九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 40日目 金峰山を登りながらこう考えた。とかく人の世は住みにくい。 熊本県宇土市本町~熊本市西区岩戸観音 2020年8月9日

 7:35に清々しい気分でホテルを出発した。昨日宿泊したホテルは正解だった。小さなビジネスホテルだが、清掃が行き届き、朝食も美味しく、とても居心地が良かった。宣伝を頼まれたわけではないが、応援したくなるような小さなホテル、こめや旅館。宇土市街はこれと言って見るものはあまりないのだが、街の中のホッコリとした風景が心に残る。

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こめや旅館 心地よいホテルでした

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 河口が近い市街には水路が多い。海抜は2mとの案内がある。宇土市が面した有明海は干満の差が大きいことで知られるが、防潮堤が何か所も設置してある。

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JR三角線を超える

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街中に防潮堤がある

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 8:50に宇土市熊本市を隔てる緑川に架かった平木橋を渡り、熊本市に入る。正面には本日の目標の金峰山と、その隣には二ノ岳が見える。

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木橋を渡って緑川を超えると熊本市に入る

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正面に見えるのが金峰山で隣が二ノ岳

 熊本も米どころで知られる。緑川の河口の周囲は穀倉地帯で、一面の水田が広がる。稲の成長の具合を見ると、茎が太く、がっしりと大地をつかんでいるが、まだ穂は出していない。先月の天草の稲の成長がどれだけ早いかよくわかる。この辺りは平らな土地ばかりで木陰がなく、喉が渇く。たまらず熊本を中心に弁当屋のチェーンを展開するひらいの店内に入り、アイスコーヒーを注文し、イートインコーナーで休憩をする。

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稲はまだ穂をつけていない

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クリークが縦横に走る

 11:10には、熊本市南区の城山ゆめタウンに到着し、店内の冷房でクールダウンしながら、昼食休憩。12:03に行動再開した。

 城山にある高橋稲荷の傍を通過し、井芹川に沿って北上する。太陽が頭の上から照りつける。13:15に登坂橋から西に折れて、金峰山の登山口に入る。住宅地を抜けて、少しづつ高度を上げていく。熊本の市街地が下に見えてきた。金峰山の登山道には草枕の道の案内表示がある。ここは夏目漱石ゆかりの道だ。旧制五校(現熊本大学)に奉職したことがある漱石には、この地にちなんだ作品がいくつかある。

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城山の高橋稲荷

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太陽は頭のてっぺんから照りつける

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金峰山登山道の標識

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熊本の街が眼下に広がってくる

 14:20にバスの終着点となる荒尾橋に到着。自販機で清涼飲料水を購入してしばし休憩。さらに30分ほど舗装路を歩くと、鎌研坂の標示があり、舗装路から山道に分かれる。ここが漱石の「草枕」の冒頭の「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」の山路だという。美しい文章だなあ。青空文庫で確認しながら書いたが、高校1年生の時に読んでから忘れられない。しかしこの文章の意味がわかってきたのはその後20年以上経ってから。今回は迷わず鎌研坂を選択して登り始めた。

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草枕の道

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舗装路を歩き進む

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鎌研坂の入り口

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鎌研坂は落ち葉の積もった幅の広い山路

 ほんの10分ほどで鎌研坂の山路は終わってしまい、再び舗装路に出る。そこから10分ほど登ると、これも草枕に登場する峠の茶屋があらわれる。漱石の頃の峠の茶屋はすでに解体され、看板しか残っていないようだが、茶屋を模した記念館が建てられている。内部をざっと見学してから、その下の駐車場にある甘味処で名物の揚げ饅頭とイチゴ氷を頂く。

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峠の茶屋のレプリカ

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揚げ饅頭のおやつ

 16:27に大将陣の登山口に到着した。ここには休憩施設がある。下山したばかりの地元の男性にどの登山道から登ったらよいか尋ねると、「ギャンして登ったら、ギャン曲がっとっとでしょう。そこばギャン行ったらサルスベリっちゅう道に入っとですよ。」と非常に丁寧にサルスベリというお勧めルートを教えてくれる。ただし、熊本の言葉では方向を示す単語はギャンの一択で、上下左右などという方向指示語がないので若干理解が難しい。身振りを観察すればだいたい分かる。男性の勧めに従って、鳥居の前でお辞儀をしてから、直登ルートのサルスベリから頂上を目指す。男性の言葉の最初のギャンは真っすぐ、次のギャンは右、最後のギャンは上向きの急勾配を示すことが、登るにつれて理解できた。

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金峰山の山頂が近づいてきた

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大将陣の休憩所

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正面の鳥居から登り始める

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しばらく広い参道を歩き

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サルスベリの急坂に分岐する

 40分ほどかけてサルスベリルートを上り、17:15に金峰山(665m)の頂上に到着した。途中で数分間だけ大粒の雨が降ったこともあって、頂上は涼しい。東には熊本市街、西には有明海が一望できる素晴らしい眺望。雲仙の麓には積乱雲から雨が降っているのが見える。残念ながら頂上の金峰山神社は、熊本地震で崩壊してしまい、現在再建を目指しているところ。

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金峰山の頂上までわずか

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熊本市街が一望

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雲仙に降る雨まで見える

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頂上の金峰山神社は再建中

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登山回数の記録 1万回以上登った方も

 30分ほど金峰山の頂上でゆっくりした後、17:45に行動再開。西に向かって真っすぐ下山路を進み、18:30に柑橘畑の中のパイロット道路に出た。立派な農道の正面には明日の目標の二の岳が見える。周囲を柑橘畑に囲まれた心地よい農道を2kmほど歩き、宮本武蔵の像のある公園で本日の行動は終了とした。 

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金峰山の西の麓の斜面は一面の柑橘畑

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農道の北には二ノ岳

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宮本武蔵像の前で行動終了

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2020年8月9日 九州自然歩道 40日目 熊本県宇土市本町~熊本市西区岩戸観音 晴れ時々曇り 気温31/24℃ 距離28.4km 行動時間11:52 平均速度3.7km/h 44225歩

九州自然歩道 39日目 宇土半島をのんびり縦断 熊本県宇城市三角町石打ダム駅~宇土市本町 2020年8月8日

 今回の九州自然歩道トレッキングは、JR三角線石打ダム駅から再開。定刻通り8:05に三角線の列車は石打ダム駅に到着し、ワンマンのため最前方のドアから切符を手渡しながら下車した。出発する列車の前方に回って写真を撮りながら見送ったら、ポッと軽く汽笛を鳴らして挨拶を返してくれた。

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 前回は蚊の攻撃に悩まされたため、今回は虫よけスプレーを用意して準備万端。露出した部分にたっぷりとスプレーして、行動を開始した。駅の周囲には数戸の家屋があるのみ。商店はない。舗装された山道を進んで、8:30に石打ダムに到着した。

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虫よけスプレーと液体蚊取り線香 これで万全

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石打ダムに向かう山道

 ダム湖は緑の水を湛えた静かな水面。ユニークな形状をしたダム資料館が建てられている。残念ながら開館時間は9:00からのため、今回はパス。上流にさらに進むとすぐにダムの管理棟が見えてきた。この建物も面白い形。資料館とダムの管理棟の設計者は後で調べてみよう。

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石打ダム

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ダム資料館

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ダム管理棟

 ダムの上流の川は本当に小さな流れ。その流れの上流に向かって進むと柑橘系の畑が道の両側に拡がってきて、9:13に千房の集落に着いた。数戸の家があるだけだが、山の斜面には多くの柑橘の木が植えられている。

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柑橘の木に囲まれた千房の集落

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 さらに歩を進めると、比較的大きな林道に合流し、ここで椅子を出して小休止。気温は32℃まで上がり暑いため、木陰に入ると蚊がたくさん集まってくるが、皮膚の上にとまることはない。今日は安心して小休止することができる。道路の脇にはきれいな形の栗のイガが顔を覗かせる。

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広い林道に合流

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 舗装された林道を進み、9:47に大岳山への分岐部に出た。ここから右折して大岳山への道に入るが、道中には柑橘畑が広がる。柑橘畑の中を楽しく歩いていたところで、急にあたりが暗くなり、大粒の雨が降り出した。今日は予定よりもかなり速いペースで進んでいるため、エノキの木の下でしばらく休憩することとした。15分ほど雨宿りしていると、雨は小降りになってきたため、バックパックにカバーをつけて再び歩き始めた。歩き始めたところで、オオムラサキが1頭ひらりと舞っているのが見えた。

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大岳山が見えてきた

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柑橘畑の中を進む

 再び柑橘畑の中を進み、スイッチバックしながら高度を上げていくと、イノシシ除けの電線で先がふさがれ、道が途切れてしまった。地図を確認したが、この方向で間違いはない。思い切って藪の中に歩を進めていくと、木製のステップを付けた道が現れた。道に間違いがないことがわかり安心した。ここから先は、木製のステップのついた山道を進み、11:00に大岳山(477m)の山頂に無事に到着した。山頂に着いた頃には雨は上がっていた。残念ながら山頂付近は樹木が多く、ほとんど眺望はない。サーモスの中の冷たい水を飲みながら小休止して、稜線に沿って下り始めた。

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道が突然なくなった

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藪の向こうに再び道があらわれた

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大岳山山頂の神社

 稜線を下り始めると八代海が見え始めた。海が見えると嬉しくなる。さらに進むと山道は終わり、舗装路に出た。そこから1kmほど進み、12:06に県道58号宇土不知火線との合流地点に出た。ここからは整備状況の良好な県道を進むが、幸い自動車の通行はほとんどなく、快適に歩くことができた。

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大岳山から下り始めると八代海が見えてきた

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すっかり晴れてきた

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再び舗装路に出た

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県道に合流

 12:43に数戸の家の集まった網引の集落に着いた。ここには自動販売機があるのではと期待していたが、残念ながら見当たらず、橋の袂の木陰に折り畳み椅子を出しておにぎりと野菜スティックの昼食とした。川に下りて水に足をつけることができないかと道を探してみたが、どこも高さのある護岸工事が行われていて残念ながら川の水に手を触れることはできそうになかった。

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網引の集落

 13:00に行動再開し、標高400mを少し超えるぐらいの阿保峠に向かって歩き始めた。道路の状況はほぼ良好。舗装はしてあるが、ほとんど自動車は通行していないようで、落ち葉と砂利に覆われたところが多い。網引の集落がかなり下に見えてきたところで13:50に峠を越した。

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阿保峠への道

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だいぶ高度を上げてきた

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峠を越える

 峠の先の山間に貯水池があらわれた。ここでは数羽のカモが羽根を休めていた。餌付けしてあるようで、近づいても逃げない。ここからは道の向こうに三蔵の集落を見ながら先に進み、宇土の市街地が木々の間に見えてきた。

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阿保峠の先の貯水池

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カモがひなたぼっこ

 道路の標識に轟水源の標示が見えたので、道を折れて水源池に向かう。ここは名水として知られているところで、ぜひその水を飲んでみたかった。水源には15:07に到着した。ここには多くの人が集まり、ポリタンクに水を汲んでいる人たちもいた。サーモスに水を汲んで飲んでみたが美味しい。子供たちは水源の下の水溜りで水遊びをしていた。私も靴を脱いで、ズボンをたくし上げて水の中に足を浸けてみたが、非常に冷たい。気持ちがいいが、5分もすると足が痺れてくるほど冷たい。子供たちは水着で水を掛け合ったりしているが、とても真似はできそうにない。

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轟水源

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 轟水源で体を冷やしてから、再び猛暑の中を歩き始めた。15:50に西岡神社にお参りし、16:30には宇土城址の山の上から宇土の市街を眺めた。しかし、暑い。今日は町の中で、テントを張るところを見つけるのも大変そうだし、何より夜間も気温が下がらず気持ちよく眠ることはできそうにもないため、宇土城址からホテルの予約をして部屋を確保した。

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西岡神社

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宇土城址

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宇土城址から眺める宇土市街地

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明日の目標の金峰山

 17:00にはホテルにチェックインして、市街を散策して、たまにはきちんとした夕食を摂ることにした。宇土は小さいが歴史を大切にした、なかなか居心地の良い町だった。 

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宇土のシンボルの船場

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古い町並みも残る

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西念寺

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今日の晩御飯はちょっと豪華に

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2020年8月8日 九州自然歩道 39日目 熊本県宇城市三角町石打ダム駅宇土市本町 晴れ時々雨 気温32/26℃ 距離23.0km 行動時間8:49 平均速度2.8km/h 38909歩

往路交通:西新5:36福岡市営地下鉄-博多5:50/6:10九州新幹線つばめ307号-熊本7:00/7:19JR三角線-8:05石打ダム

九州自然歩道 38日目 三角の三角岳の三角点とはこれいかに 熊本県上天草市柴尾山~宇城市三角町石打ダム駅 2020年8月2日

 上天草市大矢野島の最北端にある柴尾山の中腹で目を覚ました。今朝は速攻ダッシュで撤収作業を行った。その理由は蚊の攻撃のためである。梅雨が明けて気温が上昇したここ何日かは、蚊の繁殖活動が旺盛なようで、ちょっとした茂みに入るととたんに蚊に襲われる。野営場所にも雲霞のごとく蚊が湧いてきて、片腕にいっぺんに10匹ほども吸血作業を行っている。このままでは貧血を起こすかもしれないと危惧するほどの勢いで蚊に襲われるため、たまらず最速での作業を行った。なんとなく、梅雨明けは蚊が多そうな気がしたので、ドラッグストアで虫よけスプレーなどを調達しようと思っていたのだが、うっかりして失念していた。

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岩谷の漁港 後方に見えるのが柴尾山

 6:35に行動を開始し、柴尾山を下りたところは岩谷の漁港。朝早くから釣りをする人で賑わっている。天草と宇土半島とを隔てる三角ノ瀬戸に沿って国道266号線を進み、天草五橋最後の1号橋に向かう。1号橋は橋長502mの天門橋。1966年に完成している。隣に見えるのは2018年に開通した天城橋。こちらは橋長463mで、自動車専用道となっている。天門橋には、狭いながらも歩道が設置されているため歩いて渡る。この海峡は大型船も通行するためか、海面からはかなり高く、景色が良い。

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左が天城橋、右が天門橋

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1号橋を渡る

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 1号橋を渡った後は三角の市街地に向かい、三角駅には8:05に到着した。三角駅はレトロな雰囲気の残された建築物。その向かいにあるのが三角フェリーターミナル。海のピラミッドの名前が付けられている。サザエのようならせん状の構造で、外部と内部の両方から屋上まで登ることができる。屋上部分からは天草の海が一望できる。海のピラミッドの前の芝生の上で、シリアルの朝ご飯を済ませた。

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三角駅

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フェリーターミナル

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内部もらせん構造

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屋上からの景色が良い

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ここでシリアル朝食

 朝ごはんの後はスーパーマーケットで水と食料品を購入して、三角岳の登山口に進む。9:25から登り始め、標高203mの展望場所の天翔台には10:07に到着した。山道はどういうこともない道なのだが、蚊の数がものすごい。ゆっくり歩いていると体中を刺されてしまうため、早いペースで、しかも両手を振り回しながら歩くため消耗が激しい。天翔台からは天草の島々がきれいに見えるが、しっかり眺める余裕がなかった。

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天翔台

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 三角岳の山頂にほど近い展望場所の竜雲台には10:52に到着した。ここは蚊が少なく、天門橋と天城橋を山上から眺めることができた。

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竜雲台からの眺め

 三角岳(407m)の頂上には11:35に到着した。ここは頂上付近に樹木が繁り、眺望はあまりよくない。三角岳(みすみだけ)の三角点(さんかくてん)は記念に撮影しておいた。ここで昼食を食べようと思っていたが、蚊が多いので断念。先に進むことにした。

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三角岳からの眺め

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三角岳の三角点

 三角岳から先は地図では少し北に進んだ後に、高度を下げながら254mピークを経由して高野山(262m)に向かうはずだが、標識はなく、またYamapのスマートホン用の地図アプリにはその山道が掲載されていない。こんな時は、ほとんど使われていない山道で、藪漕ぎに苦しめられることが多いので不安になる。恐る恐る先に進むが、積もった落ち葉の下に木のステップが見えるところがあり、道に間違いがないことはわかる。何度か道を間違えたが、その都度地図で方向を確認し、それほど悪路に苦しめられることなく、12:40に高野山に向かう舗装路に出ることができた。舗装路の両側には柑橘の畑が広がる。ここ三角はデコポンの有名な産地だ。

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少し進んだら道が見えてきた

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柑橘畑に出た

 高野山には13:00に到着した。NTTの通信施設が山頂に建てられているため、サービス用の舗装路が整備されている。眺めも良い。

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高野山山頂のNTT施設

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眺望も良好

 高野山から先は、またもやほとんど使われていないような山道に続いている。地図を確認すると600mほど先で林道に接続していることが分かる。この道を通らずに舗装路を引き返す手もあるかと思うが、誰も見ていないときにズルいことをできない性格のため、恐る恐る先に進む。このコースはしばらく誰も歩いていないようで、道は不鮮明で、倒れた木々や藪でときどき行く手を阻まれ、蜘蛛の巣にまみれることになる。しかし、悪路部分は400mほどで終わり、柑橘畑の中を進んで、舗装路に出ることができた。

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不穏な雰囲気の山道入り口

 しばらく舗装路を進むと、食と農の体験塾と看板を掲げた建物があり、営業中の看板が出ている。飲食店のような造りで、中では数人が飲食をしているので入っていったら、山登りの会の打ち上げのようだった。まあまあ座って飲みなさい食べなさいと、ピザやおにぎりを出してくれ、1時間近くお邪魔させてもらった。思いもよらぬ楽しい時間を過ごすことができた。

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柑橘畑

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食と農の体験塾

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飲食店かと入っていく

 ここから先は舗装路が続く。山中には柑橘畑が広がっている。ハウスやマルチ栽培の畑があるが、残念ながら品種がわからない。南向きの斜面の一角には、露地栽培の柑橘にもかかわらず、袋掛けしたものがある。袋の外からそっと触ってみると、他の木に比べると数倍の実の大きさになっている。徹底的に摘果をして選抜して育てているのかもしれない。

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柑橘畑が続く

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マルチ栽培畑もある

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柑橘ではあまり見ない袋掛け

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 柑橘畑から下り道に折れた後は一気に高度を下げ、民家が見えてきた。石打ダム駅も近いようだ。

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 線路を超え、先に駅が見えたときに、列車が近づく音が聞こえてきた。たぶん、前の駅を出て加速をし始めた音。耳が良いわけでも、山歩きで感覚が研ぎ澄まされたわけでもなく、たんに谷間に列車の音が響いて伝わってくるのと、蝉の声以外の雑音が全くないため数km先の音が聞こえる。ホームに上がったときにちょうど16:09の熊本行きの三角線の列車が入線してきた。来週は虫よけスプレー持参で戻ってくるぞと思いながら帰途についた。

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2020年8月2日 九州自然歩道 38日目 熊本県上天草市柴尾山~宇城市三角町石打ダム駅 晴れ 気温35/24 距離20.0km 行動時間9:31 平均速度3.1km/h 41151歩

復路交通:石打ダム16:09JR三角線-熊本16:56/17:40九州新幹線つばめ334号-博多18:43

九州自然歩道 37日目 歩いて渡る天草五橋 熊本県上天草市松島~上天草市柴尾山 2020年8月1日

 今週の九州自然歩道トレッキングは、熊本県上天草市松島からの再開。福岡から九州新幹線三角線と乗り継ぎ、三角からは船に乗って松島港に到着。そこから天草五橋の5号橋のたもとにある松島展望台から10:08にスタートした。

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スタート再開地点の松島展望台からの眺め

 まずは5号橋の松島橋を渡る。赤い橋が海の色に映える。橋の上からの景色は素晴らしい。橋長は177mで、すぐに渡り終える。

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5号橋

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5号橋からの眺め

 松島を横切ったあとは4号橋の前島橋。橋長は510mあり、大型の車が通るたびに上下に揺れるのがわかる。この橋からは大小さまざまな島が浮かぶ海をゆっくりと眺めながら歩くことができる。海は穏やかで、数艇のシーカヤックが航跡を残しながら進んでいるのが見える。4号橋からは、しばらく小さな島の上の道を歩くことになる。

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4号橋の全景 これは船から撮影したもの

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4号橋を歩く

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島に囲まれた穏やかな

 3号橋は中の橋と名付けられた361mのコンクリートの橋。ちょうど橋の下を水上スキーが通過していった。これも気持ちがよさそう。

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水上スキーが通過する3号橋

 2号橋は大矢野橋。白いアーチの橋で249m。これで天草五橋のうちの4つを歩いたことになる。

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2号橋

 ここから先は大矢野島の島内を歩くことになる。最後の1号橋は、大矢野島宇土半島の先端の三角とを繋ぐ橋で、大矢野島の中を20km以上歩かないといけない。ここまで、5号橋から2号橋まで、いずれも素晴らし眺めだったが、宇土半島から天草につながる唯一の道路である国道266号線のため、非常に交通量が多い。景色を眺めるために橋の右側から左の歩道に移ろうとするが、車がなかなか途切れずしばらく待たなくてはならない。

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 大矢野島に入ってから2kmほど進み、国道266号線から分かれて左折し、大矢野島の西の海岸線に沿って進むと、自動車の交通はほとんどなくなる。しばらく潮の匂いを楽しみながら、漁村をいくつか通過する。いずれも長閑な雰囲気。ちょうど干潮の時間のようで、港には船底を砂地の上に着けてしまっているものもある。正面に見えるきれいな三角形の高杢島は、干潮時は隣の樋合島と地続きになっているようだ。

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国道から離れて西の海岸線を進む

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干潮時に地続きになる高杢

 さらに海岸線を北上する。12:00になり、太陽が真上から照りつけてくる。気温は35℃。暑いが日陰がない。正面には頭に雲をかぶった雲仙が見えてきた。時折、エビの養殖場がさかんに水車を回しているのが見える。

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雲仙が正面に見える

 12:57に道の駅サンパール天草に到着した。向かい側に天草四郎ミュージアムがあるがこちらはパス。とりあえず、食堂で漬け丼を頂いた。デザートには濃厚なソフトクリームを食べて12:54に行動再開。今日は暑くて歩くのはつらいが、食事で元気が出た。

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天草四郎ミュージアム

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まずは腹ごしらえ

 さらに大矢野島の西の海岸線を北上する。野釜島が見えてきた。野釜島大橋の下をくぐり抜けて2kmほど進むと弓ヶ浜の海水浴場に出た。子供たちが泳いでいる。今日はここに行きたい温泉があったので、脇道に少しだけそれて温泉に向かった。弓ヶ浜温泉湯楽亭に到着したのは15:10。立ち寄り湯は14:00までと書いてあったので、入れなかったら宿泊してもいいやと思いフロントで尋ねると、わざわざ歩いてこられたのならば断われませんねと快く温泉に入湯させてくれた。この温泉は、場所が山中の鄙びたところにあるのに加え、夢のお告げに従って洞窟を掘ったら中から温泉が出てきたというところ。本当に手掘り感いっぱいの洞窟の中からお湯が沸き出ていた。鉄分が多いようで、赤いお湯。運よく楽しみにしていた秘湯が楽しめた。

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野釜島を通過

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弓ヶ浜

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弓ヶ浜温泉湯楽亭

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お湯の湧き出る洞窟

 1時間ほど温泉を堪能した後は、さらに歩を進める。せっかくさっぱりした後だが、すぐに汗まみれに変わってしまう。4kmほど海岸線に沿って進み、成合津のヨットハーバーの脇を進み、小さな山を越えると、きれいな海水浴場とその先に形の良い山が見えた。柴尾山(225m)だ。

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成合津のヨットハーバー

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柴尾山と書いてぞうやまと読ませる

 柴尾山の先の集落が岩谷。ここには食堂が数軒ありそうだ。18:37に食堂にたどりつき、あら炊き定食。なかなか美味。食堂では、明日のコーヒー用に水を分けてもらい、野営地を探しに柴尾山に引き返すことにした。

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2020年8月1日 九州自然歩道 37日目 熊本県上天草市松島~上天草市柴尾山 晴れ 気温35/24 距離24.5km 行動時間9:23 平均速度3.6km/h 40461歩

往路交通:西新6:35福岡市営地下鉄-博多6:49/7:01九州新幹線-熊本7:51/8:06JR三角線-三角8:58/9:15松島フェリー-松島港9:35

九州自然歩道 36日目 雨の天草締めには温泉 熊本県上天草市白嶽~上天草市松島 2020年7月26日

 周囲が明るくなりはじめる5:00に目が覚めた。今日もやっぱり雨。幸い四阿(あずまや)の屋根があるので、濡れずに撤収作業ができる。これまで2日間も雨の中で過ごすと、濡れているのが当たり前ぐらいの気持ちになってきた。今日は天草の島内を歩く最終日になるので早めにスタートしたい。目標は松島の温泉。テキパキと撤収作業を終え、雨具をきっちり装着して、6:00に行動を開始した。

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白嶽はこんなところ

 白嶽からは崖のエッジ部分をしばらく歩く。晴れていたら見事な眺めだろうなと思いながら、ときどき雲の切れるときに写真撮影を試みるが、カメラがずぶ濡れになる。濡れた指ではシャッターがなかなか下りない。ここは東の八代海に面した山の斜面が山崩れを起こしたかのように切り立っているため、稜線からの眺めが頗る良いだろう。

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白嶽の山頂を望む

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雨が降りしきる

 7:25に蕗岳(つわたけ)との分岐に到着した。蕗岳も眺望が良いらしいが、今日はダメだろう。片道10分以上の道のりで体力を消費したくなかったので今回はスキップ。少し進んだところに四阿があったため、荷物を下ろしてシリアルの朝食とした。最初は真っ白な風景だったが、ガスが晴れてくると美しい景色が広がる。このルートは晴れた日に歩きたかった。

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蕗岳分岐付近の四阿

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少し雲がなくなれば海が見える

 さらに山道を1時間半ほど歩く。時折、これでもかというぐらい雨が降る。そんなときは無理をせずに木の下でじっと考え事をすることにした。たとえば、山中の標識で××まで0.6kmと書いてあったのに行けども行けども目標にたどり着けずヘトヘトになって地図を見ると確かに地図上の直線距離は0.6kmぐらいで実際には50回ぐらい小さなスイッチバックを繰り返しておまけに等高線が15本ぐらいあったりしたときに、標識に表示する目的地までの記載はどうしたら登山者に親切か?などということである。

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雨と付き合う

 そうこうしながらさらに1時間半ほど歩き、9:04に牟田峠に到着した。ひさしぶりにアスファルトの道路に出た。今日もイノシシには2回遭遇したが、アスファルトの道の上では遭遇する機会はかなり減る。そういえばこの48時間、ヒト科のヒトという動物に会っていない。まあ、まだ寂しくはないが。ほんの200mほどアスファルトの道路を歩き、ふたたび山道に入った。この山道は路盤が整備してあり、けものみちよりも数段歩きやすい。

 30分ほど歩いて金毘羅山(260m)に到着した。さらに30分ほど歩くと金比羅神社が現れた。木々の間から町が見えてきた。人には会わなくても結構なので、水が欲しい。龍ヶ岳以降補給がまったくなかったので、水がなくなってしまっている。渇きはつらい。

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金比羅神社

 金比羅神社から45分で茶屋峠に出た。舗装路と交わり、大きな浄水場があるが、残念ながら自販機は見当たらない。ここから天草最後の山となる高舞登山(たかぶとやま、116m)への登り口に入る。登山道は良好に整備してあり、30分ほどで頂上に着いた。頂上には展望台があり、天草五橋がすべて視界に入る。それにしても島々の浮かぶ天草の海はきれいだ。

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浄水場はあるが水はない

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晴れた!

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 この景色を楽しみながら、最後の水で天草最後の山コーヒーを淹れる。ついでに誰もいない展望台で雨具を乾かす。

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 ここから先は町に出るだけなので、雨具は要らないだろうと思ったら大間違い。高舞登山から国道までのわずか800mほどの山道だが、たぶんここしばらくは誰も歩いていないと思われる荒れようだった。蜘蛛の巣に藪漕ぎに泥道。雨具をつけておけばよかったと思ったが後の祭り。国道に出たときは上下とも蜘蛛の巣と泥まみれになってしまった。

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最後に藪漕ぎとは

 上天草島最北端の合津(あいつ)の町は温泉と漁港の町。松島温泉の足湯があったため浸かってみようかと思ったが、ふやけ切った足が靴からなかなか抜けないため断念。とりあえずランチとすることとし、海鮮丼を頂いた。

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合津の町

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足湯があったが足がふやけてしまって靴が簡単には脱げない

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合津港

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 ランチのお店で立ち寄り湯をしているホテルを聞いて、近くの松島観光ホテルの温泉に浸かりに行った。大浴場にただ一人。ゆっくりと手足を伸ばして極楽極楽。

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2020年7月26日 九州自然歩道 36日目 熊本県上天草市白嶽~上天草市松島 雨ときどき曇り 気温27/24℃ 距離11.3km 行動時間8:10 平均速度1.8km/h  25449歩

九州自然歩道 35日目 絶景の観海アルプスを縦走 熊本県上天草市龍ヶ岳~上天草市白嶽 2020年7月25日

 龍ヶ岳のキャンプ場は快適だったが、山頂にあるため風が強い。夜中に何度もテントが飛ばされそうなほどの風雨に襲われた。

 5:45に目が覚めた。今日も雨。テントの中でホットチョコレートとシリアルの朝食を摂る。小雨になったところでダラダラと撤収作業をはじめ、8:00に行動を開始した。

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定番となってきたシリアルの朝食

 龍ヶ岳の山頂は雨で、濃いガスが立ち込めていて視界が悪い。キャンプ場から、九州自然歩道に復帰するため、舗装路を2kmほど下る。さらに1kmほど進んだところで地図を見ながら左に折れたが、この道が誤りで、1kmほど進んだところでようやく道が違うことに気が付いた。来た道を戻り、左に折れる心細い山道が九州自然歩道であることを確認して先に進んだ。昨日は100%舗装路で快調に飛ばせたが、今日はどうも山道が大半のようだ。しかも雨の中。

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キャンプ場はガスの中

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雨も降りしきる

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ここの分岐点がわかりにくかった

 さっそく食事中のイノシシに出くわす。雨の日は鼻が利かないのか、足音が聞こえないのか、それともこんな日に山登りをする奴なんかいないと安心しているからか、この後も3回イノシシに遭遇した。

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食事中のイノシシの足跡

 山道はなかなか先に進まない。あまり人が通っていない道で、雨に加えて草の水滴が容赦なく体にかかる。そんな山道を苦労して上り下りして、9:56に三ツ岩という眺望の良いポイントにたどり着いた。ここでようやく荷物を下ろして水分補給を行う。

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三ツ岩からの眺め

 三岩から先は、雨が小降りになり、ときどき日が差してきた。そんなときにはイノシシはいないが、今度はヘビが道の真ん中で日向ぼっこしている。ヤマカガシは生態系の上位に位置しているのを意識してか、あるいは雨で冷えて動きが遅いのか、なかなか道の真ん中からどいてくれない。

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ヤマカガシも有毒

 道を間違えたり、ヘビに通せんぼされたりで、コースタイムよりもずいぶん遅く、12:28にようやく念珠山(503m)の頂上に到着した。ここも眺めが良い。龍ヶ岳から連なる山々は観海アルプスと名付けられているだけあって、どの山からも天草の海がたっぷりと見られる。

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特徴的な山容の念珠岳

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眺めがすばらしい

 念珠山からは長い道のりを経て二弁当峠に15:32に到着した。ここでは車の通行が止められた廃トンネルを経由して次の目的地に向かうのだが、ちょうどここで雨が土砂降りになってきた。やむなく廃トンネルに逃げ込んだが、廃トンネルはライトもなく、薄気味悪い。心霊スポットのようであまり滞在したくなかったが、すさまじい土砂降りで、外に出ることはかなわない。

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二弁当峠の廃トンネル

 ようやく小雨に変わり、次の鹿見岳(286m)への登山口に入る。わりと歩きやすい山道。頂上近くは石段が整備されていた。もちろん頂上からは海が見えた。

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鹿見岳への石段

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 鹿見岳からは山道と舗装路を繰り返し進み、矢嶽神社に17:20に到着した。ここには巨石でできた遺跡があるとのこと。少し回り道して、ドルメンと呼ばれる巨石の屋根を石柱が支える形態の遺跡を見に行ってきた。重機のない時代に、こんな巨石をどうやって配置したのか不思議だ。

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白嶽も威厳のある山だ

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白嶽中腹の矢嶽神社

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ドルメン

 ここからは最後の踏ん張りで、右手に海を見ながら崖に沿った山道を進み、373mの白嶽の頂上には18:03に到着した。眺めは最高。天草五橋や八代、西には雲仙も見える。白嶽の頂上に到着したころから雨が止んだ。本日も、終わりよければすべてよし。

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白嶽頂上

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天草の島々

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2020年7月25日 九州自然歩道 35日目 熊本県上天草市龍ヶ岳山頂キャンプ場~上天草市白嶽 雨のち曇り 気温26/22 距離18.9km 行動時間10:19 平均速度1.8km/h 37025歩

九州自然歩道 34日目 棚田の向こうに拡がる天草の海 熊本県天草市栖本~上天草市龍ヶ岳 2020年7月24日

 今日から天草市の中心地である本渡から東に11kmほどの栖本から九州自然歩道トレッキングの再開。昨夜も先々週に引き続き友人宅にお世話になり、6:00に起床。本渡バスセンターから栖本まで7:10発のローカルバスで向かい、7:50に行動を開始した。

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降りしきる雨

 あいにくの大雨。どのぐらいの雨かというと、渋谷の街頭で100人にインタビューしたら99人ぐらい絶対にこんな天気の日には山に登らないと回答するほどの大雨。自分も、こんな日に歩かないといけない理由が見つからず、バスは7:32に栖本馬場のバス停に到着したものの、バス停の屋根の下で7:50まで最初の一歩が踏み出せなかったほど。

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こんな雨の中を歩く理由は、、、

 栖本の町の中を東にしばらく進み、倉岳の登山道に向かって曲がる。タバコ畑ではこの雨の中で長靴を履いて作業している女性がいる。どこに行くかと尋ねられ、倉岳に登ると答えると、こんな雨の中をご苦労様と返された。いやいやあなたの方がもっとご苦労様ですと心の中で思いながら、倉岳への道を先に進む。倉岳の麓まで雲底が下がっているため、頂上が見えないどころか、どんな山さえもわからない。標識には頂上まで12kmと書いてあるため、それなりの覚悟を決める。

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雲が低く、どんな山かもわからない

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眺望もない

 登山道は舗装路で、路面の状態は良好。自動車の交通もほとんどなく歩きやすい。雨だけが問題。時折、前が見えないほど強く降り、すぐ近くで雷鳴が聞こえる。

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これ以上降っているときが大半だが、その時には写真も撮っていられない

 頂上まで3kmぐらいの地点でカヤツ丸展望台という絶景で知られるビューポイントがあったが、本日は絶対に絶景でない自信があったためパス。ゴアテックスのレインコートの中に雨が侵入してきて気持ちが悪いため、何とかして早く山頂にたどり着きたい。山頂には屋根のある施設があるだろうと期待して。

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天気が良ければ行ってみたいカヤツ丸

 11:30に倉岳(682m)の山頂に到着した。残念ながらガスで何も見えない。山頂には倉岳神社があり、この鳥居の向こうに拡がる天草の島々と八代海がすばらしく美しいはずだが、本日は真っ白な写真のみ。残念無念。もう一つ残念なことに、山頂まで来たが屋根がない。今朝出発してから一度も荷物を下ろしていない。

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山頂からの眺望はゼロ

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鳥居からの眺望もゼロ

 お腹も空いてきたが、この雨の中ではどうしようもない。倉岳の山頂からは棚底の町に向かって下り始める。10分も下ったところに休憩用の東屋があった。風雨が強いため雨が降り込むが、荷物を下ろしておにぎりを食べながら休憩とした。

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ホッと一息休憩所

 しばらく休憩していると雨が弱くなってきた。ビチョビチョのレインコートを着て、再び歩きはじめる。靴の中もビチョビチョ。この靴もゴアテックスのはずだが、ここまで激しい雨には歯が立たないようだ。山の斜面からは水が滝のように落ちてきて、ときおりその水流を跨がなければならない。雨の音が激しいせいか、いつもはさっさと逃げていくイノシシが、かなり近づくまで気が付かずに道端で食事に専念している。生まれたばかりのうり坊も一緒に食事をしている。

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こんな状態ではイノシシも気が付かないのだろう

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ときおり道路にも水が流れ出している

 次第に高度が下がり、標高270m程度まで下りたところで視界が開けてきた。棚田の向こうに海が広がる。これが見たかった風景。この地域の稲もすでに穂をつけている。

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棚田の向こうに拡がる天草の海

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生育が早い天草の稲

 14:30に棚底の市街地に到着した。残念ながら、Google Mapに出てくる飲食店の3つは閉店したか休業中。やむなく先に進み、JAの経営しているスーパーでお惣菜を購入して2回目の昼ご飯とした。

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棚底は小さな漁村

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ようやく見えた倉岳の全貌

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 JAを15:20に出て、本日の目標である龍ヶ岳山頂の天文台とキャンプ場に向かう。距離は11kmほど。18:00ごろには到着できるだろう。幸い、雨は止んで、道路が乾いてきた。

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天文台の案内標識

 龍ヶ岳までの道のりもすべて舗装路。快適に歩く。棚底の街並みが眼下に見える。

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棚底の街並みが見える

 雨もほとんど降らないまま、18:00に龍ヶ岳(469m)の山頂に到着した。ガスが少しかかっているが、天草の島々と南の方には鹿児島県の長島と思われる島まで見える。

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龍ヶ岳頂上からの眺め

 山頂にはミューイ天文台がある。50cmの反射式望遠鏡を備えた天文台で、夜には望遠鏡による天文観測の供覧もあるが、本日は天候が悪く、観測はないとのこと。内部のみ見学させてもらう。

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ミューイ天文台

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50cm反射式望遠鏡

 天文台ではキャンプ場のチェックインも済ませ、キャンプサイトに向かう。きれいに整備されたキャンプサイトでありがたい。ただし、山頂は風が強いため、ラインをしっかり張っておかないとテントが飛ばされそう。キャンプ場にはシャワーもあり、至れり尽くせり。終わりよければすべてよし。

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整備状況良好なキャンプ場

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2020年7月24日 九州自然歩道 34日目 熊本県天草市栖本~天草市龍ヶ岳山頂キャンプ場 雨のち曇り 気温27/23℃ 距離31.7km 行動時間10:50 平均速度3.2km/h 52313歩