀川筑豊が一望できる

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山頂の祠

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九州自然歩道のゴールとなる皿倉山も見えてきた

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山頂には多くの登山客

 山頂からはからす落ちの急坂を下り、12:06に避難小屋荒宿荘を通過。すぐ下にはたぬき水の水場がある。先客が水を汲んでいたのでここは通過。この先は、アップダウンはほとんどなく、下草が刈られた快適な山道が続く。

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からす落ちの急坂を下る

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ほどなく避難小屋に到着

 広葉樹に囲まれた、このままずっと続いてもいいぐらい快適な山道を30分ほど歩き、12:43に豊前越に到着して小休止。九州自然歩道のゴールとなる皿倉山までのコースタイムを計算して、今日の行程を検討する。

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からす落ちから豊前越は素晴らしく快適な山道

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 13:10に行動を再開し、13:30に山瀬越に到着。皿倉山までのコースタイムは6時間ほど。頑張れば本日中にゴールできないことはないが、ゴールインがヘッドライトの中では少し寂しい。本日は、ここから西に谷を降りて、竜王峡を経由して直方から帰宅することにした。

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山瀬越に到着

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山瀬越からは西に向かって折れ、竜王峡に進む

 ところが、山瀬越からの道はかなりの荒れっぷり。前半500mほどは道がほとんど流されてしまっている。下りながら、このエスケープルートを選んだことを後悔し始めた。

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ところどころテープは見えるが、道はない

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わりと苦労して下りた

 後半は谷川に沿った道で、美しい渓流を眺めながら歩いたが、やはり道はかなり荒れている。

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後半の渓流は見事

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 14:35に竜王峡キャンプ場に着き、住宅地の舗装路を直方駅に向かって6kmほどの道程を歩き始める。2kmほど進んだ道目木バス停で、ちょうど良い時間の直方駅行きバスがあったので、ここで行動終了として福岡への帰途についた。

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竜王峡キャンプ場に到着

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竜王の滝

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直方駅まで6km歩く覚悟だった

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事前調査で見つからなかったバス停発見

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直方の英雄は魁皇

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2021年10月3日 九州自然歩道124日目 福岡県北九州市小倉南区石原町〜直方市竜王峡 晴れ 28/18℃ 行動距離18.1km 行動時間7:44 33538歩

復路: 道目木バス停15:24西鉄バス直方駅15:39/15:45 福北ゆたか線-博多16:54

九州自然歩道123日目 青い空、白い羊、黄金色のススキ 福岡県築上郡みやこ町新町~北九州市小倉南区石原町 2021年10月2日

 本日は築上郡みやこ町の住宅地からのトレッキング再開。九州自然歩道は、エリアにもよるが舗装路が半分以上の日もある。今日もまさにそんな日になりそう。

 前々回のレポートだが、読者の方からGoogle Mapのストリートビューで掲載されているのと同じ場面を見ることができるとコメントを頂いた。記載してあったGoogle MapのURLを開いてみると、まさに写真のままの油木ダムのストリートビューを見ることができた。私の歩いた軌跡をストリートビューで辿って、一緒に歩いているかのように風景を眺めてもらっているようだ。そういう楽しみ方もあるんだなと感心した。山登りとは異なり、ストリートビューにも出てくるような一般の道も歩くことの多い九州自然歩道ならではのコメントだなと感じた。

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読者さんが見ていたGoogle Mapのストリートビュー

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九州自然歩道121日目で歩いた油木ダムから眺めた日岳

 一人が好きなわけではなく、また安全を考えるとグループの方が望ましいことは分かってはいるが、九州自然歩道をとおして歩こうなんていう酔狂なことをする人間を身近に見つけることができないため、2019年8月31日からすべてソロで歩いているが、遠く離れて見守ってくれている同行者がいるような気がしてきた。読者さん、ありがとう。

 本日は7:05に自宅を出発し、福岡市営地下鉄、JR福北ゆたか線、JR後藤寺線、JR日田彦山線と乗り継いで9:30に香春に到着。ここからコミュニティバスの太陽バスに揺られて、10:32に新町入口に到着して行動開始。

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新町入口から行動開始

 注意が必要なのが田川後藤寺駅での後藤寺線から日田彦山への乗り換え。田川後藤寺駅はかつての炭鉱線の中核駅で、ホームが多数ある。それでいて、後藤寺線日田彦山線ともにキハ147型の骨董車両が走っているので、どれが何線で、どれが上りなのか区別が難しい。この日は同時刻に3編成のキハ147型が入線していたため、危うく乗り間違えるところだった。

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田川後藤寺駅はホームが多いので乗り換え注意

 国道201号線沿いにある新町入口バス停をスタートして、10:40に前回九州自然歩道を離脱した新町を通過。折口橋、勝山神社とのどかな田畑の中の舗装路を進む。

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新町で九州自然歩道に復帰

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標識はていねいに設置してある

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のどかな風景の中を進む

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折口橋で長峡川を越える

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勝山神社を通過

  11:15に綾塚古墳に到着。綾塚古墳には2回目の訪問となるが、じっくり見直してみても巨大な石を組み合わせた立派な古墳。重機のない時代にどうやって作り上げたかのか、大変な作業だと感心しきり。

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綾塚古墳

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こんな巨石をどうやって積み上げたのか?

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玄室近くまで入れます

  ここから九州自然歩道を300mほど離れたところにさらに大きな橘塚古墳があるとの解説の標記で、訪れてみることにした。これも大きな古墳だが、学校の敷地内となっているため見学しにくい。また、周囲が木々に囲まれているため、大きさがわかりにくいのも残念。

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橘塚古墳

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ここも巨石が組み上げられている

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玄室の中は涼しい

 11:42に九州自然歩道に復帰し、中黒田集落を通過し、11:50から黒田神社で小休止。本堂の石段に腰掛けて、昼食のおにぎりをいただく。

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黒田神社に参拝

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石段で昼休み

 12:10から行動再開。太陽が真上から照りつける。県道250号線長尾稗田平島線を進み、12:27に行橋市との境界を越えた。山の中腹に気になる家が見えるが、真相は不明のまま。どんな人が住んでいるのか気に掛かる。

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県道250号線を進む

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山の中腹の家が気になる

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行橋市に入る

 12:29に御清水ヶ池に到着。2年前にも感じたが、深い緑の池の水の色と背後の山の深い緑の色のコンビネーションが絶妙。バス釣りだろうか。電動ボートの男性が、一人竿を振っている。この池には妖精が住んでいるような気がする。

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御清水ヶ池

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 この先は、入覚集落、高来集落と過ぎ、13:18に小波瀬川を越えて、県道28号線を左折して福丸集落の自販機で小休止。平尾台から県道を下ってきた女性と挨拶を交わす。平尾台にはしばしば歩きに行かれているよう。今回、彼女は県道を下ってきたが、山道の状況が懸念された千仏鍾乳洞までの山道の状況について尋ねると、たぶん通れるのではないかと情報をいただく。

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美しい稲穂を眺めながら歩く

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イチジク泥棒はいないか?

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小波瀬川を越えて福丸集落に

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県道28号線の自販機で小休止

 13:33から行動再開し、13:37に大行事から右折して千仏鍾乳洞への山道に取り付く。道の状況はそれほど悪くない。路肩の崩落が2箇所あったが通行には問題ない。やや荒れている程度で藪漕ぎもない。

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県道28号線のここから右折

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舗装路の切り通しを抜けて山道に入る

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路肩の崩落があるが通行には問題なし

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もう1か所の崩落か所

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セメントのベルトコンベアをくぐる

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千仏谷の冷たい水で顔を洗う

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千仏鍾乳洞の手前300mぐらいで迂回の指示

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迂回路は九州自然歩道ではデフォルト状態なぐらいの荒れ方

 14:25に千仏鍾乳洞に到着。2年前にはなぜか気が急いてしまって、鍾乳洞には入っていない。今回は入場料を支払い、靴を脱いでサンダルに履き替えて、鍾乳洞の中に進む。中は涼しくて快適。外は30℃近いので天国だ。

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千仏鍾乳洞に立ち寄る

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入口には巨大な鍾乳石が垂れ下がる

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内部は広い

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さらに進む

 洞窟の中を進み、480m先から水の中を歩く。水が冷たくて気持ちいいと思ったのは最初だけ。そのうち、あまりの冷たさに指先から痺れてきた。

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480mから先は水の中を進む

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膝下まで水が迫る

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最後は膝上まで冷たい水に浸水

 最後は膝上まで浸水した。全長1200mのうち910mまで行ける鍾乳洞とは凄い。閉所が苦手な自分には精一杯だった。ちょっとした探検だった。

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千仏鍾乳洞にはぜひ立ち寄りたい

 15:05に鍾乳洞を出て小休止。その後は、舗装路を離れてススキの原の山道に進む。ずいぶん下草が伸びているが、歩く人が多いためか、路盤はしっかりしており歩きやすい。

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千仏鍾乳洞から茶が床園地までススキの原を歩く

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 15:46に茶が床園地に到着。ススキの原に吹くそよ風が心地よい。16:00に中峠を通過。青い空、白い羊、黄金色のススキ。カルスト地形はこれだ!というような風景だ。

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茶が床園地

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中峠を通過 正面には貫山

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大平山に向かって歩く

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 16:28に大平山山頂(586m)に到着。目の前にはススキの原が広がり、右手には採石場インカ帝国のピラミッドのように立ち並ぶ。このままずーっと眺めていたい風景だった。

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大平山の頂上から平尾台全体を眺める

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人類が滅亡した1億年後に西の採石場を見た宇宙人は、アステカ帝国の祭壇と思うのではないだろうか?

 日が傾いてきた。やむなく大平山からススキの原を下る。17:00に吹上峠から県道28号線を下り始める。この道路は爆音系の車両が多く危険。早々に下るに限る。ここから、列車の時間に合わせて走り始める。

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大平山から下りはじめる

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日が落ちてきた

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県道28号線は爆音系のメッカ

 18:05に日田彦山線石原町駅に到着して、本日は行動終了。

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石原町駅

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日田彦山線の入線2分前に到着

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今回は小倉のホテルに宿泊

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2021年10月2日 九州自然歩道123日目 福岡県築上郡みやこ町新町~北九州市小倉南区石原町 晴れ 28/20℃ 距離23.3km 行動時間7:31 38444歩

往路:西新7:22-博多7:36/8:04福北ゆたか線新飯塚8:49/8:53後藤寺線田川後藤寺9:16/9:19日田彦山線-香春9:30/香春町役場10:13太陽バス-新町入口10:32

九州自然歩道122日目 薬師の頭から頭を失った香春岳を望む 福岡県田川郡赤村源じいの森~築上郡みやこ町新町 2021年9月26日

 本日は福岡県赤村の源じいの森からのトレッキング再開。福岡からJRと第3セクター平成筑豊鉄道を乗り継いで8:27に源じいの森に到着。

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平成筑豊鉄道は車両のカラーリングが豊富

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源じいの森にはキャンプ場もある

  しばらくは実りの秋の風景を楽しみながら舗装路を歩く。見取、山渋、田峰とのんびりとした集落を通過して、9:14に県道に合流した。

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しばらく今川沿いに歩く

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見取集落には2年前にもこの山羊がいた

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見取集落を通過

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田峯集落には神功皇后の足跡が

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田峯集落で見かけたこの柑橘は晩白柚か?

   交通量のやや多い県道34号線行橋添田線を1kmほど歩いて、谷山集落に左折した。2年前にはこの道は通っていないが、地図上に表記されている谷山集落はすでに消滅して太陽光発電所に変わっていた。

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県道34号線行橋添田線を1kmほど北に進む

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谷山集落は消滅して太陽光発電所に変わっていた

  9:43に大坂集落で県道204号線田川犀川線に左折する。正面には大坂山が見えてきた。

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大阪集落と大坂山が見えてきた

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県道204号線田川犀川線の交通量は多くないが、峠を攻めるバイクと車が走る

   10:13に県道204号線脇の大坂登山口に到着して小休止。標識が真新しいと思って背面を確認したら、令和2年に設置された標識だった。

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大阪登山口は県道204号線沿いに真新しい標識が立つ

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仲哀トンネル通過禁止の表記も

   10:23に行動再開。ここから本日初めての山道が始まる。取り付きからしばらくは、山道の路盤はしっかりしていたものの、下草の伸び方がすさまじく、ノイバラやサルトリイバラで腕が傷だらけになる。200mほどから先は踏み跡がなくなり、行き先を示すテープもまばらで、先行きが心配になった。

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登山口からしばらくは藪

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ひどい藪になる

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踏み跡も不明になる

  ところが、左手に谷川の音が聞こえて、小さな流れをコンクリートの橋で越えた先からは、谷川沿いの快適な山道となった。山道にステップとして打ち込んである丸太は真新しく、スギの香りさえしそう。うれしくなってしまった。令和2年の整備だろうか。丁寧に手入れされた山道が頂上に向かって続いている。

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いきなり素晴らしくきれいな山道に変わった

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新しいベンチも設置してある

   11:12に大坂山山頂への分岐を通過し、11:20に大坂山山頂(573m)に到着した。山頂には男性の先客が2人いて、しばらく筑豊の山の話を交わす。

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山頂への分岐に到着

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山頂の標識も新品

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大坂山山頂に林立する中継局

  男性がこの先の薬師の頭というポイントの眺望がいいと教えてくれた。勧められるまま、5分ほど下った先の薬師の頭(546m)に進んでみると、筑豊が一望できる絶景ポイントだった。

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山頂から5分の薬師の頭は訪れるべきビューポイント

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筑豊が一望できる絶景。白い部分は山頂を失った香春岳一ノ岳。

   しばらく眺望を楽しんだ後、11:48に行動再開。呉登山口分岐までもどり、12:40に呉登山口に到着した。大阪集落からの登山道と同じく、山頂から呉登山口までの山道も、整備状況は最高だった。

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大坂山山頂から呉登山口までの道も整備良好

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快調に歩く

   ここからは再び舗装路が始まる。12:44に呉ダムに到着し、四阿の下でしばし休憩。家族連れが水遊びに興じている。

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呉ダムに到着

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呉ダムの畔の自然食レストラン五吉庵。残念ながら本日お休み。

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青空と緑の池は見飽きない

  12:54に行動を再開し、13:09に呉集落を通過。13:10に国道201号に合流し、みやこ町方面に右折した。

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呉の集落

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呉川の眼鏡橋

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呉からは国道201号線を東に新仲哀トンネルを歩く

  かつて九州自然歩道として使われていた山の上の仲哀トンネルはすでに通行不能となっているため、13:13から新仲哀トンネル(1365m)を歩き始めたが、2年前にも経験した、頭がおかしくなりそうなほど凄まじい騒音で目がまわりそうになる。幅の広い歩道が設置してあるのが救い。20分ほどトンネルを歩き、ようやく外に出られたときは心の底からホッとした。

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交通量の多い長大トンネルの通過は苦痛!

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こんなに広い歩道があるのに接触跡とは?

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20分間の轟音地獄

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外に出てホッとした

  トンネルを抜けた後は国道201号線を離れて、菩提、下田、新町と進む。新町からは国道201号線上にあるバス停が300mほどと近いため、本日はここで九州自然歩道を離脱して、福岡への帰途につくことにした。

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トンネルを抜ければ快適な郊外の道

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本日はみやこ町新町で九州自然歩道から離脱

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気になるジェラート

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2年前にフレンチを頂いたレストラン

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新町入口から帰途に着く

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香春町役場前から山頂を失った香春岳を望む

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日田彦山線香春駅

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f:id:nayutakun:20210927205458j:plain2021年9月26日 九州自然歩道122日目 福岡県田川郡赤村源じいの森~築上郡みやこ町新町 曇り後晴れ 28/21℃ 行動距離16.3km 行動時間5:41 27919歩

往路:西新5:36福岡市営地下鉄-博多5:49/6:10福北ゆたか線-直方7:14/7:27平成筑豊鉄道-源じいの森8:27

九州自然歩道121日目 丹精を込めたジョナゴールドに2年ぶりの再会 福岡県田川郡添田町英彦山~田川郡赤村源じいの森駅 2021年9月23日

 本日は、福岡市営地下鉄福北ゆたか線後藤寺線、日田英彦山線、JR代行バス、町バスと、5回も乗り換えて、9:36から英彦山の別所駐車場からのスタート。

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別所駐車場前の英彦山交差点からスタート 

 交差点の先を左折して、荒れた山道を下り始める。このところ、犬ヶ岳英彦山といったメジャーな山に登っていたため、いつもの九州自然歩道の荒れ具合を忘れていた。

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交差点の先から山道を下りはじめる

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30分ほど荒れた山道を下る

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害獣除けの柵を越えると集落。2年前には九州自然歩道という記載はなかったような気がする。

 30分ほど歩くと県道418号線に合流して、北坂本に出た。今回は左に曲がって西に200mほどの寄り道。というのも、2019年9月22日の九州自然歩道5日目の大雨の日に、北坂本の分岐点が分からず立ち寄ったのが英彦山林檎舎。道を尋ねるついでに試食させてもらったリンゴが素晴らしく美味しかった。フジ?と聞いたら、ジョナゴールドだという。ジョナゴールドとは思えないクリスピーな歯応えと爽やかな甘さに感動した。ちょうど2年後の今日、あのジョナゴールドを購入しようと思ったからだ。

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北坂本集落から県道を逆方向にしばらく進む

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2年前と同じ英彦山林檎舎

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家に持ち帰って食べたジョナゴールド

  予定通り今朝収穫したばかりだという大玉3個をザックに詰めてから、山道に進む。2年前と同じ荒れた山道が続く。少し違うのは、山に重機が入って、スギを大規模に伐採していること。山道は剥がれかかった舗装路と変わった。10:44に宮元集落で立派な舗装路に合流し、ここで小休止。

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県道418号線を東に引き返して標識から山道に進む

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この道の荒れっぷりも以前と同じような気がする

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ところどころに参道の石畳が残る

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2年前にはこんな伐採跡はなかったような気がする

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伐採後の荒れっぷりが心配

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宮元集落の高木神社で小休止

  博多駅で購入したサンドイッチの朝食を終えて行動再開し、後集落、道角集落を経て、油木ダム湖左岸の快適な舗装路を進む。

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宮元集落からは特徴的な日岳を見ながら北に進む

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宮元集落で見つけたミステリーサークル

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油木ダム左岸はとても快適な道

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振り返れば日岳が見守ってくれている

  道路脇の道祖神を掃除している方達がいた。聞けば、ダム湖に沈んだ自宅のお墓にあった道祖神猿田彦を分祠して、ここに祀ったのだと。毎年お参りに来るのがお彼岸の今日で、そのたびに掃除をしているという。とてもいい人そうだった。

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この道祖神猿田彦が自宅のお墓から分祀したものだと

 12:25に油木ダムを通過して、12:41に迫田集落に到着して小休止。

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油木ダムを通過

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迫田集落

  2年前にはここから先はものすごい荒れっぷりで、台風の雨の中を泣きそうになりながら藪漕ぎした記憶がある。ところが今回はそれほどでもない。13:55にほとんど藪漕ぎなしで田代集落にたどり着いた。

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迫田集落から田代集落への取り付きは荒れており、いやな予感がしたが。

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その後は整備状態良好

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田代集落に無傷で到着

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2年前に軒先で台風の風雨を避けた民家も残る

  今日はいい日だなと思ったら甘かった。2年前にはそれほど印象に残っていない平山集落までの峠の藪のワイルドさには歯が立たずに九州自然歩道オリジナルルートから撤退。ヤマトホのルートを参考にもう少しマイルドな藪漕ぎで、なんとか峠をクリアしたが、半袖Tシャツでの藪漕ぎで傷だらけになってしまった。

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田代から平山に向かって直登を試みる

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激しい藪にギブアップして撤退

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 峠の田川無線中継所からは舗装路。平山集落、大音の滝分岐を通過し、15:43に琴弾の滝で小休止。

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出直して田川中継基地に到着

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平山集落を通過

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この先にも激しい伐採後の傷跡

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十津川の清流の音を聞きながら山を下る

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アケビがじつに美味しそう

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琴弾(ことひき)滝

  このあとは、舗装路を湯の口集落、大伊良集落と進み、さらに山道を30分ほど歩いて後山集落を経て、源じいの森温泉に17:15に到着。1日の行程の最後に温泉があるというのは最高。源じいの森駅からの列車の時間まで1時間弱ある。温泉に浸かって汗を流してから18:05の平成筑豊鉄道で帰途に着いた。

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湯ノ口では稲の刈り取りを終えていた

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大伊良から後山までは再び山道

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源じいの森温泉で汗を流す

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本日はこれで帰宅

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f:id:nayutakun:20210927195059j:plain2021年9月23日 九州自然歩道121日目 福岡県田川郡添田町英彦山〜田川郡赤村げんじいの森 晴れ 28/21℃ 行動距離24.4km 行動時間8:23 43105歩

九州自然歩道120日目 秋晴れの英彦山で修行の一日 福岡県豊前市犬ヶ岳~田川郡添田町英彦山 2021年9月20日

 犬ヶ岳(1131m)の山頂近くで目を覚ました。撤収作業をしていると、東の空が明るくなってきた。雲海に浮かぶ太陽が美しい。

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目が覚めたら雲海の上にいた

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日が昇りはじめたらえもいわれぬ美しさ

  6:32に犬ヶ岳を出発した。まずは900m先の大竿峠に向かうが、景色が良すぎてスピードが出ない。7:09にようやく大竿峠に到着し、行動食の朝食とした。

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6:32に犬ヶ岳を出発

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景色が美しすぎて、もったいないから早く歩けない

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わずか900m先の大竿峠まで30分以上かかってしまった

  7:20に行動再開。とても快適な道が続く。500m先の一ノ岳(1124m)には7:36に到着した。次の目標は3.4km先の野峠。地図を見ると、稜線を歩く道のりのようだ。

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一ノ岳頂上

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ここからは方向を誤りやすい

  一ノ岳から先は、踏み跡が少なく、コースを示す赤いテープがなくなった。だからと言って、整備状況が悪いわけではない。ところどころに木道があり、難所には鎖が設置してある。下草が伸び放題になっているわけでもない。言うなれば、ベテラン感たっぷりの古道。

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一ノ岳から野峠までの道は「古道」という感じ

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心地の良い広葉樹に囲まれた道が続く

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ベンチも古道感を醸し出す

  このあたりのコースにテープがないのは、数百年に渡って修行僧に踏み固められてきた硬い路盤がしっかりついており、擦り切れた木の根が目印になるからかと思われた。こんな道は雑念を捨てて無心で歩けば迷うことはない、とか考えながら歩いていたら案の定道を間違えた。俗世の汚れに満ちた心持ちで歩いても、修行僧のようにはいくまい。

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迷いやすそうなところだけチラリとテープ

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こんなところは目印がないと迷う

  依然、景色が良い快適な山道が続く。野峠まで2000mの標識の先に、わりとスリリングな岩場があった。修行僧はこんな岩場を鎖もなしに上り下りしていたのだろうなと感慨が湧く。

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わりと平気にこんな鎖場が現れる

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この岩の先まで上り詰めたら道が現れた

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景色も良い 手前から三ノ岳、二ノ岳、一ノ岳、鷹の巣山

  9:33に鷺ノ岩に到着。もう野峠が近いのか、オートバイの爆音が谷に響く。鶯ノ岩は眺望が良く、さほど危険でない鎖場も楽しめる。ここで小休止。

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鷺ノ岩にも鎖場

  9:40に行動再開。アップダウンを繰り返し、10:04に野峠登山口に到着。ここから豊前坊までの4kmほどは国道500号を歩く。とはいっても、景色は良く、交通量は少ない快適な道。中間地点近くの鷹巣トンネルの前後には水場があり、冷たい山水で顔を洗うのも良い。

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野峠登山口

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すぐに国道500号線に合流

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交通量は少なく心地よく歩くことができる

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鷹巣トンネルを抜ける

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前後に水場あり

  11:12に英彦山の北の登山口の豊前坊に到着。自販機で水をたっぷり補給して、11:40に登山開始。まずは絶景で知られる望雲台に向かう。

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豊前坊高住神社に到着

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しっかりお参り

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神社の裏手からブナの森に進む

  10分ほどで望雲台への分岐点に到着し、岩をよじ登って12:00に到着。正面には鷹の巣山の特徴的な姿。秋風が爽やか。汗が一気に引いていくのが分かる。

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ほどなく望雲台への分岐点

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荷物をデポジットして鎖場に進む

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鳥になった気分が味わえる

 望雲台の分岐点に戻り、ブナの繁る急傾斜の谷をよじ登り、12:45に英彦山北岳(1192m)への分岐に到着。ここでザックを下ろし、行動食の昼食の後、13:03に北岳に到着。

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ここから先の勾配はかなりきつい

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最後に階段が設置してある

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北岳に到着

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 北岳からは英彦山上宮がすぐそこに見える。九州自然歩道とは思えないほど美しい道を歩き、最後にわずかな岩場をよじ登って13:31に英彦山上宮に到着。天気の良い祝日のため頂上付近は登山客が多い。人の多さに居所を見つけられず、上宮にお参りしようと向かうが、倒壊の危険のため立ち入れず迂回する。

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北岳から上宮までは天国のような美しい道

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最後に岩場をひと登り

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山頂の避難小屋に到着

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上宮には立ち入り禁止

  英彦山上宮からは急な坂を下り、13:47に南岳(1199m)に到着。しばらく小休止の後、時間がありそうなので、鬼杉経由で英彦山神宮に戻ろうと、さらに南の山道に進む。

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南岳に進む途中で振り返ると緑青を吹いた上宮の屋根が見えた

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ほどなく南岳に到着

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南岳から先の道程も一見すると快適そうに見えた

  ところが見通しが甘かった。南岳からはすぐに鎖場の連続。さらに谷を下る道は完全に崩落して、行き先が不明瞭。GPSを頼りに方向を定め、14:43に鬼杉への分岐にようやくたどり着いた。

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南岳から先は急傾斜だった

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鎖場も

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道を失ったところも

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苦労して鬼杉までの分岐点までたどり着いた

  鬼杉まであと200m。ただし、ここから先の道は完全に喪失しているように見える。帰りのバス停までのコースタイムは120分。最終バスは90分後の16:12。即決。鬼杉断念。走ることにした。

 ところが14:47に大南神社に迷い込んだ。時間を消耗してしまった。神社に手を合わせたら、正しい道が見えた。神様ありがとう。

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大南神社に迷い込んだ

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手を合わせたら後ろに鎖が見えた

 さらに走る。汗が噴き出る。英彦山で修行だ。15:40に英彦山神宮奉幣殿に到着。速攻でお参りし、さらに石段を駆け下りる。

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峠を走る

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谷を駆ける

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英彦山神社奉幣殿に到着

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参道も駆け抜ける

  15:47に大鳥居を通過し、15:55にバス停のある別所駐車場に到着した。余裕だった。神様のおかげだ。

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大鳥居を通過

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別所の英彦山交差点に到着

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バスの時間を確認してホッと一息

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2021年9月20日 九州自然歩道120日目 福岡県豊前市犬ヶ岳~田川郡添田町英彦山 晴れ 24/13℃ 行動距離15.4km 行動時間9:21 31399歩

復路 別所駐車場16:12町バス-彦山駅16:27/16:48JR代行バス添田駅16:57/17:12日田英彦山線-田川後藤寺17:30/17:48後藤寺線新飯塚18:09/18:15福北ゆたか線-博多18:54