今回の九州自然歩道は、阿蘇カルデラの内部の南端にある高森町からの再開。自宅から高森からはバスを乗り継いで5時間近くかかるため、金曜夜から同地の民宿に前泊となった。本日は5:00に起床し、高森の市街地を散策してから朝食を頂いて7:48に出発。カルデラの中だが、標高は550mからのスタート。
高森の町はずれまで来ると阿蘇山がきれいに見える。先週は雨の中だったから、青空をバックにした阿蘇の風景が目に沁みる。8:10には高森の東の村山集落に到着し、ここから黒岩峠に向かう山道に入る。
高森から黒岩峠に向かう道は牧草地の中の舗装路。緑の芝生に白いカーペットを敷いたような道路で、快適に高度を上げる。牧草地には数頭の牛がのんびりと草を食んでいる。
9:09に黒岩峠に到着。標高は870m。ここから西に高森峠に向かって進もうと思っていたところ、ちょうど清栄山(せいえいさん、1006m)への登山道を整備している高森オールドボーイズから、清栄山の登山道の草取りが半分位できたから上ったどうかと声をかけられた。今日は距離が長いから困ったなと思いつつも、そういわれたら登らないわけにはいかない。黒岩峠に荷物を置き、山頂まで走って登った。コースタイム上り30分のところ15分、下り20分を9分。黒岩峠ではオールドボーイズが早かねーと褒めてくれた。
黒岩峠で小休止の後、本日の本来のコースの南阿蘇外輪山コースを西に向かって9:52に進み始めた。カルデラの外輪山の稜線に沿って、最初の目標は3.3km先の高森峠。柵を乗り越えて牧草地に進む。阿蘇山を眺めながらの草原の中の心地よい道と思ったのは最初だけ。進むにつれて、道が見えないほどの藪になっている。外輪山の辺縁を歩くため、右側は崖だが、背丈より高いススキに覆われており、前に進めない。足を踏み外すと崖に落ちそう。また、ススキの中にアザミが生えていて棘がズボンの上から容赦なく刺す。半袖の上腕はススキで切れて切り傷だらけ。汗がしみる。フラフラになりながら11:00に高森峠(872m)に到着。ここで福岡から持参の果物を昼食として食べた。
11:30から行動再開。高森峠の標識が倒れており、登山道の入り口がわからない。地図に従って入り口を探すが藪に覆われており見つからない。やむなく牧草地の柵を開けて進む。道はなく、牛が歩いた後なのか、深い溝が掘れている。50mほどの標高差の牧草地を登り切ったところで九州自然歩道の標識を発見。登山道は見つからなかったが、結果はオーライ。しかし、この先も道は見えず、ときどき草に隠れた標識が現れるだけ。全力で藪漕ぎして先に進む。とくに外輪山のエッジに沿ったところの藪は深く、ススキとアザミで身体中傷だらけ。1.9kmの行程に1時間半かかり、13:03にようやく中坂峠(830m)に到着。藪漕ぎは体にこたえる。30分休憩し、13:30に行動再開。
次の目標は2.1km先の崩土峠。中坂峠からの登山道は入り口こそ藪に覆われていたが、意外と草が短く歩きやすい。コースタイムどおり、60分で標高880mの崩土峠に到着した。
次は1.6km先の長谷峠。ここは最初から藪漕ぎの連続。まったく道が見えず、藪が深すぎて前に進めないため外輪山の外側にエスケープ。本線がどこか不明のままグルリと南に大きく迂回して1時間以上かけて15:40に長谷峠に到着。
この先は2.0km先の清水峠。ここも藪オンリー。もうどこからでもかかってこいの気分。道があろうがなかろうが、地図のとおりに真っすぐ進む。腕も足も傷だらけ。わずか2kmに1時間半以上かかり、17:18にようやく清水峠(920m)に到着。
そろそろ暗くなってきたので、本日の野営地を探さなければならない。清水峠からは、その先の無線中継所までサービス用の舗装路が続く。20分ほど歩いたところで根子岳を正面に望む草地を見つけて、本日はここでビバーク。標高はちょうど1000m。南阿蘇外輪山の藪漕ぎの1日だった。
2020年9月19日 九州自然歩道 50日目 熊本県阿蘇郡高森町高森中央~高森町清水峠 曇り 気温24/13 距離19.6km 行動時間9:49 平均速度2.1km/h 40368歩
往路交通:
西新15:13福岡市営地下鉄-博多15:27/博多BT15:40西鉄高速バスひのくに号-益城IC17:09/益城インター口17:24産交バス快速たかもり号-高森中央18:38 (阿蘇高森前泊)