九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 50日目 黄金色の収穫の秋 熊本県阿蘇郡高森町清水峠~山都町笹原 2020年9月20日

 本日は標高1000mの南阿蘇外輪山からのスタート。昨夜は夜半に少しだけ雨がパラついたが、その後は晴れて星がきれいだった。トイレに行こうとライトを着けたら、すぐ近くでビーーーというシカの警告音が響き、数頭の足音が遠ざかった。きっと雨でヒトの臭いに気が付かなかったのだろう。

f:id:nayutakun:20200921075009j:plain

 6:00にテントから出ると根子岳が正面に聳える。最高のロケーションだ。気温は9℃。半袖Tシャツ1枚だと少し肌寒い。撤収を済ませ、根子岳を見ながら山コーヒーを味わい、7:10に行動開始。

f:id:nayutakun:20200921075045j:plain

 昨日の外輪山は藪漕ぎの大盛りだったため少し慎重にスタートする。しかし、いつまで進んでも道が良い。通常の山道の2倍以上の幅で草刈りが行われている。刈られた葉を見ると、この1か月以内に整備がされているよう。ラッキーだ。草原から杉が植林された森に変わり、その後は広葉樹の森に変わる。両脇の笹は背丈を軽く超えるので、もし草刈りされていなかったら恐怖の藪漕ぎだったはずだ。

f:id:nayutakun:20200921075115j:plain

f:id:nayutakun:20200921075127j:plain

 広葉樹の森に上りの木道が現れる。300段以上ある天空まで続くような木道。整備状況は最高に良いが、もし、ひとし君カードをもらっていたならばここでそのカードを行使して100mワープすべきようなコース。

f:id:nayutakun:20200921075243j:plain

f:id:nayutakun:20200921075257j:plain

空まで続くような木道が伸びる

 汗だくになって木道の頂上まで上がるとそこが高千穂野(たかじょうや、1100m)だった。このあたりは聖域のようで、野焼きされた痕跡がなく、広葉樹の森が広がっている。少し先に進むと阿蘇岳が正面に見える絶好のロケーションにベンチが設置してある。ここでシリアルの朝食とした。

f:id:nayutakun:20200921075350j:plain

f:id:nayutakun:20200921075411j:plain

f:id:nayutakun:20200921075435j:plain

 朝食を済ませて9:00に行動再開。9:07には天神峠(1000m)に到着した。少し進むと水の音が聞こえてきた。山道の脇に小さな沢が流れている。ここは外輪山コース初の水場。洗顔、歯磨きを済ませて再出発。

f:id:nayutakun:20200921075516j:plain

f:id:nayutakun:20200921075549j:plain

 さらに20分ほど歩き、9:42に多津山峠(1060m)に到着。ここまで山道の整備状況は最高に良い。さらに1.4km先の駒返峠(1070m)には10:14に到着。コースタイムよりもずいぶん早く到着した。ここでは反対側から外輪山を歩いている登山者と初めて出会った。清水峠より先の山道の状態をありのままに伝えると、清水峠で高森に下山しようかなと言いながら出発していった。ちょっと悪いことをしたような気がした。

f:id:nayutakun:20200921075627j:plain

f:id:nayutakun:20200921075646j:plain

f:id:nayutakun:20200921075711j:plain

 駒返峠からは南阿蘇外輪山から南に折れて山都町に向かう。これから先も山道の整備状況が良いように祈りながら駒返峠を左折して進む。ここも両側は背丈を軽く超えるような笹なのだが、しっかりと草刈りがされている。このあたりは先週ぐらいに刈ったばかりのようで、いまだに笹の良いにおいが漂っている。笹原が終わると杉の植樹林に変わるが、相変わらず整備状況は良い。なんなく林道に到達。

f:id:nayutakun:20200921075755j:plain

f:id:nayutakun:20200921075807j:plain

f:id:nayutakun:20200921075822j:plain

 ここからは九州自然歩道に従って山中に突入する方法と、並行する林道を安全に進む方法があるが、今日の整備状況の良さから一か八かで山中に突入した。すると、ここも幅広い山路が整備されている。奇蹟だ。コースの最後こそ、間伐材が散乱しており、自然歩道が一部消失していたが、ほとんど問題なし。大矢国有林入り口までの5kmの道のりを1時間で踏破した。舗装路と変わりないタイムだ。

f:id:nayutakun:20200921075904j:plain

f:id:nayutakun:20200921075926j:plain

 ここからは自動車も通行可能な林道を歩く。よく手入れされた山が続く。3kmほど歩くと舗装路に変わり、休憩を挟んで13:17に稲生野の集落に到着。バス停があるので時刻表を確認。平日のみ2便で、山歩きへの利用は困難そうな運行状況だった。ここには食堂があるような地図情報があったので探してみたが店舗はなし。バス停の前に自販機があったので飲料水を補給した。

f:id:nayutakun:20200921075955j:plain

f:id:nayutakun:20200921080009j:plain

f:id:nayutakun:20200921080024j:plain

f:id:nayutakun:20200921080108j:plain

f:id:nayutakun:20200921080124j:plain

 いくつか小さな集落を抜けたところで、川沿いの気持ちのよさそうなところがあったので、道路から下りて行ってラーメンの昼食とした。川の水は透き通り、心地よい昼食だった。

f:id:nayutakun:20200921080152j:plain

f:id:nayutakun:20200921080204j:plain

 さらに進むと、九州自然歩道は県道から離れ、手掘り風の小川トンネルを抜け、山越えルートに入る。小さな峠を超えると後谷の集落に着いた。川沿いの集落だが、集落の前面が一面の田んぼになっており、黄金色の稲穂が揺れて輝いていた。

f:id:nayutakun:20200921080235j:plain

f:id:nayutakun:20200921080250j:plain

f:id:nayutakun:20200921080303j:plain

 あまりの見事さにしばらく見とれていると、地元の90歳のおじいさんが電動カートで通りかかり、地域の説明をしてくれた。米の銘柄はヒノヒカリで、10月に収穫予定、数年前に運転免許を返上して、現在はこれが愛車とのこと。

f:id:nayutakun:20200921080330j:plain

 おじいさんとは15:53に分かれ先に進むと、5kmほどで通潤橋の分水と、さらに500mほど遡って通潤用水の取水口に出た。

f:id:nayutakun:20200921080356j:plain

f:id:nayutakun:20200921080407j:plain

f:id:nayutakun:20200921080422j:plain

f:id:nayutakun:20200921080437j:plain

 時間は17:00ちょうど。時間もよいので、このあたりで今日の活動を終えることにした。 

f:id:nayutakun:20200921080507j:plain

f:id:nayutakun:20210429211913j:plain

2020年9月20日 九州自然歩道 51日目 熊本県阿蘇郡高森町清水峠~上益城郡山都町笹原 晴れのち曇り 気温24/9 距離21.1km 行動時間9:47 平均速度2.7km/h 33693歩