九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 80日目 鹿屋の思い出は薔薇の香りと櫻の花 鹿児島県鹿屋市横尾岳~鹿屋市今坂 2021年1月31日

 昨夜は標高420mほどの横尾岳公園にテントを設営した。夜中にテントを出て空を見上げた。月齢は16.9日で非常に明るく、ライトなしで芝生の上を走ることができそうなほどだった。オリオン座が天頂近くに輝いていた。月明かりがあるにもかかわらず、オリオン座の中にたくさんの星が輝いている。写るかどうか分からなかったが、写真を撮ってみた。星の数が多すぎて星座が分からないほどだった。

f:id:nayutakun:20210202184242j:plain

カメラを手に持ってオリオン座を撮影してみた わかるかな?

 朝は6時前に目が覚めた。気温は0℃。テントの中を暖めるのと、身体を温めるために、お湯を沸かし、コーヒーを淹れた。テントの中に馥郁たる香りが漂う。コーヒーを楽しんでからテントの外に出ると、東の山の端から太陽が出るところだった。太陽がすっかり顔を出したのを確認してから撤収作業を開始した。

f:id:nayutakun:20210202184358j:plain

軽量化のためにアルコールバーナーを試用中

f:id:nayutakun:20210202184444j:plain

テントを出たらちょうど日が昇ってきた

 7:40に撤収作業を終え、鹿屋の市街地を眺めていると、航空自衛隊鹿屋基地の滑走路あたりから飛行機のエンジンのアイドリング音が聞こえてきた。アイドリング音は次第に高い音に変わり、滑走路の上の金属色の小さな点が南端に移動したかと思うと、音が急に大きくなり、白い飛行機が離陸した。飛行機が薩摩半島の方向に飛んでいくのを見届けてから、本日の行動を開始した。

f:id:nayutakun:20210202184545j:plain

山上から飛行機を見送って出発

 横尾岳公園から下山を開始し、7:58に林道との分岐に到着した。ここからアスファルト舗装の快適な林道を下っていく。本日は雲量0の快晴。空が青い。林道は北西に向かって斜面を下りるが、東に西にカーブを描いて下りていくため、志布志湾が見えたり、錦江湾が見えたり、木々の間からの景色を楽しむことができる。麓が近くなってきたところでキャンプ場の標識を見つけたため、覗きに行ってみたら、すでに太陽光発電の機材が設置してあり、キャンプ場は跡形もなかった。

f:id:nayutakun:20210202184646j:plain

快適な林道を下りていく

f:id:nayutakun:20210202184706j:plain

本日快晴

f:id:nayutakun:20210202184722j:plain

志布志湾まで見渡せる

f:id:nayutakun:20210202184752j:plain

キャンプ場の標識を見つけて覗きに行った

f:id:nayutakun:20210202184817j:plain

すでに太陽光発電所に変わっていた

 9:03に林道横尾岳線の終点に到達し、ここからは県道73号線を左折して進む。県道の行く手には浜田の町が見えてきた。これも大隅半島に特異的な事象として気がついたことだが、道路脇の藪の木に、空のペットボトルや空き缶が差し込んであるのを見かける。まさか、害獣除けということではないだろう。飲み終えた空容器をポイ捨てしようと思って、後から誰かが回収しやすいように木に差し込んだのだろうか?

f:id:nayutakun:20210202184904j:plain

林道ここに終わる

f:id:nayutakun:20210202184924j:plain

県道73号線と交差

f:id:nayutakun:20210202184944j:plain

県道の先には浜田の町が見えてきた

 浜田の町まで1kmぐらいの地点で、ちょっと寄り道をする。秘湯として知られるアビルランドという温泉に立ち寄ってみたかったからだ。池のほとりにある温泉施設まで行ってみた。残念ながら本日は休館。やむなく県道に復帰し、9:30には国道269号線と合流する浜田交差点に到着した。

f:id:nayutakun:20210202185028j:plain

秘湯アビルランドの看板を見つけた

f:id:nayutakun:20210202185054j:plain

池のほとりの温泉

f:id:nayutakun:20210202185111j:plain

残念ながら日曜定休

f:id:nayutakun:20210202185202j:plain

あきらめて浜田に向かう

f:id:nayutakun:20210202185222j:plain

浜田で国道369号線と合流

 ここから、本来のコースは国道269号線を北に向かうのだが、交通量が多く危険と思われる。交差点の先に海に向かって続く細い道があったので、海岸に突き当たるまで進み、ここから2kmほど海岸を歩くことにした。

f:id:nayutakun:20210202185306j:plain

狭い道を海に向かって進む

f:id:nayutakun:20210202185326j:plain

砂浜を歩く

f:id:nayutakun:20210202185348j:plain

砂浜の先に松林

 10分ほどのんびりと砂浜を歩くと、松林が現れ、芝生の生えた快適そうなキャンプ場が整備してあった。トイレやシャワーもある。散歩をしているおじさんに挨拶をして聞いてみると、ここは地元の方が清掃をして管理しているキャンプ場とのこと。隅から隅まできれいに手入れされている。

f:id:nayutakun:20210202185418j:plain

松林の先には芝生

f:id:nayutakun:20210202185447j:plain

トイレ、シャワー付きのキャンプ場があった

f:id:nayutakun:20210202185513j:plain

海辺のテントサイトも気持ちよさそう

 聞けばこのおじさん、地元の元漁師の方。このキャンプ場は小学校の跡地で、ここの小学校を卒業されたとのこと。現在は、小学校は国道を挟んだ反対側に移転している。昭和9年生まれのおじさんは、亡くなった父と同年代。大東亜戦争中も浜田漁港から錦江湾に漁に出かけていて、機銃掃射にあったこともあるそう。鹿屋に来たならば、ぜひ航空自衛隊の資料館に立ち寄って、特攻隊の資料を見て行ってくれと言われる。天国の父から言われたような気がして、資料館に立ち寄ることを約束して別れた。

f:id:nayutakun:20210202185624j:plain

浜田の海岸にはゴミがない

f:id:nayutakun:20210202185648j:plain

海が透き通る

 キャンプ場から先も、靴を濡らしながら海岸沿いを歩き、垂水に向かって北上する国道269号線が、鹿屋に向かう県道68号線と分岐する三叉路に10:10に着き、ここからは鹿屋に向かって海から離れる県道を上り始めた。

f:id:nayutakun:20210202185717j:plain

砂浜をズンズン進む

f:id:nayutakun:20210202185744j:plain

水があってもお構いなしに進む

f:id:nayutakun:20210202185813j:plain

気持ちのよい海岸だった

f:id:nayutakun:20210202185839j:plain

砂浜の先からはかのやばら園に向かって山手の道路に入る

 1.7kmの上り坂を歩き、10:49にかのやばら園に到着した。まずは自動販売機で炭酸飲料を購入して喉を潤す。正面に聳える霧島が丘展望台に向かい、ぐるっと360°の眺望を楽しんだ。ばら園はシーズンオフで、花はあまり咲いていないよう。展望台を出ると、正面には高隈山系の白山、横岳、大箆柄岳(おおのがらだけ)、御岳が仲良く並んでいる。次の目標地点はここだ。

f:id:nayutakun:20210202185952j:plain

わりと急な上り坂を1.7km

f:id:nayutakun:20210202190019j:plain

かのやばら園に到着

f:id:nayutakun:20210202190041j:plain

霧島が丘展望台

f:id:nayutakun:20210202190111j:plain

展望台では荷物を下ろして景色を堪能

f:id:nayutakun:20210202190141j:plain

展望台の正面には高隈山系 左から白山、横岳、大箆柄岳、御岳

 展望台の前には瀟洒な建物がある。見てみると、くろぶたの丘という地元で育成された黒豚をメインにしたレストラン。11:30の開店を待って、ランチをとることにした。お勧めの黒豚グリルランチを食べたが、肉の味がしっかりして、柔らかく、美味しかった。

f:id:nayutakun:20210202190251j:plain

くろぶたの丘 食べ物の匂いがした

f:id:nayutakun:20210202190320j:plain

おしゃれなレストランがあった

f:id:nayutakun:20210202190337j:plain

おすすめはやっぱり黒豚

 食事を済ませたら先に進もうかと思っていたが、本日はバラ園無料というアナウンスが聞こえてきた。せっかくなので立ち寄ってみることにした。バラは主には春と秋に開花するものが多いので、現在は剪定後であまり花をつけているものはなかったが、2割ほどの株に花がついていた。香りのよいものもあり、十分に楽しむことができた。シーズンにもう一度来てみたいものだ。

f:id:nayutakun:20210202190414j:plain

かのやばら園に立ち寄った

f:id:nayutakun:20210202190446j:plain

花は2割ほど

f:id:nayutakun:20210202190536j:plain

温室内のバラはよく管理されている

f:id:nayutakun:20210202190600j:plain

園内にはバラの香りが漂う

f:id:nayutakun:20210202190632j:plain

シーズンにまた来たい

 12:54にバラ園を出発し、鹿屋に向けて丘を下り始める。正面には高隈山系が近づいてきた。13:25には鹿屋の平野部に位置する野里集落に入った。ここで国鉄大隅線の線路跡に向かって右折する。大隅線は、かつて志布志、鹿屋、垂水、国分を結んでいた大隅半島を横断する動脈だった。1987年に廃止されているが、乗ってみたかった。13:30に大隅野里駅跡を通過した。

f:id:nayutakun:20210202190721j:plain

ばら園から坂を下る

f:id:nayutakun:20210202190741j:plain

正面には高隈山系が近づいてきた

f:id:nayutakun:20210202190807j:plain

野里の集落から右折して線路跡を進む

f:id:nayutakun:20210202190841j:plain

鹿屋の次の駅の野里駅

 13:33に野里から左折して、鹿屋基地の滑走路の西に端に沿って進む。14:00に桜花の慰霊碑に着き、手を合わせる。桜花は小学館の図鑑にロケット戦闘機として掲載されていたのでよく憶えている。しかしその頃は、桜花に降着用の車輪がないことは知らなかった。無邪気なものである。

f:id:nayutakun:20210202190929j:plain

滑走路の西端の道路

f:id:nayutakun:20210202190952j:plain

滑走路の西には圃場が拡がる

f:id:nayutakun:20210202191014j:plain

その向かいに桜花の慰霊碑

 14:02には野里小学校前を通過した。集落の墓地も通過したが、どこを見ても、大隅半島のお墓は手入れがよい。この地域の方々は、神話の時代から先祖を大切にしているかのようだ。

f:id:nayutakun:20210202191046j:plain

大隅地区はどのお墓も手入れがよい

f:id:nayutakun:20210202191117j:plain

町もきれい

 14:18には柳の交差点に着き、鹿屋市の中心に向かう県道550号線に右折して進む。14:35には慰霊碑前交差点を通過し、14:50に航空自衛隊資料館に到着した。資料館の前には巨大な二式飛行艇が展示してあった。資料館は予約制の見学で、午後3時からの最終の見学時間に間に合った。受付で記帳して見学させてもらったが、見学者は自分一人。桜花によるものも含めた特攻隊の戦死者ほとんどすべてが、顔写真付きで展示されていた。

f:id:nayutakun:20210202191145j:plain

県道550号線を鹿屋中心地に向かって進む

f:id:nayutakun:20210202191230j:plain

鹿屋航空基地に到着

f:id:nayutakun:20210202191254j:plain

資料館に進む

f:id:nayutakun:20210202191312j:plain

資料館の前には二式飛行艇

f:id:nayutakun:20210202191345j:plain

資料館の2階は零戦以外は撮影禁止

f:id:nayutakun:20210202191425j:plain

f:id:nayutakun:20210202191634j:plain

至誠に悖る勿かりしか

 15:30に航空自衛隊資料館を出て、慰霊塔バス停まで歩いた。この慰霊塔は、特攻隊による戦没者のための慰霊塔。次の九州自然歩道トレッキングの再開は、慰霊塔にお参りするところから始めるつもりだ。

f:id:nayutakun:20210202192134j:plain

f:id:nayutakun:20210202192144j:plain


 2021年1月31日 九州自然歩道 80日目 鹿児島県鹿屋市横尾岳~鹿屋市今坂 快晴 気温14/4℃ 行動時間6:38 距離20.4km 39299歩

 復路交通:鹿屋慰霊塔前16:08-垂水港16:40/17:10-鴨池港17:45/18:15-鹿児島中央18:45/19:51九州新幹線みずほ614号-博多21:07

九州自然歩道 79日目 神話の里から鹿屋を一望できる岡の上に 鹿児島県鹿屋市吾平~横尾岳 2021年1月30日

 今回の九州自然歩道トレッキングは、鹿児島県鹿屋市吾平からの再開。現地までの交通はなかなか難易度が高く、博多から始発の新幹線で鹿児島中央駅に向かい、バス、フェリー、バス、バスと乗り継いで、10:58に吾平町バス停に到着した。本日のルート上には補給は期待できないため、姶良町バス停の近くのセブンイレブンで昼食と夕食の材料を購入して、11:15に行動を開始した。

f:id:nayutakun:20210202145335j:plain

九州新幹線つばめ307号 各駅停車

f:id:nayutakun:20210202145416j:plain

車内はご覧のとおりのガラガラ

f:id:nayutakun:20210202145512j:plain

鹿児島鴨池港から垂水港までフェリー

f:id:nayutakun:20210202145541j:plain

垂水からバスを乗り継ぎ乗り継ぎ鹿屋市の吾平町まで

 まずは吾平町から、前回、九州自然歩道を離脱した地点の軍(いくさ)神社まで、県道68号線を南下する。通行量の多い県道で、自動車がかすめるようにして通過していく。このまま歩くと危険なので、68号線を離れて、畦道を通って姶良川沿いの自転車専用道路に出て、のんびりと歩くことにした。カモの浮かぶ姶良川を眺めながらゆっくりと歩いて、11:46に軍神社に到着した。

f:id:nayutakun:20210202145648j:plain

まずは吾平町から県道68号線を田代方面に南下

f:id:nayutakun:20210202145733j:plain

県道の交通量が多いため姶良川沿いの自転車専用道を南下

f:id:nayutakun:20210202145813j:plain

前回の離脱地点の軍神社に到着

 ここからは忠実に九州自然歩道のルートに従って、しばらく姶良川沿いの道を歩く。天気がよく、気温は10℃ほど。ダウンジャケットの下が汗ばんできた。下苫野の集落を過ぎたところで、12:00に姶良川沿いの道から右折して山の中に入っていく。この道も舗装路で、木陰の中を歩くため、さらに心地よい。

f:id:nayutakun:20210202145859j:plain

しばらくは姶良川に沿って上流に

f:id:nayutakun:20210202145924j:plain

下苫野から右折して山中の道に

f:id:nayutakun:20210202145957j:plain

道端には水の神様が

 12:12に山の中から広い圃場とビニールハウスの並ぶ立元を通過して、県道68号線との交差点に到達した。ここを右折して、68号線を北に200mほど戻ったところで、大牟礼入り口のバス停から左折して、ふたたび山間の道を進み始めた。

f:id:nayutakun:20210202150031j:plain

立元集落を過ぎると標識が

f:id:nayutakun:20210202150057j:plain

再び県道68号線に出た

f:id:nayutakun:20210202150124j:plain

大牟礼入口から左折して山中の道に入る

 1kmほど歩き、大牟礼集落の家々が見え始めた12:30に、集落の外れの切り株に腰を下ろして、セブンイレブンで購入した肉まんとチキン、おにぎりと豚汁の昼ご飯とした。汗が出てきたので、ダウンジャケットを脱いで、ザックに詰め込んだ。集落の方から20歳代ぐらいの作業着を着た男性4名が歩いてきた。礼儀正しく挨拶をして通り過ぎていった。気持ちがよい。

f:id:nayutakun:20210202150228j:plain

大牟礼集落の入口近くで昼食タイム

f:id:nayutakun:20210202150313j:plain

のどかな集落

 昼食の後は、12:46に行動を再開した。集落の中を何度か曲がるが、その都度、標識が道を示してくれる。集落のお墓はとてもきれいに掃除されている。大隅半島に来てから、お墓の手入れの良さにはいつも驚かされる。家の庭には、大根のスライスのようなものが干されている。これも大隅半島に独特。自家製の切り干し大根か?

f:id:nayutakun:20210202150350j:plain

集落の中の道を進む

f:id:nayutakun:20210202150418j:plain

大隅半島のお墓はどこもきれいに清掃してある

f:id:nayutakun:20210202150446j:plain

庭先の大根も大隅のシンボルか

 13:18に萩崎の集落に入った。舗装路が左折するところを、九州自然歩道のルートは民家の軒先をかすめるように直進して、藪の中に突入していった。舗装路に迂回しようかと迷ったが、しばらく藪漕ぎを我慢して進んだところ、ほんの30mぐらいでふたたび舗装路に出てホッとした。

f:id:nayutakun:20210202150525j:plain

萩崎の集落に入る 正面が陣の岡

f:id:nayutakun:20210202150609j:plain

コースどおりに進みしばらく藪漕ぎ

f:id:nayutakun:20210202150629j:plain

すぐに舗装路に出てホッとした

 13:46に陣の岡への登り口の近い山下集落に着いた。登山道は左折して進むのだが、反対側を見ると、200mほど先に自動販売機が見える。今日のコースの後半は山道で、しかも稜線をつないで歩くため、途中には水場がない可能性がある。現在、水はサーモスの中の500mlのみ。行動中に水がなくなる可能性が高い。畑の中にぽつねんと立つ自動販売機まで歩いて行って、PETボトルの550mlの水を購入して、ザックに詰め込んだ。この判断は、あとで正解となった。

f:id:nayutakun:20210202150716j:plain

陣の岡が目の前に迫る山下集落

f:id:nayutakun:20210202150825j:plain

ここからは町は遠くなるばかり

f:id:nayutakun:20210202150752j:plain

振り向いた向こうに自動販売機が見えた

 ここからはまっすぐに陣の岡に向かう。14:00に陣の岡登山口に到着して、イノシシよけの電気柵の横を通って山道に進む。踏み跡のしっかり着いた、整備状況のよい山道だ。歩き始めてすぐに、ハグする木という、幹に石を抱き込んだ木が生えていた。

f:id:nayutakun:20210202150948j:plain

陣の岡登山口に到着

f:id:nayutakun:20210202151013j:plain

目標は横尾岳公園

f:id:nayutakun:20210202151050j:plain

ハグする木を通過

 登山口には、陣の岡の頂上までに6カ所の休憩所が設置してあると案内があった。標高160mの第1休憩所には14:14に到着し、そのまま休まずに先に進んだ。標高200mの第2休憩所も、14:22に問題なく通過し、第3休憩所を目指してさらに進むが、この先は踏み跡が途絶え、藪に突入していった。踏み跡を忠実にたどっていったつもりだったが、GPSをみてもかなり東に逸れている。しかし、数日前に誰かが進んだような足跡もあるので、強引に藪の中を進んだ。汗まみれになって藪こきをして進んだら、左から木道が登ってくるのが見え、すぐに第3休憩所が現れた。どこかでルートを外れ、またなんとか引き返すことができたようだが、道を誤ったのがどこだったのかわからないままだった。

f:id:nayutakun:20210202151152j:plain

第2休憩所までは無事に通過

f:id:nayutakun:20210202151243j:plain

その先の道が怪しくなってきた

f:id:nayutakun:20210202151313j:plain

いつしか完璧な藪の中に突入

f:id:nayutakun:20210202151353j:plain

その後はふたたび整備された山道に復帰できて一休み

f:id:nayutakun:20210202151456j:plain

木道があらわれて一安心

 その後は順調に進み、頂上近くのなだらかな部分を150mほど歩いて、15:20に芝生の大きな広場に出たと思ったら、そこが陣の岡の482mの頂上だった。頂上からの眺めはよく、桜島から開聞岳まで見渡すことができた。頂上にはいろいろなグループの登頂記念の看板が立てられていたが、山名板はなく、三角点も設置されていなかった。このピークはYAMAPの地図上のピークとは150mほどずれていた。どちらをピークとしてもよいほど、陣の岡はなだらかな頂上部分の続く岡だった。

f:id:nayutakun:20210202151538j:plain

芝生のひらけた広場に出たと思ったら頂上だった

f:id:nayutakun:20210202151604j:plain

山名版はないがなぜか登頂記念の立て看板が乱立

f:id:nayutakun:20210202151654j:plain

頂上からの眺望は最高 開聞岳も見える

f:id:nayutakun:20210202151721j:plain

大隅半島が一望

 陣の岡のピークから100mほど戻ったところから、横尾岳への山道を進み始める。最初は倒木が多く、道もぬかるんでおり、踏み跡も怪しい状態だったが、ところどころに赤いテープの目印がつけてあるため安心して進むことができた。アップダウンは少なく、心地よく歩くことができる。16:00ごろに舗装路が現れ、100mほど進むとフェンスに囲まれたレーダーが設置してあり、ここが426mの横尾岳のピークだった。

f:id:nayutakun:20210202151803j:plain

ピークから少し引き返したところの標識から横尾岳に向かう

f:id:nayutakun:20210202151841j:plain

最初は倒木のハードルを何度も越える

f:id:nayutakun:20210202151913j:plain

次第に整備状況は改善 赤テープに助けられる

f:id:nayutakun:20210202151952j:plain

イノシシの罠に注意

f:id:nayutakun:20210202152012j:plain

舗装路に出たら横尾岳山頂は近い

f:id:nayutakun:20210202152058j:plain

横尾岳山頂のレーダー 鹿屋航空自衛隊の管制レーダーとか

 横尾岳は木に囲まれており、ピークには眺望はなかった。すぐに舗装路を引き返し、林道を先に進む。林道はコンクリート舗装に変わり、16:28にアスファルト舗装された林道との分岐に到着し、ここからは左折してしばらく進んだ。横尾岳を過ぎたところで、本日の目標と考えていた横尾岳公園まで1kmという標識を見ていたが、なかなか公園が現れないため、Google Mapを起動して横尾岳公園を検索してみたところ、すでに通りすぎているようだった。やむなくGoogle Mapを見ながら山道を引き返して藪の中を進んだが、30分ほど探しても見つからないため、ふたたび舗装された林道を浜田に向かって進むことにした。

f:id:nayutakun:20210202152152j:plain

横尾岳からは林道を下っていく

f:id:nayutakun:20210202152217j:plain

舗装路と合流して1kmほど進んだ

f:id:nayutakun:20210202152248j:plain

行けども横尾岳公園が見つからないため山頂近くの標識まで戻ってGoogle Mapの指示でこの藪の中に突入

f:id:nayutakun:20210202152354j:plain

大汗をかいて公園を探したが、ないものはない

 だんだん日が傾いてきて、そろそろ野営地を探さないといけない時間になってきた。林道の開けたところからは鹿屋の町が見えてきた。林道脇に空き地があったので、この辺りにテントを設置しようかと思っていたところ、ようやく横尾岳公園の入り口の標識が見つかった。結局、Google Mapの標示はまったく誤りで、ここまで歩いてきた林道は九州自然歩道とほぼ並行した誤ったルートであろうことがわかった。

f:id:nayutakun:20210202152447j:plain

だんだん日が傾いてきた

f:id:nayutakun:20210202152510j:plain

林道の状態がよいのが救い

f:id:nayutakun:20210202152532j:plain

鹿屋の市街地が一望できた

f:id:nayutakun:20210202152602j:plain

結局2km近く進んでようやく横尾岳公園の標識を見つけた

 標識から300mほど坂を登ったところで公園が現れた。芝生で覆われており、風よけの生け垣もあり、なかなか具合がよい。ちょうど太陽が山の端にかかる時間だった。

f:id:nayutakun:20210202152646j:plain

横尾岳公園に向かう坂道を登る

f:id:nayutakun:20210202152713j:plain

芝生の快適そうな公園だった

f:id:nayutakun:20210202152753j:plain

眼下に鹿屋市街が拡がる

f:id:nayutakun:20210202152850j:plain

ちょうど日没を迎えた

 17:31に行動を終え、テントの設営を開始した。横尾岳公園は420mほどの山のピークで、鹿屋市街や桜島を見渡すことができて気持ちがよい。今晩は氷点下近くまで気温が下がりそうだが、芝生の上で心地よく眠ることができそうだ。 

f:id:nayutakun:20210202152929j:plain

心地よいクッションの芝生の上にテントを設置できてしあわせ

f:id:nayutakun:20210202153038j:plain

東の空から月齢16.9日の月が昇り始めた

f:id:nayutakun:20210202153605j:plain

f:id:nayutakun:20210202153616j:plain

2021年1月30日 九州自然歩道 79日目 鹿児島県鹿屋市吾平~横尾岳 晴れ 気温11/1℃ 行動時間6:22 距離19.6km 36083歩 

往路交通:西新5:36福岡市営地下鉄-博多5:50/6:10九州新幹線つばめ307号-鹿児島中央7:58/8:10鹿児島交通バス-鴨池港8:38/8:50垂水フェリー-9:30/9:36鹿児島交通バス-鹿屋10:20/10:30鹿児島交通バス-吾平10:58

九州自然歩道 78日目 ちはやふる神代も知らず雨の中我濡れそぼり吾平を歩く 鹿児島県肝属郡錦江町花瀬~鹿屋市吾平 2021年1月24日 

 今朝はキャンプ場のテントの中で、雨の音で目が覚めた。幸い屋根があるので直接雨がテントに降り注ぐわけではないが、土砂降りといってよいほどの雨が降っている。やっぱりここに泊まってよかった。こんなに降りしきっていたら、地面の上に張ったテントの中まで浸水していたに違いない。

 5:30に寝袋を抜け出して、お湯を沸かした。コーヒーを淹れると、テントの中に芳醇な香りが拡がる。身体を温めてから撤収作業を開始した。荷物を片付けているうちに雨が小降りになり、7:00にはほとんど雨は上がっていた。

f:id:nayutakun:20210127132805j:plain

撤収を終えた頃には雨はほぼ止んだ

 花瀬橋を渡ってコミュニティバスのバス停に向かう。あれだけ雨が降ったのに、雄川の花瀬はやはり岩盤の川のまま。本当に不思議な光景だ。7:15発のコミュニティバスに乗り、昨日歩いた田代まではバスに揺られて行くことにした。

f:id:nayutakun:20210127132853j:plain

何度見ても雄川の花瀬は奇観

f:id:nayutakun:20210127132933j:plain

本当に幸運なことに1日3本のバスが7:15に出る

 田代麓のバス停で下車して、7:33に行動を開始する。ここからは九州自然歩道の続きを歩く。まずは北尾神社の前で手を合わせ、県道68号線を北上する。県道68号線は佐多岬から鹿屋(かのや)まで続く幹線道路で、交通量は多い。気温は12℃で暖かい。山からは盛んにシカの鳴き声が聞こえる。

f:id:nayutakun:20210127133045j:plain

昨日歩いた田代麓でバスを降りた

f:id:nayutakun:20210127133116j:plain

田代麓の中心にある北尾神社

f:id:nayutakun:20210127133146j:plain

県道68号線を北上する

 7:54に長谷(ながたん)の集落を通過した。スギの植林を抜けた先の山の麓には、工場のような建物が展開している。何の工場だろうかと思いながら歩いていたが、入口近くで分かった。鹿児島黒牛の肥育センターだった。こんな工場みたいなところで大規模に生産しているのかと、意外な感がした。

f:id:nayutakun:20210127133235j:plain

スギの植林の間の道を進む

f:id:nayutakun:20210127133306j:plain

山の麓に大きな工場が見えた

f:id:nayutakun:20210127133328j:plain

鹿児島黒牛の肥育センターだった

 ここから先は緩い勾配を笹原峠に向かって進んでいく。雨はほぼ止んでいる。山間からは空まで続く雲が流れていく。子供の頃、空に浮かぶ雲はどこで作っているのだろうかと思っていたが、ここに生産工場の一つがあったようだ。

f:id:nayutakun:20210127133507j:plain

山間からモクモク雲が湧いていた

f:id:nayutakun:20210127133539j:plain

小雨ながら降り続く

 8:14に笹原峠を通過した。県道68号線の交通量は多く、どの自動車のスピードも速い。8:22に標高298mの最高地点を通過したところで、紺色の軽自動車が止まって助手席の窓が開いた。人の良さそうなおじさんが、乗りませんか?と声をかけてくれる。歩いているんですと答えて、先に進む。道路の脇には撤去された境界標識の支柱のみが残されていた。ここはおそらく旧大根占町と旧田代町の境界だったところ。平成の大合併で町の名はなくなり、錦江町というあまり根拠の定かでない町名になってしまっている。

f:id:nayutakun:20210127133630j:plain

笠原峠を通過 ちなみにバスは鹿屋行きが7時台1本、根占行きが17時台1本のみ

f:id:nayutakun:20210127133943j:plain

境界標式が撤去されて支柱のみ

 8:48に半ケ石の集落に入った。神の川にかかる半ケ石橋を渡る。上流を見ると、たしかに神様が住んでいそうな山から流れてきている。集落には10軒を超える住宅が建ち並んでいるが、生活音がしない。実際に居住している家は少ないようだ。しかし、それにもかかわらず、明らかに人が住んでいない家の周囲も草取りをされている。集落全体のメインテナンスがよくできているため、荒廃した感じがしない。とくに感心したのはお墓。だれかが手入れをしているのだろう。大隅半島でとくに強く感じるのは、なんとか自分たちの町を守ろうとするひたむきさ。路肩の雑草などもきれいに刈り取ってあるところが多い。

f:id:nayutakun:20210127134031j:plain

集落を流れる神の川は神様の居そうな山から流れてきている

f:id:nayutakun:20210127134150j:plain

狭い小路の奥まで家が建ち並ぶが生活音が聞こえない

f:id:nayutakun:20210127134230j:plain

明らかに居住していない家でも手入れがされている

f:id:nayutakun:20210127134307j:plain

道路脇の雑草もきれいに刈られている

f:id:nayutakun:20210127134341j:plain

だれかがみんなのお墓を守ってあげているよう

f:id:nayutakun:20210127134420j:plain

土地の神様にも手厚い

f:id:nayutakun:20210127134453j:plain

過疎は進むけど、いい町だと感じる

 9:09には大根占簡易水道の水源地を通過した。塩化ビニールのパイプから美味しそうな水が流れている。サーモスが空いていれば水を汲んでいきたかったが、今朝は沸騰したお湯を詰めてある。

f:id:nayutakun:20210127134544j:plain

簡易水道の水源地

f:id:nayutakun:20210127134604j:plain

道路脇に車を停めて水を汲みに来る人が多いよう

 坂を下ったところに川が見えたため、小休止しようと近づいたところで、急に大粒の雨が降り出した。200mほど先に建物があったので軒先に駆け込んだら温泉だった。残念ながら営業は午後1時から。ドアの向こうでは女性が掃除をしている。軒先にあった自販機で温かいスープを購入して、ドライフルーツと一緒に朝食とした。

f:id:nayutakun:20210127134654j:plain

タイミングが合えば浸かってみたかった秘湯感のある小平湯

f:id:nayutakun:20210127134821j:plain

残念ながら午後1時からの営業

 10分ほど軒先でゆっくりしていたら小降りになったので、雨具をしっかり装着して再び歩き始めた。9:48に池田の集落に到着した。ここにはスーパーマーケットがあったので、パンを購入して小休止。店先のベンチに腰掛けて、パンとココアで栄養補給した。

f:id:nayutakun:20210127134906j:plain

再び雨の中を歩き始める

f:id:nayutakun:20210127134925j:plain

池田集落の中心にあるスーパー

 10:03に行動を再開し、旗山神社の大楠を見物してから先に進む。坂を登った先には広い圃場が拡がっていた。ここの地名は段。段々畑が拡がるからか。正面には、次に登る予定の陣の岡と横尾岳が見える。

f:id:nayutakun:20210127135003j:plain

旗山神社

f:id:nayutakun:20210127135018j:plain

神社前の大楠 800年ほど前に平家の落人が植えたとも

f:id:nayutakun:20210127135113j:plain

その先には広い圃場の大地が拡がっていた

 11:00には鹿屋市境を越えて、真戸原(まとんばる)集落に入った。ここから先は谷間の道に変わり、道路の下を流れる川は北の方向に流れるようになった。谷川の水は澄んでいる。

f:id:nayutakun:20210127135153j:plain

鹿屋市に入る

f:id:nayutakun:20210127135224j:plain

谷間の道に変わる

f:id:nayutakun:20210127135250j:plain

川は透き通り、渓流魚がいそう

 11:41に上苫野集落を通過し、ここからいったん県道68号線を離れて右折する。姶良(あいら)川にかかった橋を渡ったが、その下を流れる水の美しさに驚いた。写真を撮っていると、長いレンズをつけた一眼レフと三脚を持った女性二人組が正面から歩いてきた。鳥の撮影に来たという。川辺にはいろいろな鳥が飛んで来そうだった。

f:id:nayutakun:20210127135330j:plain

上苫野で右折

f:id:nayutakun:20210127135359j:plain

そこの川の色がとても魅力的だった

 15分ほど歩いたところには立神公園という奇岩の祀られたスポットがあった。ここも不思議な光景。先ほどの二人組の女性から、よく知られたパワースポットだといわれたが、確かにそうかもしれない。

f:id:nayutakun:20210127135452j:plain

立神岩

f:id:nayutakun:20210127135516j:plain

親子岩

 12:22には砂ケ野集落から左に折れる。その先の木場集落を過ぎたところで地図に従って廃道に進むが、ぬかるんだ道と倒木にやや苦戦した。30分ほどで廃道をクリアして、もとの舗装路に復帰できたが、途中で倒木にザックのレインカバーを引っかけて落としてしまい、走って取りに戻った。10分ほどロスをしたが、さいわい見つかったのでよかった。

f:id:nayutakun:20210127135606j:plain

砂ヶ野集落で左折する

f:id:nayutakun:20210127135639j:plain

木場集落で本線から廃道に進む

f:id:nayutakun:20210127135712j:plain

廃道には少しだけ手こずった

 ここから先は神野の集落の舗装路を進む。吾平山上陵(あいらさんりょう、正式にはアイラノヤマノエノミササギ)は林の向こう側にあるようだが、木々に隠れており直接は見えない。吾平山上陵は神武天皇の両親の墳墓とされており、宮内庁が管理している。

f:id:nayutakun:20210127135810j:plain

神野集落の看板

f:id:nayutakun:20210127135840j:plain

ここもきれいな町

f:id:nayutakun:20210127135902j:plain

f:id:nayutakun:20210127135911j:plain

吾平山上陵はすぐそこ

 12:53に横井坂を通過するときに、吾平山上陵に続くよく整備された舗装路が見えたが、上陵は数km先にあり、しかもそのものを見ることもできないようなので、行ってみるのは諦めた。少し心残りだ。

f:id:nayutakun:20210127140012j:plain

吾平山上陵はこの先

f:id:nayutakun:20210127140056j:plain

ずーっと先にあるようだった

 13:26には水流(つる)から西に向かって左折し、田園の中を進む。次の目標は飴屋敷。13:49に到着した飴屋敷は、てっきり島津の時代の飴の生産現場かと思っていたら、こんな解説が書いてあった。「彦火火出見尊ヒコホホデミノミコト)と豊玉姫トヨタマヒメ)との間に鵜茅葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト、神武天皇の父)が無事お生まれになったが、父、彦火火出見尊が約束をやぶり産屋をのぞかれたことを恨み、母、豊玉姫は海の中に消えられた。あとに残された鵜茅葺不合尊を育てるため、上古あめをねり尊にさしあげた人の宅地跡であるといわれている」。日本書紀の神話の時代に出てくる飴を用意した人の家の跡だそうだ。そんなものが残っているのかと仰け反ってしまった。ここには神話がそのまま遺されている。勉強不足で恥ずかしいかぎりだが、ここ吾平(あいら)の地は、建国神話の始まりの聖地だった。

f:id:nayutakun:20210127140135j:plain

水流で見かけた吾平山上陵への標識

f:id:nayutakun:20210127140221j:plain

田園の中を進む

f:id:nayutakun:20210127140244j:plain

飴屋敷跡

 飴屋敷跡で日本書紀の時代の空気を吸い込んだ後、田園の中の畦道をしばらく歩く。14:00に軍(いくさ)神社に到着した。ここから吾平のバス停までは3km弱。ここから先に進むとバス停はなくなる。今回はここで九州自然歩道を離脱して、姶良(あいら)川に沿って鹿屋の中心地に向かう。

f:id:nayutakun:20210127140327j:plain

さらに田園の中を歩く

f:id:nayutakun:20210127140350j:plain

軍神社に到着

f:id:nayutakun:20210127140419j:plain

軍神社からは姶良川に沿って進む

 姶良川沿いの自転車道下流に進むと、焼酎の醸造工場があらわれた。14:34に吾平バス停に到着して、日曜日にも15:15発の鹿屋行きのバスがあることを確認してホッとする。通りに沿って花崗岩で作られた白い灯籠のようなものが建てられている。街並みもクラシック。次回ここからトレッキングを再開する際には、もう少し神代のことを勉強してから来ようと反省した。

f:id:nayutakun:20210127140502j:plain

川の向こうには次回登る陣の岡と横尾岳

f:id:nayutakun:20210127140539j:plain

南九州は焼酎

f:id:nayutakun:20210127140608j:plain

吾平の町は神代の風情がある

f:id:nayutakun:20210127140630j:plain

f:id:nayutakun:20210127140643j:plain

f:id:nayutakun:20210127140700j:plain

f:id:nayutakun:20210127140711j:plain

2021年1月24日 九州自然歩道 78日目 鹿児島県肝属郡錦江町花瀬公園キャンプ場~鹿屋市吾平 雨 気温16/7℃ 行動時間5:57 距離27.6km 43729歩

 

復路交通:吾平15:15-鹿屋15:45/16:00-垂水港16:45/17:10-鴨池港17:45/18:15-二中通り18:28/19:05-鹿児島中央19:15/19:51九州新幹線みずほ614号-博多21:07

九州自然歩道 77日目 花瀬公園で雨に打たれて忍法川渡りの術 鹿児島県肝属郡南大隅町根占~肝属郡錦江町花瀬 2021年1月23日 

 福岡の自宅のベッドで目が覚めた。今日は土曜日。カーテンの隙間から見える外はまだ真っ暗な4:30。窓の外からは雨の音が聞こえる。今日は歩きたくない。冬の雨の日に一日中山道を歩くなんて、ゾッとする。そのうえ、歩いた後には雨に濡れた地面の上にテントを張って、その中で一晩過ごすなんて、拷問だ。ああ、いやだいやだと思いながらも、ベッドから這いずり出てシャワーを浴びたら、覚悟が決まった。

 5:36の地下鉄に乗って、博多からは6:10の新幹線つばめ307号。鹿児島中央駅でバスに乗り換え、鴨池港から垂水に渡り、ふたたびバスに揺られて大隅半島の先端に近い根占の町に着いたのは11:17だった。大隅半島もやっぱり雨だった。

f:id:nayutakun:20210126152252j:plain

いつもの博多6:10発つばめ307号

f:id:nayutakun:20210126152328j:plain

錦江湾を渡るフェリーから見える桜島は雨に煙っていた

f:id:nayutakun:20210126152432j:plain

根占の町も雨だった

 根占の町には大きなAコープがある。まずはバス停前のAコープで今晩のご飯と今から食べる昼食を買い込む。会計を済ませて、昼ご飯に購入した焼きうどんを電子レンジで温めて屋根のあるバス停で昼食とした。雨は次第に強くなってきた。あー、歩きたくない。雨具をつけて、ザックにはレインカバーを装着して11:40に行動開始した。

f:id:nayutakun:20210126152507j:plain

Aコープで食料調達

f:id:nayutakun:20210126152543j:plain

雨具を装着してしぶしぶ歩き始める

 まずは県道563号線を東に進み、高度を上げていく。レインコートの下は少し汗ばんできた。標高200mほどの峠を越えて道路が平らになった3km地点の自転車競技場を12:28に通過した。ここは鹿児島国体の会場予定だったところ。昨年は中止になったが、いつこの会場が使われるのだろう。

f:id:nayutakun:20210126152628j:plain

県道563号線の勾配のある道を進む

f:id:nayutakun:20210126152705j:plain

立派な自転車競技用のバンクが建設されている

 12:46に県道の分岐を通過し、12:56に先週、九州自然歩道を離脱した滑川(なめい)の標識の立つ分岐点に到着した。行動開始してから約5kmだった。50mほど先に公民館があったため、軒先を借りて小休止。サーモスのお湯でインスタントのキャラメルラテを作って体を温めた。

f:id:nayutakun:20210126152747j:plain

先週離脱した滑川の分岐点

 13:10に行動を再開し、滑川小学校の跡地を通過。小学校が廃校になるというのは悲しい。この地域を巣立つ子供はいないのだ。小学校の入り口には定番の二宮金次郎銅像が据えてある。当時は薪を担ぎながら本を読む勤勉さを強調したのだろうが、現代に置き換えると歩きスマホに該当しそうな気がする。

f:id:nayutakun:20210126152832j:plain

ここも廃校 故郷がなくなる気がする

f:id:nayutakun:20210126152900j:plain

いまこれをやったら注意されそうな

 ここから先は田園風景の中を歩く。ただし、雨が強く、スマホのシャッターがなかなか反応しないため、あまり写真が撮れない。13:36に門木(かどき)集落、13:54に八重(はえ)集落を通過した。本日の九州自然歩道復帰は滑川(なめい)からで、その前の集落は横別府(よこびう)。このあたりの地名の読みは変化球の切れがよすぎて、なかなか読めない。九州自然歩道も小刻みに右に左に折れるが、こちらは標識がしっかり設置してあり、まず迷うことはない。

f:id:nayutakun:20210126153027j:plain

のどかな田園の中を進む

f:id:nayutakun:20210126153107j:plain

こまめに標識が立っているため道に迷うことはない

f:id:nayutakun:20210126153205j:plain

交通量は少なく快適に歩くことができる、雨さえ降っていなければ

 14:00に門木調整池を通過したが、このあたりから雨はいよいよ強く降り始めた。レインコートの首の辺りから、服の中に雨が入り込む。靴もずいぶん湿ってきた。

f:id:nayutakun:20210126153251j:plain

雨具を着ていても、濡れるものは濡れる

f:id:nayutakun:20210126153330j:plain

でも、心地よい風景

 ずぶ濡れの状態で14:40に花瀬公園キャンプ場に到着した。管理棟に行ってみたが、シーズンオフなのか人はいないようだった。広い芝生のフィールドの端に屋根のあるベンチがあった。広い屋根に覆われていて、幸いベンチとテーブルは濡れていなかった。

f:id:nayutakun:20210126153423j:plain

花瀬公園キャンプ場に到着

f:id:nayutakun:20210126153442j:plain

管理棟は無人だった

f:id:nayutakun:20210126153508j:plain

とりあえず、荷物を下ろして一休み

 快適そうなキャンプ場なので、時間は早いが、ここで行動を終えようかと思い、荷物を下ろした。濡れた髪の毛をタオルで拭きながら考えた。選択肢は3つある。

1. 本日はここで行動をやめ、キャンプ場でゆっくりする。雨に濡れず快適だが、そんなことでいいのかと心の中の鬼軍曹がお尻を棒でたたく。しかも、翌日の行程が30kmを越えて心配。

2. 行けるところまで行ってしまう。鬼軍曹は満足かもしれないが、もし、この先に屋根のある野営適地が見つからない場合は、今晩の雨はかなりつらそう。びしょびしょのまま寝袋に入ることになりそう。

3. ここから行けるところまで行き、ひょっとしたらこの先に路線があるのではないかと思われるコミュニティバスで、このキャンプ場まで引き返す。

 じつは、花瀬公園キャンプ場の入り口に入る前にコミュニティバスのバス停を見つけていた。コミュニティバスの多くは、乗換案内のアプリで検察されないため、ルート検討の際に見落とされる。コミュニティバスの時刻表の写真を撮っておいたので、確認したら1日3便あり、17:30ごろにここを通過する便がある。運良くこれからのコースの行き先にバス停があれば、そこまで歩いて引き返すことができそうだ。

f:id:nayutakun:20210126153731j:plain

コミュニティバスがある!

 ということで、運を天に任せて、行けるところまで遡ってみよう作戦をとることにして、15:00に行動再開した。目標地点は雄川の滝。NHK大河ドラマ西郷どんのタイトルバックに使われた滝で、エメラルドグリーンの滝壺が美しい。キャンプ場からは7kmほど。雄川の滝を見学して、あわよくばバスでキャンプ場まで戻ってこよう。

 キャンプ場から雄川に架けられた花瀬橋を渡る。橋の上から見える川は奇観といっていい。川と言うよりも、ひびの入った岩盤。水は岩盤のひびの中を流れている。板を敷いたような川だ。川の上を歩けそうなので、河原に降りてみた。まさに板敷き川。川の上を歩いて、真ん中まで行ってみた。水量は少なく、ひびの中しか水が流れていないため、靴を濡らすことなく川の真ん中まで行くことができる。忍法川歩きの術を体現できる。

f:id:nayutakun:20210126153848j:plain

花瀬橋を渡りながら下を眺めてその奇観にビックリ

f:id:nayutakun:20210126153926j:plain

これが、川?

f:id:nayutakun:20210126154016j:plain

忍法川渡りの術を体現した

 川のそばには島津藩のお茶亭跡がある。やはりこの川はお茶でもすすりながら眺める価値がある。

f:id:nayutakun:20210126154105j:plain

お茶亭跡

 花瀬橋を渡った後は、雄川に沿って下流に向かい、雄川の滝を目指す。狙い通り、コミュニティバスのバス停が現れた。時刻表を確認しながら、逆算して進めるところまで進んでみることにした。

f:id:nayutakun:20210126154213j:plain

狙いどおりコミュニティバスのバス停があった

f:id:nayutakun:20210126154311j:plain

コースは川に沿っている

f:id:nayutakun:20210126154334j:plain

多くの道路は川に沿って自然発生するはず

 5kmほど進んだ地点で、雄川の滝の分岐部が現れた。ここから目標までは1.5km。ここからはバス路線から外れてしまうよう。現在の時間は16:15で、1.5kmならばバスの通過する17:15ぐらいまでに、往復してさらに10分以上滞在できるとみて左折した。

f:id:nayutakun:20210126154433j:plain

ここからはバス路線を離れる

f:id:nayutakun:20210126154509j:plain

この畑の1.5km先に滝があるはず

 靴の中はびちょびちょになったが、16:30に雄川の滝に到着して、エメラルドグリーンの滝壺をこの目で見ることができた。

f:id:nayutakun:20210126154553j:plain

道路から階段を降りて

f:id:nayutakun:20210126154619j:plain

雄川の滝の滝壺が見えた

 雄川の滝からは、ふたたび速いペースで歩いてバス路線まで出たのが16:50。さらに1kmほど先に進み、17:08に国道448号と交差する田代麓に到着して本日の行動は終了。17:16にやってきたコミュニティバスに乗って17:38に花瀬公園キャンプ場に戻ることができた。

f:id:nayutakun:20210126154719j:plain

再びバス路線に向かって歩く

f:id:nayutakun:20210126154758j:plain

さらにバス停を遡り、行けるところまで進む

f:id:nayutakun:20210126154854j:plain

これ以上進むと九州自然歩道から離れてしまう田代麓までたどり着いた

f:id:nayutakun:20210126154938j:plain

キャンプ場近くまでコミュニティバスで戻ることができた

 キャンプ場は自分一人だけ。屋根の下にテントを設営し、お湯を沸かして夕食とした。雨は降り続いている。

f:id:nayutakun:20210126155014j:plain

キャンプ場も水浸し

f:id:nayutakun:20210126155037j:plain

屋根があるから快適

f:id:nayutakun:20210126155112j:plain

f:id:nayutakun:20210126155134j:plain

2021年1月23日 九州自然歩道 77日目 鹿児島県肝属郡南大隅町根占~肝属郡錦江町花瀬公園キャンプ場 雨 気温19/11℃ 行動時間5:27 距離23.5km 35030歩

 

往路交通:西新5:36福岡市営地下鉄-博多5:50/6:10九州新幹線つばめ307号-鹿児島中央7:58/8:10鹿児島交通バス-鴨池港8:38/8:50垂水鴨池フェリー-垂水港9:50/10:05鹿児島交通バス-根占11:10

九州自然歩道 76日目 大隅半島の北風は冷たいが缶コーヒーは温かかった 鹿児島県肝属郡南大隅町佐多風力発電所~南大隅町根占ネッピー館 2021年1月17日 

 風車を甘く見たのが失敗だった。夜半には10m以上の風が吹いたようで、テントが何度も風にあおられた。風車の音も大きくなり、爆音といってよいほどの音を一晩中放っていた。今日の日程は余裕があるので、7:15の日の出を待って行動を開始すればよかったのだが、羽根が分解されんばかりの音を立てて頭上で回転する風車に耐えきれずに、5:30には起床して、5:55の真っ暗な中で行動を開始した。ヘッドライトの明かりを頼りに歩き出す。山の上には風車の赤いランプが点滅している。

f:id:nayutakun:20210119193500j:plain

真っ暗闇でこんな写真しかない 赤いランプは風車

 15分ほどで菖栄の集落に出て、暗闇の中を地図に従って右折と左折を繰り返し、7:00ごろに竹野(たけんの)の集落に着いたあたりでようやく辺りが明るくなってきた。竹野集落からは野尻野(のじんの)の風力発電所が近いが、地域住民は夜寝るときに騒音が気にならないか心配になってきた。

f:id:nayutakun:20210119193553j:plain

f:id:nayutakun:20210119193607j:plain

標識がしっかり立てられていて助かった

f:id:nayutakun:20210119193639j:plain

野尻野にも多くの風車が回る

 竹野から少し高度を上げて、7:21に野尻野の小学校の跡地に到着した。小学校の先からは野尻野の草原が見えた。家畜の飼料にするためか、サイロがいくつか設置してあった。

f:id:nayutakun:20210119193722j:plain

集落の近くにも風車

f:id:nayutakun:20210119193744j:plain

野尻野の小学校跡

f:id:nayutakun:20210119193813j:plain

野尻野の草原とサイロ

 野尻野の最後の風車を通り過ぎて、立派に舗装された林道が始まった。林道をしばらく進み、7:40に野首岳南登山口に到着した。

f:id:nayutakun:20210119193901j:plain

野尻野の最後の風車を過ぎると舗装された林道が始まる

f:id:nayutakun:20210119193938j:plain

風車の先に野首嶽の南登山口

 登山道は草がしっかりと刈ってあり、整備はよく行き届いていた。落ち葉の積もったところには、イノシシが掘った後が残っており、油断するといつでもイノシシが現れそうな雰囲気が漂っていた。高度が上がってくると、木道が設置されており、歩きやすい山道だった。

f:id:nayutakun:20210119194018j:plain

南登山道の整備状況はまずまず

f:id:nayutakun:20210119194104j:plain

イノシシの踏み跡は多い

f:id:nayutakun:20210119194127j:plain

ところどころ木道がある

 8:12に稜線に出て、勾配は緩くなってきた。尾根の西側には海が拡がっているはずだが、樹木が多く、眺望はほとんどなかった。それでも稜線近くは風が強く、体温が急激に下がっていった。

f:id:nayutakun:20210119194207j:plain

稜線は風が強く、寒かった

 8:38に748mの小ピークを越え、9:03に野首岳の897mの頂上に到達した。頂上は直径15mほどの円形の芝生の平地であったが、南を除いて、他の方向はすべて樹木が邪魔をして、眺望はあまり良くない。また、山頂につきものの山名標識も、かつてそうであったかもしれない木切れが落ちているだけだった。やむなく三角点を撮影しておいた。山頂では、水とミカンの朝食とした。

f:id:nayutakun:20210119194240j:plain

野首岳の山頂

f:id:nayutakun:20210119194319j:plain

三角点を撮影した

f:id:nayutakun:20210119194345j:plain

手前が野尻野の風車群で奥が佐多の風車群

 野首岳の山頂から、今度は北登山口に降りる。南登山口からの山道と北登山道への山道は、サクランボの軸のような形態で分岐しており、気をつけて歩かないと見落としやすい。間違えて進んで引き返したところで、南方面には黄色テープ、北方面には赤色テープで目印がつけられているのに気がついた。

f:id:nayutakun:20210119194454j:plain

野首岳の南登山道と北登山道の分岐部は少し分かりにくい

f:id:nayutakun:20210119194538j:plain

北登山道からは少しだけ海が見える

 山頂から下った北登山口までは500mほどと短く、9:22には林道まで到達した。登山口付近には舗装された広い駐車場が設置されていた。北風があまりに寒く、ザックからダウンジャケットを取り出して身につけた。ここからは4kmほどの舗装された林道が続く。標高は800mほど。風が冷たい。

f:id:nayutakun:20210119194622j:plain

野首岳北登山口には駐車スペースがある

f:id:nayutakun:20210119194652j:plain

北登山口からは再び林道に合流

 10:18に辻岳の南登山口に到着した。ここには自動車が2台停めてあり、先行した登山者がいるようだった。辻岳の登山道の整備状態は非常に良好。草が刈られ、踏み跡がしっかり付いており、理想的な登山道。地元で人気のある山のようで、子供連れの家族が下山するところとすれ違った。20分ほどで773mの山頂に到着した。山頂には大きな岩があり、その上からは360°の眺望が得られた。とくに南の野首嶽が海に向かって鋭角に落ち込む様は迫力があった。南西には開聞岳錦江湾を隔てて見えた。それにしても風が強い。

f:id:nayutakun:20210119194831j:plain

辻岳南登山道はとても快適

f:id:nayutakun:20210119194903j:plain

ほどなく山頂の岩が見えてくる

f:id:nayutakun:20210119194931j:plain

山頂は360°ひらけている

f:id:nayutakun:20210119194958j:plain

岩の上からの眺望が良い

f:id:nayutakun:20210119195022j:plain

野首岳が海に落ちていくカーブが大迫力

f:id:nayutakun:20210119195103j:plain

 山頂では10分ほどゆっくりして、北登山口に向かって降下をはじめた。北登山口は最初、海に向かって下るが、海に飛び込むかのような角度で降りるのが爽快だった。11:13には辻岳北登山口に到着し、ふたたびもったいないぐらい立派な林道を北に向かって歩き始めた。

f:id:nayutakun:20210119195129j:plain

北登山道は海に向かって下りていく

f:id:nayutakun:20210119195200j:plain

ほんの少しだけ荒れたところがあるが道は分かりやすい

f:id:nayutakun:20210119195228j:plain

ほどなく辻岳北登山口に出る

 20分ほど舗装路を下り、11:34にパノラマパーク西原台の入口に到着した。ここはパラグライダーのテイクオフのためのフィールド。まちがいなく前面の開けた眺望の良いところなので、少し寄り道をした。芝生の斜面が拡がり、大隅半島の西岸はすべて見渡すことができた。ここからテイクオフするときはさぞや気持ちよいだろうなと思われた。

f:id:nayutakun:20210119195254j:plain

ふたたび立派な林道を歩く

f:id:nayutakun:20210119195320j:plain

パノラマパーク西原台に寄り道

f:id:nayutakun:20210119195348j:plain

きれいに整備された公園

f:id:nayutakun:20210119195405j:plain

立ち寄った甲斐のある眺望

f:id:nayutakun:20210119195437j:plain

 パノラマパークから林道に引き返して、舗装路を下る。根占の町がずいぶん近くに見えてきた。12:00ごろには標高50mほどの林道根占中央線の起点の分岐に到着した。ここからは九州自然歩道の標識に従って右折して、田園風景の中を歩く。

f:id:nayutakun:20210119195512j:plain

林道を下ると根占の町が見えてきた

f:id:nayutakun:20210119195541j:plain

林道の終点まで来ると里の匂いがしてきた

 12:22に大久保集落、12:36に打越集落、12:50に大中原集落と、集落の中を右折、左折を繰り返すが、そのたびに標識が立てられていて迷うことはない。

f:id:nayutakun:20210119195638j:plain

田園風景の中を進む

f:id:nayutakun:20210119195708j:plain

f:id:nayutakun:20210119195726j:plain

右左折を繰り返すが標識はしっかりしている

f:id:nayutakun:20210119195754j:plain

f:id:nayutakun:20210119195814j:plain

滑川小学校跡も快適そうな芝生の校庭だった

 13:01に滑川集落に到着した。ここが最寄りの公共交通機関に最も近い地点で、今回はここで九州自然歩道を離脱して福岡への帰途に着くことにした。

f:id:nayutakun:20210119195923j:plain

今回の離脱地点の滑川

f:id:nayutakun:20210119195941j:plain

次回はここに戻るつもり

 福岡までの復路の第1候補は根占港からフェリーで山川に渡り、指宿枕崎線で鹿児島まで出る方法。根占港まで6.5kmほどあるが、そこまでは公共交通機関はない。根占港に向かう県道563号線を歩いていると、白い軽トラがクラクションを鳴らして停まって助手席を指さす。歩いているんですと言って帽子をとって断りながら挨拶をしたら、手を振って笑って走り去った。

f:id:nayutakun:20210119200027j:plain

県道563号線に合流

f:id:nayutakun:20210119200051j:plain

f:id:nayutakun:20210119200107j:plain

辻岳ははるか後方に

 さらに1kmほど歩いた出口集落では、本日始めての自販機を見つけてザックを下ろしたら、別の白い軽トラが後ろから来て停まった。運転席から降りた男性が自販機に千円札を入れると、財布を持って立っている私に向かって好きなボタンを押せという。礼を言ってホットコーヒーを頂いたら、男性もコーヒーを2本購入した。男性はいつか、大隅半島の東岸に植物の採集のために山に入ったときに、一人歩きの女性が大きなザックを担いで一人旅をしているのに出会って感動したという。女性が地元の人間でも知らないようなところに歩いて行き、テントを張って寝るという大胆さに驚いていた。大隅半島には美しいところがたくさんあるから、もう少し暖かくなったらもっといろいろなところを歩いて欲しいと言って去って行った。この人は、ザックを担いだ私にコーヒーを奢りたいためにわざわざ欲しくもないコーヒーを買ったような雰囲気だった。頂いたコーヒーは、私のお腹と心を温めてくれた。

f:id:nayutakun:20210119200200j:plain

この自販機で喉の渇きを癒やそうとした

f:id:nayutakun:20210119200429j:plain

まだまだ根占の町は遠い

 そんなこんなで6.5km歩き、根占の町を通過した。根占大橋を渡るときに見えた海面が白かったので、いやな予感がした。14:34に根占港に到着したときには脱力してしまった。予感が的中した。さて、どうやって福岡に帰ろうか。人生は修行だ。

f:id:nayutakun:20210119200527j:plain

根占の町のこの木は南蛮船の係留に使われたという

f:id:nayutakun:20210119200619j:plain

根占大橋を渡るときの白波を見ていやな予感がした

f:id:nayutakun:20210119200711j:plain

いやな予感は的中確率が高い

f:id:nayutakun:20210121084237j:plain

f:id:nayutakun:20210121084248j:plain

2021年1月17日 九州自然歩道 76日目 鹿児島県肝属郡南大隅町佐多風力発電所南大隅町根占ネッピー館 曇り後晴れ 気温7/2℃ 行動時間8:48 距離28.1km 45785歩

 

復路交通:根占ネッピー館17:13-鹿屋18:03/19:00-垂水港19:47/19:55-鴨池港20:35/20:45-鹿児島中央21:08/21:36-博多23:23

九州自然歩道 75日目 優雅に回る風車の横で草を食む薩摩黒牛は新橋ガード下の夢を見るか? 鹿児島県肝属郡南大隅町大泊~南大隅町折山佐多風力発電所 2021年1月16日 

 今回の九州自然歩道トレッキングは鹿児島県の大隅半島の南端の佐多岬から7kmほど北の大泊からのスタート。前回はフェリーの欠航によるスケジュール変更を余儀なくされ、目標の佐多岬の先端までは走ってかろうじてクリアしている。

 本日は福岡から新幹線、バス、フェリー、バスと乗り継いで、前回の離脱地点の大泊に12:08に到着した。天候は晴れ。路面が少し濡れているが、朝方まで雨が降っていたのかもしれない。南からそよと風が吹いており、気温は16℃と暖かい。ダウンジャケットを脱いでザックの中に詰め込んでから歩き始めた。

f:id:nayutakun:20210116203853j:plain

佐多岬まで8kmのゲート

f:id:nayutakun:20210116203932j:plain

本土最南端の大泊郵便局からスタート

f:id:nayutakun:20210116204037j:plain

大泊にはホテルとキャンプ場がある

 鹿屋まで続く県道68号線を通って大泊の集落を抜け、50mほどの標高の峠に至る。峠の外之浦(とのうら)隧道を12:30に通過した。トンネルを抜けた海の見えるカーブのベンチに親子3人が仲良く座って海を見ていた。挨拶しようと思ったら人形だった。よくできていてだまされた。

f:id:nayutakun:20210116204147j:plain

県道68号線を東に進む

f:id:nayutakun:20210116204218j:plain

外之浦隧道を抜ける

f:id:nayutakun:20210116204255j:plain

いい雰囲気の家族かと思って声をかけそうになる

 外之浦の集落を抜け、県道68号線は山に向かう。山にはハゼの紅葉がところどころにアクセントとなっている。

f:id:nayutakun:20210116204344j:plain

外之浦にもきれいなビーチがある

f:id:nayutakun:20210116204419j:plain

しばらくは峠に向かって高度を上げる

f:id:nayutakun:20210116204450j:plain

ハゼの赤が美しく映える

 13:00ごろに峠を通過して間泊の海岸線に出た。この海は青く透き通って美しい。ここから隣の竹之浦集落まで道路は海岸線に沿っている。2km近く美しい海岸線が続く。竹之浦では小休止をして、海岸の眺望をしばし楽しんだ。

f:id:nayutakun:20210116204740j:plain

間泊から竹之浦にかけての海岸は宝石のよう

f:id:nayutakun:20210116204839j:plain

f:id:nayutakun:20210116204856j:plain

 竹之浦から先は北に向かって山の中に進む。13:53に古里集落を通過したが、このあたりから北から風が吹いてきて気温が下がってきた。古里集落の先で県道68号線からいったん東に離れて山中に進み、岩下集落に向かう。

f:id:nayutakun:20210116205016j:plain

このあたりの電波の状況は良い

 岩下集落はまさに岩の下の集落。真上には崖が聳えている。ここでもバナナの花を見つけた。

f:id:nayutakun:20210116205119j:plain

岩下の上の岩

f:id:nayutakun:20210116205152j:plain

バナナの花を発見

 岩下から右折して14:50に郡集落に到着した。ここには芝生の校庭のある素敵な小学校がある。小学校の先に商店があったので、ここでパンを購入して小休止。

f:id:nayutakun:20210116205232j:plain

郡小学校

f:id:nayutakun:20210116205257j:plain

このあたりでは有人の商店は貴重な存在

 15:08に行動を再開し、郡から左折して松山に向かってやや勾配のある舗装路を歩き始めた。300mほど歩くと牛舎があり、柵の中から黒毛の牛が挨拶してくれた。

f:id:nayutakun:20210116205356j:plain

松山に向かって勾配のある舗装路が続く

f:id:nayutakun:20210116205425j:plain

どことなくのんびりとした黒牛

 16:00には松山集落に着き、ここで再び県道68号線に合流する。

f:id:nayutakun:20210116205521j:plain

県道の下をくぐる

f:id:nayutakun:20210116205544j:plain

県道68号線に合流

 県道を歩いていると、道ばたで葉の付いた木の枝を結わえて計量作業をしているのに出くわした。何の葉か聞いたらタブノキとのこと。親切に、蚊取り線香の原料として使われていると教えてくれた。

f:id:nayutakun:20210116205635j:plain

タブノキの出荷準備

 この先の折山集落からは山道に入るが、その前に自販機で水を購入して夕食に備える。16:20に折山集落から左折して山道に入ったのだが、300mほど進んだところで行き止まりになり、道を間違えているのに気がついた。このあたりは標識がないため、地図をしっかり見直して進むと、木道が枯れ葉の下に見えるところがある。よく観察すると、最近誰かが歩いた跡もある。

f:id:nayutakun:20210116205727j:plain

この標識から曲がるのだがわかりにくい

f:id:nayutakun:20210116205803j:plain

分岐部に標識はない

f:id:nayutakun:20210116205823j:plain

木道が見つかれば正解

f:id:nayutakun:20210116205848j:plain

風車が近づいてくる

 高度が上がってきたら風車が見えてきた。稜線はもうすぐだ。16:56に佐多風力発電所の4号機の風車に到着した。ここからは稜線の道を3号機、2号機と進む。2号機の先は集落に降りていく道に続いている。集落についてしまうと、野営地を探すのが難しいかもしれない。あたりを見ると1号機の横には四阿が設置してある。あそこにはテントの設置できそうな広場があるだろうと思って行ってみたら、思った通り芝生の広場が拡がっていた。今日は風車の横の芝生にテントを設置することにして、17:13に行動終了した。

f:id:nayutakun:20210116205938j:plain

直径60mの風車

f:id:nayutakun:20210116210003j:plain

 テントを張り終えてから気がついたのだが、北西の風7mで調子よく回っている風車はかなりうるさい。新橋のガード下か、B767の離陸時か、洗濯機の脱水が耳元で行われているかと思うほど。神経の細やかな人は、この場所にテントを設置するのは避けた方が良いと思われる。

f:id:nayutakun:20210116210117j:plain

f:id:nayutakun:20210116210131j:plain

2021年1月16日 九州自然歩道 75日目 鹿児島県肝属郡南大隅町大泊~南大隅町折山佐多風力発電所 晴れ 気温16/4℃ 行動時間5:06 距離18.2km 32921歩

 

往路交通:西新5:36福岡市営地下鉄-博多5:50/6:10九州新幹線つばめ307号-鹿児島中央7:58/8:10鹿児島交通バス-鴨池港8:38/8:50フェリー-垂水港9:37/10:07鹿児島交通バス-ホテル佐多岬12:07-大泊12:08

九州自然歩道 74日目 夜明け前の佐多岬をひた走る 鹿児島県肝属郡南大隅町島泊~南大隅町佐多岬~南大隅町大泊 2021年1月11日 

 テントの中で目が覚めたのが3:30。3連休の初日は悪天候のため錦江湾を横断するフェリーが運航されず、山川で1日足止めされた。連休2日目の昨日はリカバーしようと30km近く歩いたが、残りの休みは本日1日のみ。さて、今日はどうしようか。考えてみた。選択肢は3つある。

  1. このままがむしゃらに前に進む。野営地から佐多岬まで12km+佐多岬からコースを30km北上+コースを離脱して根占港まで8km=50km。根占港の最終フェリーは16:30。
  2. 前に進むのを諦めて帰る。野営地から根占港までショートカット=25km。ゆっくりスタートしても根占港の最終フェリーには十分に間に合う。
  3. 途中までコースを進みバスで帰る。野営地からバス停のある大泊4km+佐多岬往復12km=16km。大泊からの最終バスは8:00!

 1.の選択肢は超人コース。15kg近くの荷重で50km歩ける気がしない。

 2.は妥当な選択肢だが、消極的。

 3.の選択肢が良さそうだが、大泊からの最終バス、というか1日1本しかないバスが8:00発というのが難点。

 寝ぼけた頭で考えた。野営地から大泊まで4km歩いて1時間。大泊から佐多岬往復は12kmで3時間。ということは4:00に行動を開始したら、計算上は8:00のバスに間に合う。やってみようではないか。ということで、ヘッドライトをつけて撤収をはじめ、4:10に行動を開始した。

f:id:nayutakun:20210114142126j:plain

暗闇の中で撤収完了

 真っ暗な中を県道68号線のセンターラインを頼りに佐多岬に向かって進んだ。完璧な漆黒の野営地では、夜半はオリオン座の四角の中に30個ぐらい星が見えるほど晴れていたが、現在は曇っているようで、星は見えない。霧がうっすらと漂っている。ヘッドライトで標識が映し出される。佐多岬まで12kmだ。近い。

f:id:nayutakun:20210114142159j:plain

ヘッドライトを頼りに進む

f:id:nayutakun:20210114142243j:plain

佐多岬まで12kmの標識があらわれた

 島泊集落の入口を通過し、尾波瀬集落と思われる街路灯が道路の下に見えてきた。4:50に尾波瀬トンネルを通過した。そのまま休憩なしで歩き、5:20に大泊の集落に到着した。佐多岬8kmの表示がある。地図では九州自然歩道はショートカットコースをとるので1kmほど短く見える。

f:id:nayutakun:20210114142336j:plain

尾波瀬トンネルを通過

f:id:nayutakun:20210114142401j:plain

大泊には佐多岬8kmのゲートがあった

 大泊集落から10分ほど歩き、バスの始発点であるホテル佐多岬に5:40に到着した。バス停の位置を確認し、時刻表の確認を行った。1日1本だけのバスは、平日、土日祝日も運行していることを確認。これで第一関門突破。

f:id:nayutakun:20210114142449j:plain

バス停を確認

f:id:nayutakun:20210114142508j:plain

バスの時刻を確認。土日祝運休という場合も頻繁にあるので油断できない。

 のんびりしていたら6:00に近くなってきた。ホテルから佐多岬まではおよそ7km。歩いたら往復2時間以上かかり、バスには間に合わない。そこで、荷物を置いて、佐多岬まで走ることにした。ホテルから100mほど先に大泊キャンプ場がある。このキャンプ場に荷物を置いて、空荷で走れば余裕で間に合うはずだ。ザックからミカンを2つポケットに入れ、木製テーブルの下にザックをデポジットして6:00に佐多岬に向かって走り始めた。まだ真っ暗で、ヘッドライトの光を頼りにひた走る。大泊港の上には月が光っている。

f:id:nayutakun:20210114142632j:plain

大泊キャンプ場から港を眺める

f:id:nayutakun:20210114142710j:plain

キャンプ場のテーブルの下にザックをデポジット

 県道68号線の旧道を走り、大泊から田尻集落への峠を越える。標高差100mもないほどだが汗が出てきた。自動車はほとんど通らず、心地よく走ることができる。6:15には県道68号線の新しいトンネルとの合流点に出た。さらに10分ほど走り田尻集落の海岸線を通過した。水平線が少し赤みを帯びてきた。

f:id:nayutakun:20210114142804j:plain

佐多岬までの最後の田尻集落を抜けるころに空が明るくなってきた

 6:50ごろには、佐多岬にほど近い北緯31度線のモニュメントを通過し、佐多岬灯台にアプローチするトンネルに到着した。

f:id:nayutakun:20210114142924j:plain

北緯31度線モニュメントを通過

f:id:nayutakun:20210114143117j:plain

最後に人道トンネルがある

 トンネルを抜けると500mほど先の小高い山の上に展望台が見える。よく整備されたアプローチ路を走り、7:00ちょうどに佐多岬展望台に到着した。

f:id:nayutakun:20210114143157j:plain

トンネルの先には展望台が見えてきた

f:id:nayutakun:20210114143323j:plain

佐多岬展望台に到着

 連休の最終日には、本土最南端で日の出を見るぞと集まる人が30人ぐらいいると予想していたのだが、展望台には誰一人おらず拍子抜けした。でも、本土最南端の地点まで自分の足で歩いたと思うと感慨が深い。南の佐多岬灯台、東の種子島方面、西の開聞岳方面の写真を撮ってから、この地の空気を身体中に詰め込んで帰ろうと、大きく1回深呼吸した。

f:id:nayutakun:20210114143414j:plain

南には佐多岬灯台

f:id:nayutakun:20210114143513j:plain

東には目をこらせば種子島の町の灯が見える

f:id:nayutakun:20210114143601j:plain

西には開聞岳

 日の出時刻は7:17で、佐多岬で日の出を見てみたいと一瞬頭をよぎったが、もし日の出を見てから走り出したならば、向こう3日間ぐらいぐったりするほど力いっぱい走らないと間に合わない。0.3秒考えてあきらめた。バスは1日1本だ。長居すると墓穴を掘る。ここは本土最南端の地だ。7:03には大泊に向かって走り出した。

 佐多岬からはほどほどのスピードで休まずに走り続けた。すでに周囲は明るく、ヘッドライトはポケットに片づけた。田尻集落が眼下に見え始めたときに水平線から太陽が昇りはじめた。足を止めて写真を撮ったが、水平線には雲がかかっていたので、それほど悔しくはなかった。

f:id:nayutakun:20210114143811j:plain

帰り道は明るくなってきた

f:id:nayutakun:20210114143834j:plain

田尻集落付近で日の出の時刻を迎えた

 その後も明るくなった道をひたすら走った。景色は良い。自動車もほとんどいないので、このコースは走るのにおすすめのコース。予定どおり7:50には大泊キャンプ場に戻ることができ、デポジットした荷物を回収して、ホテル佐多岬に向かった。

f:id:nayutakun:20210114143926j:plain

キャンプ場に無事到着

f:id:nayutakun:20210114143948j:plain

すぐ先のホテル佐多岬にゆっくりと向かう

 7:58にバス停に到着し、ホテル玄関横の自動販売機で冷えたコカコーラを購入した。気温は6℃。寒くない。ゴキュゴキュッとのどを鳴らして飲んでいたら、バスがゆっくりと坂を登ってきた。

f:id:nayutakun:20210114171327j:plain

f:id:nayutakun:20210114144115j:plain

 2021年1月11日 九州自然歩道 74日目 鹿児島県肝属郡南大隅町島泊~肝属郡南大隅町佐多岬肝属郡南大隅町大泊 曇り時々晴れ 気温10/6℃ 行動時間3:49 距離17.9km 19708歩

 復路交通:ホテル佐多岬8:00-垂水港10:04/13:00-鴨池港13:50/14:05-鹿児島中央14:37/15:51-博多17:08