九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 38日目 三角の三角岳の三角点とはこれいかに 熊本県上天草市柴尾山~宇城市三角町石打ダム駅 2020年8月2日

 上天草市大矢野島の最北端にある柴尾山の中腹で目を覚ました。今朝は速攻ダッシュで撤収作業を行った。その理由は蚊の攻撃のためである。梅雨が明けて気温が上昇したここ何日かは、蚊の繁殖活動が旺盛なようで、ちょっとした茂みに入るととたんに蚊に襲われる。野営場所にも雲霞のごとく蚊が湧いてきて、片腕にいっぺんに10匹ほども吸血作業を行っている。このままでは貧血を起こすかもしれないと危惧するほどの勢いで蚊に襲われるため、たまらず最速での作業を行った。なんとなく、梅雨明けは蚊が多そうな気がしたので、ドラッグストアで虫よけスプレーなどを調達しようと思っていたのだが、うっかりして失念していた。

f:id:nayutakun:20200803011055j:plain

岩谷の漁港 後方に見えるのが柴尾山

 6:35に行動を開始し、柴尾山を下りたところは岩谷の漁港。朝早くから釣りをする人で賑わっている。天草と宇土半島とを隔てる三角ノ瀬戸に沿って国道266号線を進み、天草五橋最後の1号橋に向かう。1号橋は橋長502mの天門橋。1966年に完成している。隣に見えるのは2018年に開通した天城橋。こちらは橋長463mで、自動車専用道となっている。天門橋には、狭いながらも歩道が設置されているため歩いて渡る。この海峡は大型船も通行するためか、海面からはかなり高く、景色が良い。

f:id:nayutakun:20200803011157j:plain

左が天城橋、右が天門橋

f:id:nayutakun:20200803011259j:plain

1号橋を渡る

f:id:nayutakun:20200803011343j:plain

f:id:nayutakun:20200803011434j:plain

 1号橋を渡った後は三角の市街地に向かい、三角駅には8:05に到着した。三角駅はレトロな雰囲気の残された建築物。その向かいにあるのが三角フェリーターミナル。海のピラミッドの名前が付けられている。サザエのようならせん状の構造で、外部と内部の両方から屋上まで登ることができる。屋上部分からは天草の海が一望できる。海のピラミッドの前の芝生の上で、シリアルの朝ご飯を済ませた。

f:id:nayutakun:20200803011457j:plain

三角駅

f:id:nayutakun:20200803011516j:plain

フェリーターミナル

f:id:nayutakun:20200803011543j:plain

内部もらせん構造

f:id:nayutakun:20200803011627j:plain

屋上からの景色が良い

f:id:nayutakun:20200803011651j:plain

ここでシリアル朝食

 朝ごはんの後はスーパーマーケットで水と食料品を購入して、三角岳の登山口に進む。9:25から登り始め、標高203mの展望場所の天翔台には10:07に到着した。山道はどういうこともない道なのだが、蚊の数がものすごい。ゆっくり歩いていると体中を刺されてしまうため、早いペースで、しかも両手を振り回しながら歩くため消耗が激しい。天翔台からは天草の島々がきれいに見えるが、しっかり眺める余裕がなかった。

f:id:nayutakun:20200803011743j:plain

天翔台

f:id:nayutakun:20200803011803j:plain

 三角岳の山頂にほど近い展望場所の竜雲台には10:52に到着した。ここは蚊が少なく、天門橋と天城橋を山上から眺めることができた。

f:id:nayutakun:20200803011839j:plain

竜雲台からの眺め

 三角岳(407m)の頂上には11:35に到着した。ここは頂上付近に樹木が繁り、眺望はあまりよくない。三角岳(みすみだけ)の三角点(さんかくてん)は記念に撮影しておいた。ここで昼食を食べようと思っていたが、蚊が多いので断念。先に進むことにした。

f:id:nayutakun:20200803012014j:plain

三角岳からの眺め

f:id:nayutakun:20200803012034j:plain

三角岳の三角点

 三角岳から先は地図では少し北に進んだ後に、高度を下げながら254mピークを経由して高野山(262m)に向かうはずだが、標識はなく、またYamapのスマートホン用の地図アプリにはその山道が掲載されていない。こんな時は、ほとんど使われていない山道で、藪漕ぎに苦しめられることが多いので不安になる。恐る恐る先に進むが、積もった落ち葉の下に木のステップが見えるところがあり、道に間違いがないことはわかる。何度か道を間違えたが、その都度地図で方向を確認し、それほど悪路に苦しめられることなく、12:40に高野山に向かう舗装路に出ることができた。舗装路の両側には柑橘の畑が広がる。ここ三角はデコポンの有名な産地だ。

f:id:nayutakun:20200803012129j:plain

少し進んだら道が見えてきた

f:id:nayutakun:20200803012156j:plain

柑橘畑に出た

 高野山には13:00に到着した。NTTの通信施設が山頂に建てられているため、サービス用の舗装路が整備されている。眺めも良い。

f:id:nayutakun:20200803012225j:plain

高野山山頂のNTT施設

f:id:nayutakun:20200803012303j:plain

眺望も良好

 高野山から先は、またもやほとんど使われていないような山道に続いている。地図を確認すると600mほど先で林道に接続していることが分かる。この道を通らずに舗装路を引き返す手もあるかと思うが、誰も見ていないときにズルいことをできない性格のため、恐る恐る先に進む。このコースはしばらく誰も歩いていないようで、道は不鮮明で、倒れた木々や藪でときどき行く手を阻まれ、蜘蛛の巣にまみれることになる。しかし、悪路部分は400mほどで終わり、柑橘畑の中を進んで、舗装路に出ることができた。

f:id:nayutakun:20200803012423j:plain

不穏な雰囲気の山道入り口

 しばらく舗装路を進むと、食と農の体験塾と看板を掲げた建物があり、営業中の看板が出ている。飲食店のような造りで、中では数人が飲食をしているので入っていったら、山登りの会の打ち上げのようだった。まあまあ座って飲みなさい食べなさいと、ピザやおにぎりを出してくれ、1時間近くお邪魔させてもらった。思いもよらぬ楽しい時間を過ごすことができた。

f:id:nayutakun:20200803012518j:plain

柑橘畑

f:id:nayutakun:20200803012542j:plain

食と農の体験塾

f:id:nayutakun:20200803012605j:plain

飲食店かと入っていく

 ここから先は舗装路が続く。山中には柑橘畑が広がっている。ハウスやマルチ栽培の畑があるが、残念ながら品種がわからない。南向きの斜面の一角には、露地栽培の柑橘にもかかわらず、袋掛けしたものがある。袋の外からそっと触ってみると、他の木に比べると数倍の実の大きさになっている。徹底的に摘果をして選抜して育てているのかもしれない。

f:id:nayutakun:20200803012703j:plain

柑橘畑が続く

f:id:nayutakun:20200803012728j:plain

マルチ栽培畑もある

f:id:nayutakun:20200803012749j:plain

柑橘ではあまり見ない袋掛け

f:id:nayutakun:20200803012817j:plain

 柑橘畑から下り道に折れた後は一気に高度を下げ、民家が見えてきた。石打ダム駅も近いようだ。

f:id:nayutakun:20200803013553j:plain

f:id:nayutakun:20200803013607j:plain

 線路を超え、先に駅が見えたときに、列車が近づく音が聞こえてきた。たぶん、前の駅を出て加速をし始めた音。耳が良いわけでも、山歩きで感覚が研ぎ澄まされたわけでもなく、たんに谷間に列車の音が響いて伝わってくるのと、蝉の声以外の雑音が全くないため数km先の音が聞こえる。ホームに上がったときにちょうど16:09の熊本行きの三角線の列車が入線してきた。来週は虫よけスプレー持参で戻ってくるぞと思いながら帰途についた。

f:id:nayutakun:20200803013631j:plain

f:id:nayutakun:20200803013645j:plain

f:id:nayutakun:20200803013701j:plain

 f:id:nayutakun:20210128182133j:plain

f:id:nayutakun:20210128182158j:plain

2020年8月2日 九州自然歩道 38日目 熊本県上天草市柴尾山~宇城市三角町石打ダム駅 晴れ 気温35/24 距離20.0km 行動時間9:31 平均速度3.1km/h 41151歩

復路交通:石打ダム16:09JR三角線-熊本16:56/17:40九州新幹線つばめ334号-博多18:43