九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 71日目 開聞岳 に目が釘付け 鹿児島県枕崎市枕崎駅~指宿市開聞駅 2020年12月20日

 本日も昨日に引き続き、枕崎市内のホテルからのスタート。ホテルで朝食を済ませ、7:30に行動開始。枕崎駅から20分ほど南に歩いたところで枕崎港に出て、九州自然歩道に復帰した。枕崎港の向こうの山には風車が多数並んでいるのが見える。太陽が昇り始めた東の海に目を転じると、開聞岳の肩越しに太陽が昇ってきた。空は雲量1の快晴。いいタイミングで歩くことができた。

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朝の枕崎港 山の上では風車がゆっくりと回る

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ちょうど開聞岳の背後から太陽が昇ってきた

 枕崎港からは海岸線に沿って東に進む。行く手には野焼きのような煙がたなびいているのが見える。こんな朝早くから草取りをして燃やしているのかなと思ったが、煙に近づくにつれ正体がわかった。流れてきた煙からは鰹の匂いがする。この煙はかつおを燻製にする煙の匂いだ。見れば、煙の出ているどの工場の周囲にも、大量の薪が積まれている。枕崎は鰹節の有数の産地だったなと思い出す。この煙の中を歩いただけでも、枕崎に来た甲斐があったなと思えるほど、他では経験できないような濃厚な鰹の香りを身体中で浴びることができた。

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工場から煙がたなびく

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鰹節工場からの煙だった

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どの工場にも薪が大量に積み上げられている

 8:00ごろには枕崎港から国道226号線に合流し、枕崎の市街地を出た。岩戸山が海に落ち込むところを通過する峠にさしかかると、小高い岬にいたる道路の脇に見事なアコウが並んで生えていた。アコウはクワ科の植物で樹勢は強い。気根を垂らしているところなど、いかにも南国の雰囲気がある。

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遠見番緑地のアコウ並木

 さらに国道226号線をひたすら東に向かう。薩摩板敷駅近くの踏切ではまっすぐ海に続く道が見えた。九州自然歩道は国道226号線を歩くのだが、この道には歩道はあるものの、交通量が多く快適ではない。国道に並行するように、指宿枕崎線の線路に沿って畦道が続いているのが見えるため、こちらを歩くことにする。開聞岳が正面に見えてきた。

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踏切を渡ると正面は海

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東には開聞岳

 しばらくは地図を見ながら東に向かうように畦道や集落の中を進む。集落に到るまでは広い圃場が続き、港に近い集落は細い路地に向かい合うように家々が連なっている。薩摩酒造の貯蔵施設が集落の中に現れた。

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畑の中に立つのは製糖工場か

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畑の向こうには海

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集落の家々は肩を寄せ合うように狭い道を挟んで並ぶ

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集落の中に薩摩酒造の倉庫

 塩屋集落を9:50に通り過ぎたところで堤防に沿った道に出た。防波堤の向こうには開聞岳が聳える。完璧な円錐形の山だ。目が釘付けになる。あまりに美しいので、ここでしばらく休憩することにした。ホテルで淹れた熱いお茶を飲みながら開聞岳を眺める。いつまで見ても、飽きない。

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塩屋集落で海に出た

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こんな開聞岳に目を奪われた

 今日はできるだけ開聞岳を眺めながら歩こうと、ここからなるべく海岸沿いの道を選んで進む。塩屋集落から先は防波堤の道を歩くが、防風林にさらに風よけの工夫がしてあるのが見える。きっと台風のシーズンなどは猛烈な風が吹くのだろう。

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暴風仕様の防風林

 松ヶ浦の集落、門の浦の集落を通り過ぎる。いずれも美しい港を持った小さな集落で、集落内の道は狭い。その後も大川、水成川、石垣といった集落の中を歩いて進んだが、石垣から先は国道226号線以外のコースがとれない地形となっていた。やむなく12:00に国道に復帰し、歩き始めたところでちょうど定食屋があったためお昼ご飯とした。

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松ヶ浦

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門の浦

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大川漁港

 地元の方たちで賑わう食堂での昼食を終えて、12:30に行動を再開した。地図を仔細に眺めたが、ここからは国道226号線を歩くしか方法はなさそうだ。しかし、フェニックスの並木の続く国道も風情があってよい。さらに、交通量が少なければありがたいのだが。

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国道226号線に復帰

 13:00には木の元の薩摩酒造頴娃(えい)蒸留所を通過した。南薩摩には焼酎の蒸留所が多い。

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薩摩酒造を通過

 国道の整備状態は良好。歩道も設置してある。並木のフェニックスが南国感を醸し出している。道路の左側には大野岳が見える。右には開聞岳がさらに近づいてきた。

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こんな道も良い

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道路の左手には大野岳

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道路の右手には開聞岳

 西頴娃の街のコンビニでコーヒーの休憩の後、しばらくは山に近い道を歩いていたが、その後、国道は一気に海岸に近づく。昼下がりの太陽が、水面から柔らかく照り返してくる。カーブを曲がったところで開聞岳が正面に現れた。いやー、この開聞岳はたまらない。まったくお酒は飲めないのだけれども、この開聞岳を見たら焼酎をグッと一口飲みたくなるような、そんな開聞岳が目の前に現れた。

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国道226号線が海に向かう

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その先にはこんな絶景が

 開聞岳撮影の絶景スポットとされる瀬平自然公園には14:23に到着した。ここでもしばし休憩。碧い海と青い空、緑の開聞岳と白い波打ち際の織りなす絵は最高。葛飾北斎が南薩摩に来る機会があったならば、間違いなく開聞三十六景を描いていたと思う。

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これが本日のベストショット 下戸でも焼酎を飲みたくなる開聞岳

 15:00に入野駅を通過し、北側からの開聞岳をじっくりと眺めながら15:30に指宿枕崎線開聞駅に到着。これにて行動終了とした。次回は開聞岳登山からトレッキングを再開する。楽しみだ。

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菜の花の向こうの開聞岳

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JR指宿枕崎線開聞駅に到着

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次回はここから開聞岳登山

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 2020年12月20日 九州自然歩道 71日目 鹿児島県枕崎市枕崎駅指宿市開聞駅 晴れ 気温11/6℃ 行動時間8:04 距離30.2km 45961歩

 復路交通:

東開聞16:48-鹿児島中央18:43/19:06九州新幹線さくら408号-博多20:43