九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 29日目  普賢岳の噴煙を眺めて雲仙温泉の湯煙の中に 雲仙市吹越峠~雲仙市小浜町雲仙 2020年6月21日

 今日は早い時間に雲仙の温泉に到着して、ゆっくりとお湯を楽しみたかったので、早起きをして5:37に行動を開始した。天気は悪くない。少し寒い。今朝の気温は8℃しかなかった。

f:id:nayutakun:20200622182222j:plain

朝の天気は曇り

 傾斜のきつい山道を妙見岳に向かって進む。妙見岳雲仙岳の一つ。九州の山の雲仙という名前は有名だが、じつは雲仙岳という名の山はなく、主峰の普賢岳に、妙見岳、国見岳、そして最も新しくできた平成新山などを加えた、周辺の山の集合を雲仙岳と呼ぶ。今回は吹越峠の登山口からは最も近い妙見岳を最初の目標に進む。

f:id:nayutakun:20200622182317j:plain

吹越峠から妙見岳への分岐には比較的容易に到達

 早起きの効果があり、5:59には標高1300m近い妙見岳と国見岳の分岐に到着した。分岐部からはすでに平成新山の煙が見える。まずは分岐から標高差のほとんどない南の妙見岳(1333m)に向かい、6:14に妙見神社にお参りして分岐部に引き返した。

f:id:nayutakun:20200622182420j:plain

木々の間から普賢岳とその向こうの平成新山が見える

f:id:nayutakun:20200622182458j:plain

妙見岳の山頂近くにある妙見神社

 次に分岐部から北に向かい国見岳を目指す。国見岳はなだらかな尾根が連なった妙見岳に比べると、ずいぶんと鋭角的な山。頂上付近には鎖場がつけてあるのが下からもわかる。

f:id:nayutakun:20200622182616j:plain

国見岳はずいぶんと鋭角的な山

f:id:nayutakun:20200622182641j:plain

国見岳の頂上付近には鎖場が

 国見岳に登り始めてから10分ほどで頂上に着いた。ここは眺めが良い。1347mの頂上からは360度の眺望があり、有明海橘湾普賢岳がたっぷりと楽しめる。

f:id:nayutakun:20200622182730j:plain

国見岳頂上(1347m)

f:id:nayutakun:20200622182812j:plain

国見岳頂上から千々石の方向を眺める

 国見岳から分岐部に引き返し、今度は普賢岳妙見岳、国見岳でできた深い谷間をぐるりと回って平成新山を間近に眺めるコースに向かう。7:28に鬼人谷口(きじんだにぐち)という何とも恐ろしい名称のポイントに着き、ここから北東に、平成新山の北の斜面に向かって歩きはじめる。

f:id:nayutakun:20200622182908j:plain

国見岳、妙見岳普賢岳に囲まれた深い谷間

f:id:nayutakun:20200622182940j:plain

鬼人谷口の分岐

 途中に風穴(かぜあな)という洞窟が2カ所あり、洞窟の奥から吹き出てくる冷風で汗をかいた身体を冷やした。風穴は、かつては蚕の冷温養殖に使用されていた洞窟だそうだ。

f:id:nayutakun:20200622183105j:plain

西の風穴 かつては蚕の冷温保存に使われていた

f:id:nayutakun:20200622183148j:plain

北の風穴

 8:17には周回コースの北端の鳩穴分かれに到着した。ここは有明海を正面に望む景色の良いところ。ベンチが設えてあり、ここでシリアルの朝食とした。この先には、かつて鳩穴という洞窟があったそうだが、1991年の普賢岳火砕流で埋没してしまった。

f:id:nayutakun:20200622183215j:plain

有明海を正面に望む鳩穴分かれ

f:id:nayutakun:20200622183258j:plain

ベンチで朝食

 8:41に行動を再開。ここからは標高差150mほどの直登ルートを進み、立石の峰の1325mのピークを目指す。ここからは傾斜がきついのとコースの幅が狭いため、右回りの一方通行に指定されている。9:00に屹立した岩が目印の立石の峰に到着した。

f:id:nayutakun:20200622183343j:plain

斜面の上の立石の峰

f:id:nayutakun:20200622183418j:plain

 ここからほぼ平坦な道を10分ほど歩いたところが平成新山のピークに最も近いところ。展望所のすぐ足元から蒸気が噴き出ており、爆発したらどうしようかと少し心配になるほど。足元には角の尖った石が散在しており、平成新山から落石してきたのではないかと思われる。

f:id:nayutakun:20200622183453j:plain

平成新山が最も近くで見える地点 足下から煙が上がる

f:id:nayutakun:20200622183559j:plain

 平成新山を間近に眺めてからは、少しずつ高度を落としながら、谷底にある霧氷沢に向かう。ここは冬季の樹氷がきれいなところ。いまは白いヤマボウシの苞が谷を埋める樹木の緑に映えている。

f:id:nayutakun:20200622183629j:plain

霧氷沢の谷間から見える平成新山

 今回の最後のピークとなる普賢岳には9:45に到着した。標高は1359m。かつては長崎県内では最も高い山であったが、現在は1483mの平成新山に抜かれている。ここも眺望は素晴らしい。

f:id:nayutakun:20200622183726j:plain

普賢岳頂上(1359m)

f:id:nayutakun:20200622183812j:plain

平成新山の頂上からは常時煙がたなびいている

 南には島原半島の先端の口之津が続き、その先には次の目標となる天草諸島が海を隔ててグルリと目に入る。天草はこの目で見るとかなり広い。ここを踏破するのには何日かかるだろうか。

f:id:nayutakun:20200622183937j:plain

島原半島の先端が口之津 狭い海峡の向こうには天草列島が広がる

 眺望を楽しみながらコーヒーを淹れた。山頂で飲むコーヒーはこの上なく美味しい。

f:id:nayutakun:20200622184104j:plain

普賢岳の頂上ではコーヒータイム

 10:21に行動を再開し、普賢岳から紅葉谷に降りて、そこから妙見岳普賢岳との間の谷にあたる部分をアップダウンしながら進み、あざみ谷を経て11:23に仁田峠ロープウェイ乗り場に到着した。ここでは久しぶりの炭酸飲料水コーラでのどを潤した。

f:id:nayutakun:20200622184144j:plain

普賢岳の下の紅葉谷から仁田峠に続く快適なコース

f:id:nayutakun:20200622184300j:plain

仁田峠から運行される雲仙ロープウェイ

f:id:nayutakun:20200622184337j:plain

 仁田峠にはめずらしくゴミ箱が設置してあった。最近は街中や公共施設からゴミ箱が消えつつある。観光地でもゴミの持ち帰りを要請するところが多くなってきた。ゴミ処分のコストや環境意識の向上のためとは思うが、長期に歩く場合にはゴミ箱がない現状は大変困る。今回は、仁田峠の管理者に感謝しつつ、2日分のたまったゴミを処分させてもらった。ザックが軽くなる。本当にありがたかった。

f:id:nayutakun:20200622184355j:plain

f:id:nayutakun:20200622184405j:plain

ゴミ箱の存在はうれしい

 仁田峠からは、コンクリートの石段でできた道をコツコツ下り、12:25に池の原に到着した。

f:id:nayutakun:20200622184443j:plain

仁田峠から池の原に続く石段

f:id:nayutakun:20200622184529j:plain

池の原の休憩施設

 ここはミヤマキリシマの名所なのだが、すでに花期は過ぎており、いくつかの株が咲いているのみであった。本来このあたりには見渡す限りにミヤマキリシマが生えており、5月の最盛期には赤一色の光景だったのではないかと思われる。

f:id:nayutakun:20200622184608j:plain

f:id:nayutakun:20200622184619j:plain

 ここから再度山道に入り、12:45に温泉街の北端にあたるおしどりの池の畔近くに到着した。

f:id:nayutakun:20200622184635j:plain

おしどりの池

f:id:nayutakun:20200622184700j:plain

紫陽花が水面に映える

 ここから市街地に向かって歩いていると、コンクリート造りの四角い箱のような建物から、タオルを持った女性が出てくるのが見えた。正面には別所浴場と小さく書いてある。地域の共同浴場のようだ。入り口には100円と書かれた、穴の開いた金属製の棒が建ててある。料金箱だ。誰でも入ることができるのだろうか?

f:id:nayutakun:20200622184735j:plain

別所共同浴場

 男湯を覗いてみると誰もいない。強い硫黄臭がする。かなりワイルドな公衆浴場だが、思い切って入ってみることとした。

 中には更衣場所と、数段の階段を下りたところに2m×2mほどのコンクリート製の浴槽が一つ。服を脱いで階段を下りた。恐る恐る湯桶にお湯を取り、かけ湯をしてみた。ビックリするほど熱い。こんなに熱いのは手前の方だけかと思い、奥に回って湯温を確かめてみたら、さらに熱い。奥にかけ流しの出湯口があるようだった。

f:id:nayutakun:20200622184813j:plain

別所浴場の内部

 罰ゲームか拷問のように熱い。東京の下町界隈の銭湯よりも熱い(例として、熱いので知られる上野御徒町の燕湯は46℃)。最初は足首までしか浸かることができなかった。冷水の蛇口があるが、入れて冷ましても良いものか分からない。後で入ってきた地元の人から、「べらんめい、雲仙の湯にはこうやって入(へえ)るんだよ!」とか言われたら、かなわない。罰ゲーム級の熱湯に真っ向勝負で挑むこととした。

f:id:nayutakun:20200622184835j:plain

 蛇口の冷水で真っ赤になった足を冷やして、次は膝まで浸かる。動くと熱い。さっと飛び出て、膝から下にホースの冷水をかけて処置を施してから、次は腰まで浸かる。最後は肩まで浸かって60数えて外に出た。これ以上浸かったら生命の危険を感じたため、これで雲仙の温泉は終わりとした。最後まで誰も入浴者は訪れず、正式な入浴の仕方は不明のままだった。筋肉痛をほぐすことはできなかったが、ローカル感のたっぷりな温泉に浸かることができて満足だった。

 着替えを済ませてから、別所浴場の前のベンチで身体を冷やした。風が心地よかった。

 それから雲仙温泉街を散策し、地獄めぐりの後、焼きたての温泉煎餅を賞味した。

f:id:nayutakun:20200622184908j:plain

こちらはメジャーな湯の里温泉(通称だんきゅう温泉) 残念ながら現在は長崎県民限定の入浴

f:id:nayutakun:20200622185057j:plain

温泉神社

f:id:nayutakun:20200622185116j:plain

地獄

f:id:nayutakun:20200622185132j:plain

大叫喚地獄

f:id:nayutakun:20200622185201j:plain

地獄の湯気で加熱した温泉卵

f:id:nayutakun:20200622185229j:plain

名物の手焼き温泉煎餅 とてもクリスピー

 14:45の雲仙始発の諫早行きのローカルバスの乗客は2名。のんびりとした気分で、福岡への帰途についた。

f:id:nayutakun:20201224152308j:plain

f:id:nayutakun:20201224152320j:plain

2020年6月21日 九州自然歩道 29日目 長崎県雲仙市吹越~雲仙市小浜町雲仙 曇り 気温28/8℃ 距離9.4km 行動時間8:36 27381歩

九州自然歩道 28日目 ヤマボウシの映える九千部山から雲仙に 長崎県雲仙市千々石町~雲仙市吹越峠 2020年6月20日

 3か月ぶりの九州自然歩道になる。ようやく全国的に県をまたいでの移動が公に認められるようになった。4:20に起床して、花木に水遣りをしてからシャワーを浴び、機材の点検をしてフルーツの朝食を摂ってから家を出た。

 いつものように福岡市営地下鉄西新駅から目的地に向かう。博多駅で乗り換えて、6:33発のかもめ3号で長崎方面に向かった。バスのほうがやや安価だが、電車のほうが早く、乗り心地が良い。今日は久しぶりなので、JRの旅を選択した。

 かもめはJR九州の名物デザイナー水戸岡鋭治の作品。車内は快適で、2色のストライプの板張りの床が心を和ませる。乗客は少なく、現在はこの車両には3名しか乗車していない。

f:id:nayutakun:20200621165122j:plain

f:id:nayutakun:20200621165151j:plain

 長崎県諫早駅に到着したのが8:14。ここからは1時間に1便程度運行されているローカルバスで、前回の九州自然歩道トレッキングを中断している雲仙市千々石まで向かう。諫早からのバスの乗客は6名。途中で2人乗降があったが、のんびりしていて良い。

 島原鉄道バス、略称島鉄バスは定刻より少し遅れて9:37に雲仙市の千々和小学校前バス停に到着した。このバス停のすぐ前にセブンイレブンがあるのは、前回のトレッキングの時に確かめている。セブンイレブンで、昼食用のおにぎり、夕食用のサラダ、それから飲料水を購入して、10:00に行動を開始した。

f:id:nayutakun:20200621165239j:plain

 セブンイレブンから200mほど山手に上がると、橘神社がある。ここが前回の九州自然歩道からの離脱地点。ここから九州自然歩道のトレッキングが再開する。天候は曇り。気温は24℃。歩きやすい気候だ。

f:id:nayutakun:20200621165309j:plain

 しばらくは千々和の集落の中をジグザグに進む。そこかしこに、キリシタンの名残りの像が残されている。集落の石垣が美しい。このあたりの石垣に使われているのは、長崎北部で使われていた黒く平らな石とは異なり、丸みを帯びた石。雲仙岳に由来する火成岩だろうか。

f:id:nayutakun:20200621165422j:plain

f:id:nayutakun:20200621165446j:plain

 集落を抜けると傾斜の厳しい山道に変わる。踏み跡はほとんどついていない。昨日までの雨のため、苔のついた山道が滑る。転ばないように気を付けながらゆっくりと歩を進め、10:54に尾根にあたる弘法原に到着した。ここは牧場の里あづまの入り口にもなっており、眺めが良い。

f:id:nayutakun:20200621165534j:plain

f:id:nayutakun:20200621165629j:plain

 ここからは尾根に沿った歩きやすい道。アップダウンは少ない。千々和の町から雲仙にかけて広がる山は、400~600mほどの高さであるが、等高線が幾重にも重なる急な傾斜をしている。この傾斜は、千々石町の前方に拡がる橘湾の陥没に伴う断層だとのこと。尾根沿いにあるピークである鉢巻山、九千部岳ともに、南面はスコップで抉られたような形をしている。

f:id:nayutakun:20200621165704j:plain

 杉の植林の中の涼しい道を快調に歩く。ただし弘法原からの尾根伝いの道は眺望はほとんどない。また、距離は5.8kmと比較的長い。

f:id:nayutakun:20200621165810j:plain

 途中で小休止を挟みながら、昼食を摂ろうと考えていた田代原トレイルセンターには13:20に到着した。ここには30台ほどの駐車場と休憩施設がある。また、キャンプ場があり、数家族がオートキャンプを楽しんでいた。ここで昼食を摂って14:00から九千部岳の登山口に向かった。

f:id:nayutakun:20200621165928j:plain

f:id:nayutakun:20200621170038j:plain

 九千部岳は1062mの山で、田代原との高度差は500mほど。ただし、地図では等高線はかなり密になっており、大きな荷物を持っての登山は覚悟が要りそう。案の定、登山道に入ったらすぐに直登のコースとなった。前回の英彦山から使い始めたトレッキングポールを駆使して、汗まみれになりながら先に進む。体中の汗が出るほど歩いたところに立っていた標識には残り1000mの文字が。登山口には頂上まで1800mと書いてあったから、まだ半分も進んでいなかった。

f:id:nayutakun:20200621170125j:plain

 さらに辛抱を重ねて登っていくと、ときおりきれいな橘湾の海が見える。頂上間近ではザックが石の間を通過しないため、石の上に持ち上げてようやく眺望のある山頂付近に到達した。

f:id:nayutakun:20200621170302j:plain

 先に親子連れと思われる5人組が岩の上からの眺めを楽しんでいた。とても気持ちの良い家族で、一緒に岩の上でしばらく眺めを楽しみ、ミカンを頂いた。剥いたミカンの皮を、これは持って帰りますからと言ってくれたのは本当に嬉しかった。こういう心遣いのできる人たちはなかなかいない。

f:id:nayutakun:20200621170332j:plain

 九千部岳ヤマボウシの名所として知られる。頂上から橘湾にかけての斜面には、ヤマボウシの白い葉が緑の山のところどころを点状に染めている。

f:id:nayutakun:20200621170430j:plain 

 この岩からさらに10分ほど進み、九千部岳の本当の頂上に着いたのは15:50。頂上に着いた頃は雲がなくなり、雲仙の山々が見えてきた。ここから下山ルートを20分ほど進み、先ほどの家族とは分岐で別れることとなった。

f:id:nayutakun:20200621171433j:plain

 ここからはアップダウンの少ない低木に囲まれた快適な道を1時間ほど進み、17:02に国道との合流部にたどり着き、17:16に吹越トンネルの入り口に到着した。この頃ようやく普賢岳の山頂を隠していた雲がきれいになくなり、美しい山体が見えてきた。

f:id:nayutakun:20200621171502j:plain

 吹越峠から雲仙の山への道が始まる。少し迷ったが、木々の間から見える橘湾の眺めを楽しみながら30分ほど山道を進んだところで18:05に本日の行動を終えることとした。

f:id:nayutakun:20200621171538j:plain

 f:id:nayutakun:20201224144619j:plain

f:id:nayutakun:20201224144638j:plain

2020年6月20日 九州自然歩道 28日目 長崎県雲仙市千々石町雲仙市吹越峠 曇りのち晴れ 気温24/8℃ 距離13.7km 行動時間8:10 30668歩

往路交通:西新6:08福岡市営地下鉄-博多6:22/6:33JR長崎本線かもめ3号-諫早8:14/8:50島鉄バス-9:29千々石小学校前

九州自然歩道 27日目 見わたす限りのジャガイモ畑の中を歩く 長崎県諫早市碁盤の辻~雲仙市千々石町 2020年3月22日

 テントの外が明るくなってきた。鶯の声が聞こえる。雨の音は聞こえない。時間を見ると5:45。昨日の時点の天気予報では諫早市の6:00の降水確率は80%。神様が願いを聞いてくれたようだ。

f:id:nayutakun:20201107150225j:plain

f:id:nayutakun:20201107150237j:plain

 テントの外に出てみたが、周りの草地も濡れていない。日の出の前ということもあるが、空は真っ黒で今にも雨が降り出しそう。少し早いが、雨が降り出す前に撤収して行動を開始したい。雨でぐっしょりになったテントをバックパックに詰めるのと、乾いたまま撤収を終えるのとでは気分は大違いだ。いつもはコーヒーを飲んでから行動を開始するが、今日はサクサクと撤収作業を進め、6:36に歩き始めた。

f:id:nayutakun:20200322192049j:plain

碁盤の辻からの山道 最高に快適!

f:id:nayutakun:20201107150349j:plain

 昨日の碁盤の辻は眺望を期待していただけにがっかりだったが、ここから土師野尾(はじのお)集落までの下りの山道は快適だった。簡易舗装の山道で、舗装の痛んだところにはきっちりメインテナンスがしてある。ついこの前コンクリートを流したようなところもある。

f:id:nayutakun:20200322192147j:plain

メインテナンスの良い道路がいい!

 7:02に土師野尾の集落に出たが、途中の案内標識がなく、本来のコースよりも集落の奥にあたる少し西のところに出ていた。

f:id:nayutakun:20200322192226j:plain

土師野尾の集落はちょっと奥まったところにあり、伝説の里の風情がある

 缶コーヒーを飲みながら散歩をしていたおじさんから声をかけられ、土師野尾の地名の由来、この集落が守る八天岳の天狗の話などを聞かせてもらう。土師野尾の名は豊臣秀吉が朝鮮の役の際に連れてきた土師、すなわち陶工に由来するとのこと。佐賀にもそんな有名な窯があったが、ここにかつてあった土師野尾焼も半島に由来するよう。100年以上前に土師野尾焼は廃れてしまったとのことであるが、現在も登り窯の跡地は残っているとのこと。

f:id:nayutakun:20200322192357j:plain

日本の田舎はこれ、という感じの風景か

 また、土師野尾集落のシンボルとなっている2つの大鳥居は、八天岳のご神体の岩を守るためのものとのこと。これにまつわる天狗伝説も詳しく聞かせてもらった。

f:id:nayutakun:20200322192500j:plain

村のシンボルの大鳥居 鳥居の向こうに土師野尾焼の窯の跡が残るという

f:id:nayutakun:20200322192608j:plain

右の山が八天岳

f:id:nayutakun:20201107150454j:plain

集落の入口にも鳥居

 土師野尾からはゆっくりとした峠を上り、8:10に山口の集落に到着した。ここは一面のジャガイモ畑。畑にはマルチシートが敷いてあり、畑ごとに収穫時期をずらすためか、成長の具合の違うジャガイモの葉がシートから顔を出していた。

f:id:nayutakun:20200322192656j:plain

マルチシートから葉をのぞかせるジャガイモ

f:id:nayutakun:20200322192755j:plain

植え付けの遅い畑もある

 山口集落のジャガイモ畑は集約化が進んでおり、直線道路を挟んだ両側に、大きな区画の一面のジャガイモ畑が並んでいた。

 ジャガイモ畑の一面に広がった山口、牧野集落を過ぎてから、広い道路から狭い農道に右折、南下して橘湾の見える丘に向かう。右手にはジャガイモ畑の一端に建てられた巨大なJAジャガイモ選果場が周囲を圧倒している。

f:id:nayutakun:20200322192853j:plain

巨大なジャガイモ選果場 ちなみに長崎県のジャガイモ生産量は日本で2位

 ジャガイモ選果場の先は、海沿いの早見の町に下っていく。橘湾が眼下に広がっていき、早見集落を通過する海沿いの道に出て、有喜(うき)漁港には9:57に到着した。

f:id:nayutakun:20201107150559j:plain

見事な一面のジャガイモ畑

f:id:nayutakun:20201107150628j:plain

その先に海が見えてきた

f:id:nayutakun:20200322192947j:plain

橘湾に面した早見の町

 漁港では遊漁船のおじさんとしばらく話す。連休だがいまは釣れる魚があまりいない時期で、お客さんがいなくて暇だとのこと。もうすぐ産卵を控えた鯛がつれ始めるとのこと。

f:id:nayutakun:20200322193132j:plain

有喜漁港

f:id:nayutakun:20201107150818j:plain

 有喜の町で朝食を食べようとGoogle Mapで見つけておいた料理屋を探すが、2軒とも建物自体存在しなかった。仕方なく、200mほど山手に進み、国道251号線沿いのセブンイレブンでコーヒーブレイクとした。セブンイレブンの駐車場内に揚げたてかまぼこの店があったので3品購入して、断りを入れてからイートインで食べさせてもらった。揚げたては美味しい。お腹もくちくなった。ゆっくりしたかったが、コンビニは人の出入りが激しく、ゆっくりはできない。イートインの電源コンセントはテープで封じられている。15分ほど滞在し、10:30に行動を再開した。

 有喜から松重の町を通過し、丘の上から雲仙岳を眺める。ここが次の行程の山場になるが、海抜0mから1000mを超える山に至る縦走路には、山を越えた雲仙の元湯までは補給はなさそう。重い荷物になりそうだ。

 松重までは九州自然歩道の標識を見ながら歩いたが、地図に記載のあるここからから先の九州自然歩道の登り口はない。何度探してもない。無理をするとひどい藪漕ぎになるのが目に見えていたのでここは諦め、しばらく交通量の多い国道251号線を歩き、並行する旧道に移動することとした。しばらく静かな旧道を歩いていたが、その後旧道がなくなり、再び国道を歩くが、この道路は歩道がなく、路側帯もほとんどなく、それでいて交通量が多く、道が狭く、危ない。

f:id:nayutakun:20201107150936j:plain

眺めは良いが交通量が多い

 500mほど国道を我慢して歩いた後、唐比(からこ)湿原に向かう静かな下り坂に入る。ここは交通量がほとんどない。スイッチバックの下り坂の先には湿原が広がっている。

f:id:nayutakun:20200322193253j:plain

坂の向こうには湿原、その向こうには雲仙

 12:15に湿原まで下りてみると、このあたりは牧草地になっており、馬が放牧されている。家族連れが飼育舎のあたりを見学している。周囲が数キロほどもありそうな大きな放牧場で、こころなしか馬が幸せそうに見える。さらに進むと湿原を管理するネイチャーセンターがあるが、営業はしていないよう。

f:id:nayutakun:20200322193340j:plain

湿原の牧草地に立てられた飼育舎

f:id:nayutakun:20200322193418j:plain

見渡す限りの牧草地

f:id:nayutakun:20201107151024j:plain

 地図上ではネイチャーセンターのすぐ先に、唐比温泉があるよう。もし営業していたらぜひ浸かってみたいと寄り道してみたが、ここは見事なまでの廃墟だった。そのかわりに、この海岸からの雲仙岳の眺めは素晴らしかった。

f:id:nayutakun:20200322193455j:plain

唐比温泉の廃墟

f:id:nayutakun:20200322193524j:plain

海岸からの雲仙の眺めは素晴らしい

 海岸沿いに500mほど進んだところにあじ彩という店があったので、ランチとした。地元の方が使う海鮮割烹という感じの佇まい。予約なしで入ることができ、海の見える部屋に通してもらった。おすすめのあじ彩ランチには質・量ともに満足し、14:10までゆっくりとさせてもらった。

f:id:nayutakun:20200322193634j:plain

このお店はおすすめ 眺めも良い

f:id:nayutakun:20200322193754j:plain

料理もよかった

 ここから先は千々石(ちぢわ)の町まで海のすぐ横の、右手からは橘湾に寄せる波しぶきを感じるほどの海沿いのコンクリート舗装の道路が5kmほど続く。正面には雲仙普賢岳が頭を雲に隠して聳え立つ。左には100mほどの絶壁。波の音を聞きながら、アブラナ科ハマダイコンの花に囲まれた最高に気持ちの良い道を、1時間ほどかけて歩くことができた。このコースは死ぬまでに歩きたい道の候補にする予定。

f:id:nayutakun:20200322193931j:plain

唐比から千々石までの海岸沿いの道路は左が絶壁で右が海

f:id:nayutakun:20200322194242j:plain

ここにかつては軽便鉄道がとおっていた 乗りたかった!

f:id:nayutakun:20200322194331j:plain

道路はハマダイコンアブラナの花に囲まれていた

 海岸の石は、雲仙に近づくにつれて、丸みを帯びたものから、黒くゴツゴツした石に変わってきた。それにつれて、波の音も激しい音に変わってきたような気がする。

f:id:nayutakun:20200322194418j:plain

はじめは海岸の石が丸い

f:id:nayutakun:20200322194454j:plain

雲仙に近づくほど石が黒くゴツゴツに

 千々石の町に入ると、海岸沿いには防風林がきれいに整備されていた。この海岸は西に面しているので、とくに冬は強い風波に曝されるからだろう。しかし、この防風林の整備状況がすばらしくきれいで、とても絵になる。

f:id:nayutakun:20200322194603j:plain

千々石の海沿いの町は防風林で守られる

f:id:nayutakun:20200322194657j:plain

防風林の手入れがいい

 15:30に千々石港に至るまで、橘湾の美しい海と雲仙の山並みを楽しみ、千々石の街並みを散策してから、長崎行の急行バスに乗って帰途についた。

f:id:nayutakun:20201107151131j:plain

f:id:nayutakun:20201107151142j:plain

f:id:nayutakun:20200322194736j:plain

次のトレッキングはこの町をスタートして背後の雲仙岳にアタックする

f:id:nayutakun:20201107154146j:plain

f:id:nayutakun:20201107152920j:plain

2020年3月22日 九州自然歩道 27日目 長崎県諫早市碁盤の辻~雲仙市千々石町 曇り 気温18/10℃ 距離25.8km 行動時間9:56 37215歩

復路交通:長崎県営バス雲仙特急 千々石小学校前 16:48-長崎駅前 17:51/JR長崎本線 かもめ38号 18:18-博多20:14/福岡市営地下鉄 20:27-西新 20:40

九州自然歩道 26日目 龍馬の行き来した長崎街道を歩く 長崎県長崎市金毘羅山~諫早市碁盤の辻 2020年3月21日

 今朝はあたりが明るくなってきた6:00に、長崎市街が一望できる金比羅山の山頂で目を覚ました。ちょうど太陽が昇り始めるのを見ながら、撤収作業を進めた。朝日を浴びながらコーヒーを飲んで、7:10に行動を開始した。

f:id:nayutakun:20200321215701j:plain

金比羅山から眺める日の出

f:id:nayutakun:20200321215754j:plain

金比羅山頂コーヒー

 山頂からはよく整備された急な山道を下り、金比羅神社にはおよそ30分で到着した。神社の手前にはキャンプ場のような広場があり、こちらに泊まることもできそう。トイレもある。

f:id:nayutakun:20201106180944j:plain

f:id:nayutakun:20200321215841j:plain

金比羅神社近くの広場

 金比羅神社は立派なお社が立ち並んでおり、お詣りしてから西山集落を目指して進み始めた。しかし、分岐点が見つからず、何度も怪しい地点をうろつくが下り道への入り口がわからない。仕方がないので藪をかき分けて進むと、下りの階段の手すりが白く見えた。今度はその手すりを目印に進み、ようやく分岐点を見つけることができた。

f:id:nayutakun:20200321215943j:plain

金比羅さんのきれいなお社

 ここからは、コンクリートで固められた急な階段を下りて、傾斜地に張り付くようにして家が建てられている西山集落に8:04に到着した。

f:id:nayutakun:20200321220037j:plain

長崎の町はこんなところが多い

f:id:nayutakun:20201106181021j:plain

 ここからは車道を歩き、ダムを通過し、西山水源池に沿って上流に向かって進む。最上流部の木場の集落に到着したところで、ベンチのある公園をみつけ、ここでシリアルの朝食とした。

f:id:nayutakun:20200321220119j:plain

西山水源池のダム

f:id:nayutakun:20200321220149j:plain

公園でシリアルの朝食

 朝食の後は、木場の集落から急な勾配を何度も折り返しながら高度を上げていく。今日は、太陽が上がってくるとかなり暑い。汗をかきながら峠を越え、車道から山道に折れて進んだ。

f:id:nayutakun:20201106181053j:plain

f:id:nayutakun:20200321220237j:plain

集落の勾配も急

 ここからは整備状況の悪い山道となったが、ほどなく9:48に集落に出て、ふたたび舗装路を下り始めた。10:22には田の河内集落のバス停に到着し、ベンチでしばらく休憩した。

 集落から500mほど進むと、中尾ダムに到着した。ダムのたもとには地産品の販売の店があったがとくに興味をひくものはなかった。

f:id:nayutakun:20200321220320j:plain

中尾ダム

 そのまま下流に歩いていくと、東長崎の矢上町の市街地に出た。ここで昼食を摂ることとし、11:40にインド料理の店に入ってゆっくりとランチを楽しんだ。

f:id:nayutakun:20201106181129j:plain

f:id:nayutakun:20200321220353j:plain

下界で食べるランチは贅沢に

 12:20に行動を再開し、ここからは八郎川沿いに進む長崎街道に入った。川沿いの交通量の少ない道路で、時折立ち並ぶ松の並木やお地蔵さんが往時の長崎街道を偲ばせる。

f:id:nayutakun:20201106181159j:plain

f:id:nayutakun:20201106181209j:plain

f:id:nayutakun:20200321220516j:plain

このあたりから長崎街道の標示が目立つ

 13:00に長崎街道沿いの松井麹店に入り、甘酒を頂いた。この甘酒は加熱処理をしていない本物の甘酒で、店舗でしか飲めないとのこと。甘味料は使用していないのにとても甘く、飲みやすい。江戸時代から続く5代目の店主から、糀の蘊蓄をたっぷりと聞かせてもらった。

f:id:nayutakun:20200321220609j:plain

松井麹店 饅頭が人気で何人も買いに来ていたが売り切れ

 さらに川に沿って長崎街道を進む。このあたりは時折、造成された住宅地によって長崎街道が寸断されている。

f:id:nayutakun:20201106181237j:plain

 13:50にセブンイレブンでコーヒーブレイクとした。コーヒーを飲みながら地図をチェックすると、ここから先の長崎街道は山中に進み、補給が期待できそうにない。本日最後の補給のため、晩ご飯の食材を購入して、長崎街道に従って山手に入っていった。

f:id:nayutakun:20200321220739j:plain

山手の街道からは大村湾が見える

 今日は快晴で、歩きはじめると暑い。30分ほど進んだところで、井樋の尾観音があったため、お詣りした。きれいに境内が掃除された観音様で、涼しくて気持ち良さそうなので、観音様の縁側で昼寝をさせてもらった。40分ほどゴロリとしていたところで、近所の方がお詣りに来てその音で目が覚めた。聞けば地元の方々は、毎週この観音堂の清掃をしているとか。なるほどよく手入れがされている。

f:id:nayutakun:20200321220825j:plain

井樋の尾観音で一休み

 長崎街道はここからさらに深い山に入っていく。かつて峠の茶屋があった峠集落を16:09に通過。数軒の家々が散在する花ノ木集落を16:23通過し、ここから険しい山道に入る。

f:id:nayutakun:20200321221013j:plain

さらに長崎街道を進む

 山道の入り口の案内にあった3つの海が一遍に見渡せるという碁盤の辻を目標にして歩きはじめる。ところどころ山道には傷んだところがあったものの、難なく17:10に碁盤の辻に到着。しかし、期待した眺望はまったくなく、がっかりした。

f:id:nayutakun:20201106181318j:plain

 さらに、碁盤の辻から東に分岐する道の入り口がわからない。またもや藪をかき分け、ようやく下りの道を見つけた。しばらく下ったところで快適そうな草地を見つけたので、17:33と若干早いが今日はここで行動終了。10時間も歩くと、疲れる。

f:id:nayutakun:20200321221057j:plain

かつては東西南北に碁盤のように海が見渡せたという碁盤の辻の現在の姿

f:id:nayutakun:20200321221212j:plain

草地の上に寝るとふかふかで気持ちがよい

 現在は雲一つない快晴。天気予報では夜半から雨とのこと。とても雨が降るとは思えない青い空。明日は天気予報が外れますようにと祈りながらテントの設営を行う。

f:id:nayutakun:20201106181350j:plain

f:id:nayutakun:20201106181401j:plain

2020年3月21日 九州自然歩道 26日目 長崎県長崎市金毘羅山~諫早市碁盤の辻 快晴 気温19/13 距離24.3km 行動時間10:31 38116歩

九州自然歩道 25日目 真っ青な空の下の平和の街を歩く 長崎市畝刈町~長崎市金毘羅山 2020年3月20日

 九州自然歩道のトレッキングもいよいよ長崎市内。今回は、長崎市内のホテルに仕事の終わった木曜の夜から前泊し、大浴場でゆっくり手足を伸ばして明日から3日間のトレッキングに備えた。

 金曜の朝は長崎駅前まで歩き、ふだんはまず食べることのない吉野家で朝ご飯の定食をがっつりと食べてから、前回の九州自然歩道からの離脱地点の長崎市畝刈町までバスで向かった。8:12に畝刈のバス停に到着し、少し先のセブンイレブンで昼食用のおにぎり2個とサラダを購入。8:30から歩行を開始した。

f:id:nayutakun:20200320213603j:plain

登山道から眺める畝刈の町

 しばらくは舗装路を進み、2回ほどスイッチバックの後、飯盛岳の登山道に入ると整備状況の悪い山道に変わった。途中で九州自然歩道から400m離れた位置に飯盛岳の246mの山頂へのコースがあったため、とりあえず行ってみたが、まったく眺望はなく、三角点も設置されていないようで、残念ながらわざわざコースを外れてまで行くようなものではなかった。

f:id:nayutakun:20201106173509j:plain

f:id:nayutakun:20201106173518j:plain

 飯盛岳から先の登山道は稜線伝いで、ときどき右手に海が見える好ルート。整備状況も良好で心地よい。しばらく心地よい山道を進むと、牧場の柵が見え、九州自然歩道から100mほど外れたところに矢筈岳の山頂がある。336mの矢筈岳の山頂には10:04に到着。山頂は岩でできており、南方向が開けた絶壁で、眺望は最高に良い。

f:id:nayutakun:20201106173605j:plain

海が見える好ルート

f:id:nayutakun:20201106173637j:plain

f:id:nayutakun:20200320213715j:plain

矢筈岳の山頂から

f:id:nayutakun:20201106173655j:plain

 ここでコンロを出してお湯を沸かし、30分のコーヒーブレイクとした。今日はスターバックスのOrigamiを持参。このコーヒーは香りがよい。

f:id:nayutakun:20200320213746j:plain

今日はスターバックスのOrigami

f:id:nayutakun:20200320213813j:plain

矢筈岳の山頂コーヒー

 コーヒーブレイクの後は、矢筈岳から600mほどの地点の、あぐりの里というテーマパークのような施設に到着。きれいに植え込みが整備されており、家族連れが多数訪れている。羊などの動物もチラホラ。ここを少し見学して先に進むことにした。

f:id:nayutakun:20200320213847j:plain

のんびり過ごせそうなあぐりの里

f:id:nayutakun:20200320213912j:plain

季節の花も植えてあり

f:id:nayutakun:20200320213941j:plain

店舗も入っているよう

f:id:nayutakun:20201106173741j:plain

 あぐりの里から式見ハイツ、現あぐりの里高原ホテルを経由し、舗装路を進み、11:45に式見ダムに到着した。ここはやや小規模な水源ダム。

f:id:nayutakun:20201106173813j:plain

あぐりの森高原ホテル

f:id:nayutakun:20200320214019j:plain

式見ダムの手前の観音岩

f:id:nayutakun:20200320214042j:plain

式見ダムは小規模な水源ダム

 式見ダム湖の西岸を進み、山道に入る分岐点でちょうど12:00となったため、ベンチでコンロの準備を始めた。お湯を沸かし、ふかひれスープを作り、畝刈のセブンイレブンで購入したおにぎり2個と卵サラダの昼食とした。食後にアップルティーでさっぱりした。

f:id:nayutakun:20200320214131j:plain

岩屋山への山道は快適

f:id:nayutakun:20201106173855j:plain

 昼食後は12:32から山登りを開始。ここで、舗装路は終わり、岩屋山までは山道。山頂まで3.5kmの標示。山道の整備状況は良好で、13:41に475mの岩屋山の山頂に到着した。

f:id:nayutakun:20200320214203j:plain

岩屋山の山頂からの眺めは素晴らしい 飛びたくなってしまう

f:id:nayutakun:20201106173920j:plain

 岩屋山は南面が開けており、長崎市街が一望できる素晴らしい眺めの山頂。山頂は10人以上の登山客で賑わっている。ここでは水を飲みながらしばし休憩。その後、下りに入る。岩屋山からの下りルートはかなり急で、少し苦労した。しかし、しばらく下ると快適な稜線の山道に出た。この稜線の山道は整備状況がすばらしく、木洩れ日もちょうどよく、理想的な山道。4kmほど下り、15:06に市街地に出た。

f:id:nayutakun:20200320214313j:plain

岩屋山の山頂でもゆっくり過ごせそう

f:id:nayutakun:20200320214342j:plain

長崎の住宅地は坂坂坂

 降りたところは長崎の市街地の油木町。シンボリックな形をした長崎市科学館、体育館の横を通り、平和公園に向かった。

f:id:nayutakun:20200320214414j:plain

長崎科学館

f:id:nayutakun:20201106174015j:plain

 ここでは原爆落下中心地、平和記念像を見学した後、浦上天主堂を経由して金比羅山の登り口に向かった。

f:id:nayutakun:20200320214449j:plain

長崎市電の平和公園駅を渡り

f:id:nayutakun:20200320214528j:plain

ここが爆心地

f:id:nayutakun:20200320214549j:plain

平和記念像

f:id:nayutakun:20200320214610j:plain

浦上天主堂

 時間は16:00とまだ明るいが、今日はすでに8時間近く歩いているので少しつらくなってきた。金比羅山から先には行けなさそうな気もしてきたので、金比羅山の山道に入る前にローソンでしばしのコーヒーブレイクと晩ご飯のおかずを補給した。

 その後、16:30に金毘羅山の山道を登り始めた。3.4kmの山道に1時間半をかけてゆっくり上り、18:00に金比羅山の366mの山頂に到着した。ここも長崎市街地が一望できる眺めの良いピークで、数名の登山客が夕暮れの長崎の街を眺めていた。

f:id:nayutakun:20200320214646j:plain

金比羅山頂

f:id:nayutakun:20200320214705j:plain

金比羅山頂からの眺めも素晴らしい

 幸い、金比羅山頂には平らなスペースがあったため、なるべく風の当たりにくい方向にテントを張った。

 まだ日が落ちる前だったため、しばらく写真の整理などしてから晩ご飯の準備を開始した。今日の晩ご飯は、白米と鳥の照り焼き、サラダ、豚汁。量はたっぷりで、白米の浸水時間をたっぷりとったため美味しく炊けた。

f:id:nayutakun:20200320214732j:plain

長崎の町の向こうに日が沈む

f:id:nayutakun:20200320214758j:plain

シュラフに入る前に夜景も見ておいた

f:id:nayutakun:20201106174138j:plain

  ご飯の後には、テントを出て長崎の夜景を楽しんでからシュラフに潜り込んだ。

f:id:nayutakun:20201106174157j:plain

f:id:nayutakun:20201106174207j:plain

2020年3月20日 九州自然歩道 25日目 長崎市畝刈町~長崎市金毘羅山 晴れ 気温18/10 距離20.7km 行動時間9:54 38135歩

往路交通:福岡市営地下鉄 西新19:15-天神19:23/西鉄天神高速バスターミナル19:35-長崎駅前21:49(前泊)長崎自動車 長崎駅前7:36-道開 8:12

九州自然歩道 24日目 4日間の西彼杵半島縦走を終える 長崎県長崎市下黒崎町~長崎市畝刈町 2020年3月8日

 夜半から雨は止んで、外は静かだった。6:30になり外が明るくなったのでテントの外に出てみた。野営地は木々に囲まれているためまだ日が差し込んでこないが、晴れている。よかった。

f:id:nayutakun:20201105191858j:plain

雨が止んだ

f:id:nayutakun:20200308143427j:plain

日が差してきたので濡れたものを乾かす

 バックパックにはレインカバーを付けていたが、パッキングされていない持ち物はすべてびしょ濡れだった。テントから荷物を出して、陽のあたるところに並べる。その横でコーヒーを淹れて、パンと一緒に朝食を摂った。テントと上着が乾くのを待って、8:54に行動を開始した。

f:id:nayutakun:20200308143510j:plain

テントも乾かす

f:id:nayutakun:20200308143658j:plain

昨日は暗くてわからなかったがこんなきれいなところに泊まっていた

 ほどなく人家がチラホラ見えてきた。才木の集落だ。地図ではこのあたりに分岐点があるはずだがなかなかわからない。高圧線を目印に進む。

f:id:nayutakun:20200308143750j:plain

最初に歩いたのはときおり普通乗用車が通過する良好に整備された広域農道

 結局、分岐点は見つからず、9:41に1kmほど先の樫の久保で誤ったコースをとっていることが明確になる。地図を見ると、ここから南下すれば九州自然歩道への復帰は容易。このあたりの自然歩道は、軽トラックしか通らない舗装された農道と普通乗用車がまれに通る立派な農道の2種類しかないようなので、迷うことなく進むことができる。

f:id:nayutakun:20200308143934j:plain

こちらの道を進んで九州自然歩道に復帰

f:id:nayutakun:20201105192008j:plain

 たまに軽トラックが通る農道を南に進み10:03に藤の尾で九州自然歩道に復帰した。

f:id:nayutakun:20200308144020j:plain

藤の尾バス停

f:id:nayutakun:20201105192046j:plain

 このあたりには工場も散在しており、自販機もときおり設置してある。町が近づいてきた。

f:id:nayutakun:20200308144058j:plain

山中に現れた浄水施設

 浄水場の横を通り、10:27にさくらの里の運動公園でコーラを飲みながら小休止とした。地図を見ると、ここからは市街地の外周をぐるりと回るコースとなっている。しかし、このあたりには道標はほとんどなく、慎重に地図を確認しながら進む。

f:id:nayutakun:20200308144148j:plain

このあたりはこんな道で分岐点も多いが道標はなし

f:id:nayutakun:20200308144245j:plain

こんな景色のところもあり

f:id:nayutakun:20200308144307j:plain

畑で行き止まりになるところもあり

 何度か人家の庭先で行き止まりになりながらも、11:20に畝刈の市街地に到着した。

f:id:nayutakun:20200308144347j:plain

畝刈の市街地

 まだ時間が早いが、ここから先に進むと途中で山中1泊が要りそうだ。11:27のバスで長崎市街に向かい、久しぶりに美味しいものを食べようと決心した。

f:id:nayutakun:20201105192211j:plain

f:id:nayutakun:20201105192222j:plain

長崎市まで出て、吉宗(よっそう)の茶碗蒸しと蒸寿司のランチにした

f:id:nayutakun:20201105192312j:plain

f:id:nayutakun:20201105192322j:plain

2020年3月8日 九州自然歩道 24日目 長崎県長崎市下黒崎町~長崎市畝刈町 晴れ 17/8 距離9.0km 行動時間2:39 14103歩

復路交通:長崎バス 道開 11:27-長崎駅前 12:05/高速バス 九州号 17:15-西鉄天神高速バスターミナル 19:22/福岡市営地下鉄 天神 19:29-西新19:37

 

九州自然歩道 23日目 神浦の棚田を楽しむ 長崎県西海市大瀬戸町つがね落としの滝~長崎市下黒崎町 2020年3月7日

 今日は滝の音を聞きながら目を覚ました。水の落ちる響きを楽しみながらコーヒーを淹れ、8:03にスタートした。

f:id:nayutakun:20201105185540j:plain

滝の横のキャンプサイトにテントを設営

 つがね落としの滝の側道から九州自然歩道に復帰し、舗装路の上り坂をしばらく歩く。小雨がぱらついてきた。8:53に県民の森西ゲートに到着したときには本格的に降り出してきたため、レインパンツをはき、バックパックにはレインカバーを装着した。

f:id:nayutakun:20200308133040j:plain

まずは快適な舗装路から

f:id:nayutakun:20200308133130j:plain

長崎県民の森西ゲートに到着

 県民の森は岩背戸渓谷に沿って遊歩道がつけてあり、とても景色がよい。しばらく渓谷を楽しみながら進む。ストックを持った早朝ウォーキングの男女にすれ違う。

f:id:nayutakun:20200308133321j:plain

岩背戸渓谷に沿った遊歩道

f:id:nayutakun:20200308133407j:plain

岩魚が潜んでいそうな

f:id:nayutakun:20201105185652j:plain

川に沿って歩く

 9:26に県民の森のこまどりの橋に到着し、ここから右折して山道に入る。これまでの心地よい舗装路から、急な傾斜の山道に変わる。このまま県民の森の気持ちの良い舗装路を迂回するコース設定をしてくれてもいいのに、九州自然歩道の設置担当者はよりハードな道を選択する傾向がある。

f:id:nayutakun:20200308133534j:plain

重たい荷物を担いでいると、せっかくきれいな渓谷に沿った道があるのに、こっちに行かせるのかよと文句も言いたくなる

 長崎県民の森の部内の名称では健脚コースと名付けられた道のりを歩き、10:22に県民の森キャンプ場の管理棟に到着した。ここはキャンプ場の受付であるが、本日は泊り客は1人もいないとのこと。午後3時に次の客が来るまでは暇だからゆっくりしてくださいということで、ストーブで身体を温めながらシリアルの朝食とする。雨が大粒に変わり、野外作業をしていたと思われる男性たちも次々と管理棟に戻ってくる。

f:id:nayutakun:20200308133724j:plain

長崎県民の森キャンプ場のエントランス

 戻ってきた男性から、通り道近くにある笹野食堂について尋ねると、予約制だから電話をかけてみたらよいとのことで電話を掛けるが、あいにく満席だとのこと。残念。管理棟では11:43までゆっくりした後、大粒の雨の中を再スタートした。

f:id:nayutakun:20200308133901j:plain

県民の森を出るとすぐに御用堤が現れる

f:id:nayutakun:20201105185744j:plain

雨が強く降っている

 御用堤の横を通り過ぎ、琴平神社の境内に到着した。それほど大きくない神社だが、鳥居をくぐって石段を下りていくと、ずーっと長い石段が続いていく。千段近い階段ではなかったかと思う。一番下の鳥居をくぐり、12:32にようやく神浦ダムに向かう長い下り道に合流した。

f:id:nayutakun:20200308133957j:plain

琴平神社

f:id:nayutakun:20200308134040j:plain

神社からの長い石段

f:id:nayutakun:20200308134109j:plain

まだまだ続く石段

f:id:nayutakun:20200308134137j:plain

下の鳥居に至るまでが長いこと

 ここからは、神浦ダムダム湖を木々の向こうにちらちらと見ながら先に進み、13:20に神浦ダムと神浦市街地との分岐点に到着した。このまま進んでもこの先に補給はなさそう。しかし、神浦の市街までは4km以上あり、山のふもとの海岸べりに家々が並ぶのが見える。とても迷ったが、4km下って、食料品を調達することとした。14:00に神浦市街地に到着し、食料品を買い、14:30に再び山上に向かって歩きはじめた。雨は再び大粒に変わってきた。

f:id:nayutakun:20200308134225j:plain

遥か下に見える神浦の町

f:id:nayutakun:20200308134308j:plain

この町で食料を調達

 15:20に分岐点に戻り着いた。九州自然歩道の本線に復帰し、15:40に神浦ダムに到着した。ここで小休止した後、ダム湖沿いに進んだ。

f:id:nayutakun:20201105185936j:plain

途中の棚田は見事

f:id:nayutakun:20201105185958j:plain

f:id:nayutakun:20200308134407j:plain

神浦ダム

f:id:nayutakun:20200308134459j:plain

ダム湖に沿って上流に進む このときは土砂降り

 16:26にダム湖の最上流部に到達し、ここから右に折れ、舗装された山道に入った。17:00に峠に到着し、牧場を通過した。

f:id:nayutakun:20201105190039j:plain

f:id:nayutakun:20200308134555j:plain

放牧中の牛がわざわざ挨拶に来てくれた

f:id:nayutakun:20200308134658j:plain

雨に煙る山並み 写真で見ると荘厳にも感じるが、土砂降りの中を一人で彷徨っていると心細いことこの上ない

f:id:nayutakun:20201105190123j:plain

 17:40林道から自動車の往来のある舗装路に出た。次第にあたりは暗くなってきた。少し小雨になったところで、道路わきにスペースを見つけ、18:00にテントの設営を開始した。

f:id:nayutakun:20201105190147j:plain

 設営を開始するのと同時に、再び大粒の雨が降り出し、装備は雨でぐちゃぐちゃに濡れてしまった。GPSで確認すると、本日の野営地は長崎市下黒崎町の山中で標高257m。とうとう長崎市内に入った。長崎は今日は雨だった。

f:id:nayutakun:20201105190208j:plain

f:id:nayutakun:20201105190222j:plain

2020年3月7日 九州自然歩道 23日目 長崎県西海市大瀬戸町つがね落としの滝~長崎市下黒崎町 雨 12/3 距離27.3km 行動時間10:47 42421歩