九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 104日目 集合場所に行ってきたよ! 宮崎県西臼杵郡日之影町 日之影温泉駅~天岩戸~西臼杵郡高千穂町 高千穂ユースホステル 2021年5月15日

 今週の九州自然歩道トレッキングも、金曜日の夜に前泊した宮崎県日之影町日之影温泉駅TR列車の宿からのスタート。5:15に起床して、コーヒーを飲んでから、小雨の中を6:00に行動開始。200mほど進んでから、コーヒーカップを洗面台に置き忘れたのに気がついて走って取りに行ってきた。まったく、朝は頭がボーッとしている。

f:id:nayutakun:20210520155244j:plain

高千穂線の駅名標が残る

f:id:nayutakun:20210520155318j:plain

かつて高千穂線で使用されていた車両がホテルとして使われている

f:id:nayutakun:20210520155409j:plain

高千穂線は日之影温泉駅を出るとすぐにトンネルの中に進んでいた

 気を取り直して県道6号日之影宇目線を上って青雲橋に向かう。トンネルを出てトンネルに入っていく高千穂線の鉄橋をくぐる。2005年に台風の影響を受けて廃線になってしまった高千穂鉄道だが、まったくすごいところを走っていた鉄道だ。いまさら後悔しても始まらないが、自分が九州に来たときには、まだ現役で走っていたのに、乗っていないのが残念無念。高千穂線と同様に、昨年、人吉辺りを歩いていたときに乗る予定だった絶景で知られる肥薩線の八代-吉松間も、直前の水害による被災のために乗っていない。いつでも乗れると思い込んでいたからだ。テツの諸兄からしたら、なんと馬鹿なことをと怒られてしまいそうだ。自分の周囲には鉄分の多い人間がいなかったのだ。テツの方から急いでこれだけは乗っておけとアドバイスを頂いたら、今後はなるべく素直に従っておこうと思う。

f:id:nayutakun:20210520155627j:plain

五ヶ瀬川に沿って並ぶ日之影の街並み

f:id:nayutakun:20210520155715j:plain

町から150mほど標高の高いところにある青雲橋を目指す

f:id:nayutakun:20210520155851j:plain

15%の勾配の道を折り返しながら進む

 青雲橋には6:43に到着。橋のたもとには道の駅があるが、まだ開店前。ここからは、しばらく交通量の多い国道218号線の歩道を歩く。

f:id:nayutakun:20210520155945j:plain

ようやく青雲橋に到着

f:id:nayutakun:20210520160012j:plain

しばらく国道218号線を進む

f:id:nayutakun:20210520160108j:plain

町は遙か下に

 7:17に波瀬集落まで来たところで雨が強くなってきた。バス停の屋根の下で雨具の上のみ装着して、ふたたび歩き始めた。

f:id:nayutakun:20210520160205j:plain

景色を楽しみながら進む

f:id:nayutakun:20210520160229j:plain

雨が強くなってきた

f:id:nayutakun:20210520160308j:plain

雨の山も美しい

 7:27に国道沿いのファミリーマートに立ち寄り、朝食用のサンドイッチと昼食用のおにぎりを購入。店の前にザックを下ろして、カフェラテとサンドイッチの朝食とした。

 7:43に行動を再開し、100mほど先から国道218号線から右折して上野峠に向かう。しばらくは集落の中の舗装路を歩き、平底、一の水を通過する。

f:id:nayutakun:20210520160349j:plain

この標識で国道218号線を離れる

f:id:nayutakun:20210520160427j:plain

しばらくは集落の道を進む

f:id:nayutakun:20210520160447j:plain

 8:10に上野峠と七折鍾乳洞との分岐に着いた。ここからは人家のない林道に入る。峠越えには悪路があるとの情報があり、また雨も強くなってきたので、ここで雨具のズボンも装着。靴下にはヒルの忌避剤も丁寧に塗布した。

f:id:nayutakun:20210520160530j:plain

七折鍾乳洞との分岐点から左の上野峠に向かう山道に進む

 傾斜の急な舗装林道を上り始めた。すぐに動物避けの柵が現れたが、ここを通過してさらに勾配の強い林道を上る。途中から舗装路から非舗装路に変わるころには、標高は500mほどだったが、雲の中に入ったようで、周りの視界は悪くなる。

f:id:nayutakun:20210520160649j:plain

すぐに柵に突き当たるがここは通過できる

f:id:nayutakun:20210520160738j:plain

しばらくは舗装路を進む

f:id:nayutakun:20210520160756j:plain

舗装は途切れるが、歩きやすい道は続く

f:id:nayutakun:20210520160825j:plain

標高500mほどで雲の中に入ったようだ

 8:51には車の轍の付いた林道は終点となり、ここからは細い徒歩道となる。しだいに踏み跡は不鮮明となり、油断するとずり落ちてしまいそうなガレ場を500mほど歩いた。15分ほど歩いたところで再び林道が現れ、9:10に上野峠九州自然歩道の案内板に到着した。

f:id:nayutakun:20210520160918j:plain

林道が終点になったところから、折り返すように徒歩道を上りはじめる

f:id:nayutakun:20210520161016j:plain

最初は踏み跡が確認できたが

f:id:nayutakun:20210520161038j:plain

ガレ場になると踏み跡は不鮮明になる

f:id:nayutakun:20210520161142j:plain

荒れたところでは道を見失いやすい

f:id:nayutakun:20210520161204j:plain

500mほどで前が開けて林道に出る

f:id:nayutakun:20210520161239j:plain

峠に到着

f:id:nayutakun:20210520161255j:plain

峠には九州自然歩道の案内板が設置してある

 峠から先は歩きやすい林道だった。しばらく林道を下ると、下の方に集落が見えてきた。9:50に自動車の通行のある舗装路との交差を横断し、さらに圃場の中の道を進んで、10:00に野方野集落に到着した。このあたりで雨が強くなり、道路沿いの尾の上大師堂でしばらく雨宿りした。太師堂の小屋の中には四国八十八カ所の幟が置いてある。

f:id:nayutakun:20210520161429j:plain

野峠から先はすぐに歩きやすい道になる

f:id:nayutakun:20210520161459j:plain

f:id:nayutakun:20210520161514j:plain

自動車の通行する舗装路を越える

f:id:nayutakun:20210520161535j:plain

舗装された道を下っていくと野方野の集落に到る

 10:13に行動を再開し、すぐに高千穂と天岩戸(あまのいわと)との分岐に到着した。ここから天岩戸に向かって右折したところで、ちょうど男性たちが捕獲したイノシシを処理しているところに出くわした。許可をもらって作業を見学させてもらった。今朝、罠で捕獲したばかりの個体だとのこと。4人の男性が皮を剥ぎ、内臓を取り出し、肉を小分けにしている。手慣れた様子だった。今日はこれを焼き肉にするとのこと。美味しそうだった。

f:id:nayutakun:20210520161634j:plain

九州自然歩道本線は野方野から左折して高千穂方面に向かうが、今回は右折して天岩戸(支線か?)に立ち寄る

f:id:nayutakun:20210520161734j:plain

野方野ボーイズがイノシシを解体するところを見学

f:id:nayutakun:20210520161815j:plain

野方野ボーイズの作業光景は楽しそうだった

f:id:nayutakun:20210520161903j:plain

集落を北に進む

 野方野から舗装路を北に進む。10:31に立石の交差点を左折。坂を下った先の亀山城橋で岩戸川を越えた。橋の上から下に流れる川が見えないほど深く鋭角なV字谷だ。岩戸川の上流部分には天の岩戸がある。

f:id:nayutakun:20210520161943j:plain

野方野の北の立石から左折する

f:id:nayutakun:20210520162018j:plain

亀山城橋で岩戸川を越える

f:id:nayutakun:20210520162052j:plain

展開角が30°もないような深いV字谷

 10:47にこの先の大野原交差点で県道と合流。交差点には農産物の直売所があったが、これといって気になる商品は見つからなかった。ここからは県道を北に進む。右手に「日向の黒馬」のコマーシャルで知られる神楽酒造。さらに進むと天岩戸交差点に到着。交差点の正面には交番があったが、ここも神社風。

f:id:nayutakun:20210520162213j:plain

県道を進むと右手に神楽酒造

f:id:nayutakun:20210520162236j:plain

交番も神社風

 11:09に天岩戸神社の鳥居前に到着した。雨がかなり強くなってきた。今日はちらほらと参拝客がいる程度。まずは西本宮に参拝。掲示を見ると、11:30から天岩戸のご神体を遙拝できるとのこと。しばらく集合地点で待っていると、若い神職の方が来て神社の後方の遙拝所に案内してくれた。ご神体の天岩戸は岩戸川を挟んだ向こう岸。千年以上前は洞窟だったらしいが、その後に風化が進み、崩れているとのこと。一帯は禁足地で、直接は見えないが、雰囲気は分かった。写真は不可。

f:id:nayutakun:20210520162326j:plain

天岩戸神社の鳥居

f:id:nayutakun:20210520162402j:plain

まずは本殿に参拝

f:id:nayutakun:20210520162423j:plain

隣の神楽殿

 天岩戸を遙拝した後は、天岩戸に隠れてしまった天照大神を表に出すために神々が合議を行ったとされる天安河原(あまのやすがわら)まで行ってみることにした。西本宮から500mほど上流にある。西本宮の境内からいったん舗装路に出て、天安河原の看板から舗装路を川べりまで下りていく。岩戸川の河原に整備されたコンクリート路を上流に進み、切り立った崖を左に曲がるとポッカリと口を開けた洞穴が目の前に現れた。中には鳥居と小さな祠が見える。洞窟の中には小さなケルンが多数作られている。なんとなく効き目がありそうなので、自分もケルンの一つに石を置いてみようと、河原で小石を探した。ところが、みんな川から石を探すからだろう。手の届くようなところには石がない。やむなく飛び石伝いに上流に進み、川の中に手を突っ込んで、ようやく一つだけ石を手に入れた。鳥居の近くのケルンのうえに石を置き、願をかけておいた。

f:id:nayutakun:20210520162527j:plain

天岩戸神社本殿からしばらく北に進むと天安河原への道に出る

f:id:nayutakun:20210520162629j:plain

橋も架けてある

f:id:nayutakun:20210520162712j:plain

岩戸川の上流に進む

f:id:nayutakun:20210520162743j:plain

その先にぽっかりと口を開けているのが天安河原

f:id:nayutakun:20210520162856j:plain

周囲にはケルンがたくさん積んである

f:id:nayutakun:20210520162930j:plain

かなり上流までケルンが積んであるので、新しい石を見つけるのが難しい

 12:00には天安河原から引き返し、12:11に参道の小洒落たカフェに席を取り、ランチとした。ベランダにはペチュニアのハンギングがセンスよくぶら下げてある。昼食には牛肉麺を頂き、しばらく休憩した。

f:id:nayutakun:20210520163041j:plain

カフェのベランダでランチ休憩

f:id:nayutakun:20210520163107j:plain

牛肉麺は可もなく不可もなく

 雨はなかなか弱くならない。しかたなくびしょ濡れの雨具を再び装着し、12:43に折り返しの道を歩き始めた。

 天岩戸神社の表参道を歩いていると、面白い古本屋を見つけた。無人の古本屋で、棚の本にはコメントが書いてあるカードが挟んである。気に入ったらガチャガチャで支払えと。そこまでは普通なのだが、よかったら自分の本を持ってきて、コメントを書いたカードを挟んで棚に入れておけと。こうすれば、人から人に気に入った本が手渡しでき、店主は場所代としてガチャガチャを購入してもらうということになる。注文の多い料理店のようだが、自分も気に入った本を勝手に人に渡す性格なので、こんなわがままな本屋が近くにあったら役に立つ。

f:id:nayutakun:20210520163225j:plain

天岩戸神社の表参道で見つけた古本屋

f:id:nayutakun:20210520163253j:plain

f:id:nayutakun:20210520163305j:plain

まだ本の数は少なく、注文は多いが、ユニークな試みだ

 本屋を出て天の岩戸橋を渡り、天岩戸東本宮にも参拝。こちらは神職の方の説明では、天照大神が岩戸を出て最初に居を構えた地とのこと。社殿は質素なのだが、境内にはピンと張り詰めた雰囲気が漂う。

f:id:nayutakun:20210520163443j:plain

天の岩戸橋を渡る

f:id:nayutakun:20210520163521j:plain

東本宮にはピンと緊張感が漂う

f:id:nayutakun:20210520163558j:plain

天岩戸は深い谷の向こうの禁足地

 野方野から歩いてきた舗装路を戻る。13:45には、あまりに雨が強いため、途中の立石集落の大師堂で雨宿りをさせて頂いた。このあたりは集落ごとに太師堂があり、いずれも室内がきれいに清掃されている。

f:id:nayutakun:20210520163647j:plain

立石集落の太師堂で雨宿り

f:id:nayutakun:20210520163708j:plain

中は清潔・快適

 小雨になったのを見計らって、14:20に行動再開。高千穂のあたりでは田植えの時期は標準的なようで、まだ田んぼに苗は植えられていない。雨の中で、棚田の緑が映えている。

f:id:nayutakun:20210520163811j:plain

高千穂ではまだ田植えが始まっていない

 野方野集落を通過し、14:26に県道204号線に合流した。ここからは岩戸川の南岸を高千穂に向かって歩く。途中で高千穂鉄道の鉄橋が見えてきた。美しい橋だ。

f:id:nayutakun:20210520163948j:plain

圃場の美しい集落を進む

f:id:nayutakun:20210520164008j:plain

集落の下の方にはかつて鉄道の走っていた高千穂鉄橋が見えてきた

 15:15に県道204号線から北に曲がり、雲海橋を渡る。川の水面までは100m以上ある。本当に深い谷間だ。こんなところまで太古の人がどうやって到達したのか、不思議でならない。

f:id:nayutakun:20210520164425j:plain

県道204号線から国道218号線雲海橋に曲がる

f:id:nayutakun:20210520164522j:plain

f:id:nayutakun:20210520164541j:plain

この深い谷を古代の人は上ってきたんだなと

f:id:nayutakun:20210520164628j:plain

雲海橋を渡ると、日之影から高千穂に入る

 15:50に木立に囲まれた高千穂ユースホステルに到着した。ここで本日は行動終了。親切なホストの女性に迎えられ、すぐにお風呂に入って、雨で冷えた身体を温めることにした。

f:id:nayutakun:20210520164710j:plain

高千穂ユースホステルに到着

f:id:nayutakun:20210520164742j:plain

f:id:nayutakun:20210520164802j:plain

2021年5月15日 九州自然歩道 104日目 宮崎県西臼杵郡日之影町 日之影温泉駅~天岩戸~西臼杵郡高千穂町 高千穂ユースホステル 雨 22/18℃ 行動時間9:57 行動距離27.0km 41594歩

九州自然歩道 103日目 トロッコ道が好きだ! 宮崎県延岡市北方町上中尾~西臼杵郡日之影町日之影温泉駅 2021年5月9日

 今朝は延岡市の山中に設営したテントの中で5:00に目を覚ました。昨夜から風が強くなり、周囲の木々が風を受けてうなり、テントのフレームがしなっていた。天気予報では延岡市の風は3mとなっているが、標高700mほどの稜線にテントを張っているので、風の影響を受けやすい。

f:id:nayutakun:20210511150940j:plain

 そのかわりに得られるのが朝の絶景。日の出前の紫がかった空に照らし出される新緑と、山の端から少しずつ顔を出す太陽を見ることができる。これは野営でないと見ることが難しい光景。

f:id:nayutakun:20210511151019j:plain

 風に飛ばされないように気をつけてテントの撤収を終えて、5:40から行動を開始した。最初は幅4mの高規格の林道を快適に進む。このあたりは非舗装だが状態は良好。

f:id:nayutakun:20210511151139j:plain

快適な林道歩き

 6:18に茶臼山付近の舗装路に合流した。ここは林道石橋山線という高規格舗装林道で、ゆっくりとしたアップダウンがある。6:35に標高862mの峠を越えた後も、800m前後の稜線に近い快適な林道を歩く。自動車の交通はない。視界の開けたところからは、どこまでも九州山地の山々が続いている。たぶん、半径5km以内にいる人間は自分だけだろうと思う。なんとなく嬉しいような、寂しいような。

f:id:nayutakun:20210511151242j:plain

茶臼山(714m)付近で林道石橋山線に合流

f:id:nayutakun:20210511151405j:plain

「半径5kmに自分だけ」の気分を味わえる光景

 舗装路の脇に九州自然歩道の標識が現れた。いま現在歩いている舗装された林道は、古くからある山道を横断する形で作られているよう。地図を見ると、稜線に沿うように引かれた九州自然歩道の徒歩道の破線を、蛇行する二重線の1車線の道路が何度も横切っているのが分かる。

f:id:nayutakun:20210511151523j:plain

標識があらわれた

 7:11に3つ目の九州自然歩道の標識から、舗装路を離れて山道に入った。この山道には踏み跡はあまり記されていないが、廃道とまではなっていない。年に1回ぐらい、地元の方が整備をしてくれているかもぐらいの荒れ方。20分ほど木々に囲まれた山道を歩き、7:34に前方の視界が開け、コンクリート舗装された林道に戻った。

f:id:nayutakun:20210511151616j:plain

ここから山道に進んだ

f:id:nayutakun:20210511151641j:plain

このぐらいの山道

f:id:nayutakun:20210511151718j:plain

定期的にメインテナンスしてあるようだ

f:id:nayutakun:20210511151754j:plain

30分ほどで前方が開ける

f:id:nayutakun:20210511151814j:plain

コンクリート舗装の林道に合流する

 林道が右に曲がるカーブの入り口にきれいな沢が流れていた。ここで洗顔をし、昨夜使った食器を洗った。昨夜のラーメンの匂いがいくらか軽減したクッカーでお湯を沸かし、山コーヒーとした。

f:id:nayutakun:20210511151903j:plain

お湯を沸かして

f:id:nayutakun:20210511151920j:plain

山コーヒー

 香りの高いコーヒーで一服の後、8:12に行動再開した。ここから先は川沿いの良道。こういう道を歩いているときが、低山トレッキングで一番楽しい時間。

f:id:nayutakun:20210511152005j:plain

林道歩き再開

f:id:nayutakun:20210511152026j:plain

理想的な山道

f:id:nayutakun:20210511152050j:plain

うっとりするほど心地よく歩く

f:id:nayutakun:20210511152124j:plain

だんだん高度が下がってきた

 8:43にはふるさと林道下鹿川線に入り、段々畑が見えてきた。下の方には八幡森集落が見えてきた。9:00に下鹿川小学校の跡地に到着し、ここで小休止とした。ここまで3時間以上何も食べずに歩いていたため、お腹が空いてきた。ここでフリーズドライのかに雑炊に先ほど沸かしたお湯を注いで朝食とした。なかなか美味だった。

f:id:nayutakun:20210511152203j:plain

段々畑が見えてきた

f:id:nayutakun:20210511152226j:plain

下鹿川の集落

f:id:nayutakun:20210511152313j:plain

小学校跡地で休憩

f:id:nayutakun:20210511152331j:plain

朝食にかに雑炊

f:id:nayutakun:20210511152406j:plain

集落の干支はサル

 朝食を済ませて9:10に行動を再開した。集落を通り過ぎて橋を渡る。200mほど進んだところに自販機が設置してあったため、ここで飲料水を2本購入。自販機のところから舗装路と分かれて、矢筈岳トロッコ道に入る。

f:id:nayutakun:20210511152702j:plain

網の瀬川に架かる中川橋を渡る

f:id:nayutakun:20210511152750j:plain

下流には丹助岳の尖った岩の山頂が見える

f:id:nayutakun:20210511152846j:plain

川の北岸に沿ったトロッコ道に入る

 トロッコ道の看板を過ぎて300mほどは舗装路だったが、次いで非舗装路となりトロッコ道らしくなってきた。左には川が流れ、せせらぎの音が聞こえてくる。道幅はおよそ2mで路盤は堅固。勾配は緩やかで整備状況は極上。地域の方たちが、このトロッコ道をとても大切にしているのが伝わる。このまま1日中歩き続けてもいいやと思えるほど心地よく、歩きやすい。

f:id:nayutakun:20210511152958j:plain

幅2mほどのトロッコ

f:id:nayutakun:20210511153024j:plain

 前方に橋が見えてきた。鉄製の橋で、おそらくトロッコが走っていたのだろう。材木を2mほどの高さに積み上げた6両連結のトロッコが、時速5kmほどでコトコト音を立てて橋の向こうの木々の中から現れてくるような気がする。あー、たまらん。この橋を渡るトロッコが見てみたかった。

f:id:nayutakun:20210511153044j:plain

ロッコ用の鉄橋か

f:id:nayutakun:20210511153106j:plain

保存状態も良好

 9:47にトンネルが現れた。花崗岩をくりぬいたトンネルで長さは50mほど。手堀り感がある。ライトをザックから出さずに進んだが、前方が明るいためなんとか進むことができる。天井からポチャリと水が落ちてくる。

 ここもいい。妄想が爆発する。軌間700mmぐらいのトロッコをここに走らせてくれたら、乗りに来よう。たぶん、ここを走るトロッコを見たら、日本国民の85%ぐらいが乗ってみたいと感じると思う。日之影町の皆さん、矢筈岳トロッコ復活クラウドファンディングはじめたら支援させて頂きます。

f:id:nayutakun:20210511153131j:plain

トンネルが現れた

f:id:nayutakun:20210511153150j:plain

手堀のトンネルのよう

f:id:nayutakun:20210511153216j:plain

 トンネルの先も快適なトロッコ道を楽しみながら歩く。10:02には川までの視界の開けた休憩所に到着した。ここにはトイレ、水場、芝生、ベンチが設置してあり快適。何よりここからは左に比叡山、川を挟んで右に矢筈岳という、山容の優れた山が正面に見えるのが良い。ここではザックを下ろしてベンチに座り、しばらく休憩とした。今回はコースに含まれていないが、比叡山と矢筈岳にもいつか登ってみたい。

f:id:nayutakun:20210511153248j:plain

f:id:nayutakun:20210511153259j:plain

ほどなく休憩所

f:id:nayutakun:20210511153322j:plain

左に比叡山(760m)、右に矢筈岳(666m)

 休憩所からもしばらくトロッコ道を進む。10:16に九州自然歩道の丹助岳分岐が現れ、ここを右折して泣く泣くトロッコ道を離れることにした。今度ここに来るときは、トロッコ道を端から端まで歩いたうえで、比叡山と矢筈岳に登ろうと決心した。

f:id:nayutakun:20210511153441j:plain

まだまだ続くトロッコ

f:id:nayutakun:20210511153510j:plain

f:id:nayutakun:20210511153521j:plain

f:id:nayutakun:20210511153538j:plain

この標識からトロッコ道を離れて右折

 丹助岳を指し示す九州自然歩道の標識があまりにボロボロなので、行く末が心配だったが、歩き始めた山道は比較的整備状況が良好で安心した。しばらくは沢沿いに歩き、終盤に谷間に出たところで、鹿避けのネットに行く手を阻まれてコースが不明になる部分があったが、その後はまたしっかり整備された木道が現れ、10:56に普通林道丹助線と合流して小休止とした。

f:id:nayutakun:20210511153618j:plain

丹助岳にはこんな山道

f:id:nayutakun:20210511153640j:plain

ときどきコースが分かりにくい

f:id:nayutakun:20210511153728j:plain

f:id:nayutakun:20210511153800j:plain

f:id:nayutakun:20210511153816j:plain

最後は木道が整備されている

f:id:nayutakun:20210511153835j:plain

舗装路に出る

 10分ほど休憩して行動再開。11:21に地図にはない舗装路に出た。舗装路を道なりに進むと、九州自然歩道の標識が出てきた。このあたりは新しくできた林道に、九州自然歩道が付け替えられているようだ。

f:id:nayutakun:20210511153952j:plain

地図にはない林道に出る

f:id:nayutakun:20210511154015j:plain

九州自然歩道で間違いないよう

f:id:nayutakun:20210511154051j:plain

 最後に舗装路を離れて200mほど山道を登り、11:30に丹助小屋に到着した。小屋の周囲には芝生が植えられており、小屋の中は30畳ほどの木張りの床。入り口近くに囲炉裏場もある。ここで小休止し、荷物を置かせてもらって11:45から空荷で丹助岳への登山を開始した。

f:id:nayutakun:20210511154117j:plain

最後に少し山道歩き

f:id:nayutakun:20210511154137j:plain

丹助広場の丹助小屋

f:id:nayutakun:20210511154156j:plain

小屋の中は清潔

 よく整備された登山道を上り、12:05に丹助岳(816m)の頂上に到着。360°グルリと素晴らしい眺望の山頂。

f:id:nayutakun:20210511154227j:plain

小屋の後ろに丹助岳への登り口

f:id:nayutakun:20210511154252j:plain

登山道も整備状況良好

f:id:nayutakun:20210511154322j:plain

ほんの少しだけロープと鎖

f:id:nayutakun:20210511154356j:plain

丹助岳頂上(815m)に到着

f:id:nayutakun:20210511154525j:plain

眺めは最高 北西には戸川岳(955m)

f:id:nayutakun:20210511154807j:plain

西を見ると、天狗岩の向こうに高城山(901m)、奥には諸塚山(1342m)

f:id:nayutakun:20210511155007j:plain

北の正面には釣鐘山(1396m)、左奥にうっすらと祖母山(1756m)、右奥には傾山(1605m)

 眺望を堪能した後、帰り道の途中にあった天狗岩に登ってみた。少し傾斜の急な岩場があるが、ロープが設置してあるので問題なく登ることができる。天狗岩から見える丹助岳の頂がまた素晴らしい。

f:id:nayutakun:20210511155544j:plain

天狗岩に登ってみた

f:id:nayutakun:20210511155613j:plain

天狗岩から見た丹助岳が一番見事

 のんびりと下って丹助小屋まで戻ると、男性二人がロープワークの練習をしている。隣のベンチに腰掛けて水分補給していると、地元の方とのことでいろいろ話が弾む。一人の方は、現在は福岡で働いているとのことで、自動車は福岡ナンバー。下まで送りましょうかと誘ってくれたが、丁寧にお断りして13:03に行動再開し、麓の日之影町の市街地まで残り9kmほどを歩き始めた。

f:id:nayutakun:20210511155809j:plain

丹助広場には広い芝生とベンチなど

 丹助小屋からは舗装された林道が続く。程良く植林があり、歩きやすい。視界が開けたところからは市街地がチラリと見えるが、ずいぶん下の方にある。地図を見ると標高差が400mほどありそうだ。

f:id:nayutakun:20210511155848j:plain

林道を歩いて日之影町の市街地に向かう

f:id:nayutakun:20210511155912j:plain

はるか谷の底に家並みが見える

f:id:nayutakun:20210511155950j:plain

林道が6kmほど続く

f:id:nayutakun:20210511160034j:plain

棚田が見えてきた

 14:10に国道218号線と合流した。ここは昨日、バスに乗るために山を登ってきたところ。上顔橋の袂から橋の下の一般道に下りて進んだが、あとで標識を確認すると、九州自然歩道の本来のコースは橋を渡ってから右に曲がれば良かったよう。

f:id:nayutakun:20210511160102j:plain

国道218号線と合流

f:id:nayutakun:20210511160131j:plain

九州自然歩道は上顔橋を渡ればよい

f:id:nayutakun:20210511160235j:plain

橋の下をくぐって市街地に向かう

f:id:nayutakun:20210511160258j:plain

町まで2kmほど下る

 上顔橋を通り過ぎると日之影温泉の市街地が見えてきた。2回ほどスイッチバックを行い、高度を下げて川べりまで出た。五ヶ瀬川は水量が豊富で、流れが澄んでいる。100mほど下流に進むと、昨日泊まった列車の宿が見えてきた。これを見ると、なぜ高千穂線に乗ってみようと努力しなかったのか悔やんでも悔やみきれない。

f:id:nayutakun:20210511160353j:plain

日之影の市街地を分ける五ヶ瀬川

f:id:nayutakun:20210511160428j:plain

美しい清流

f:id:nayutakun:20210511160447j:plain

列車の宿に到着

 14:47に日之影温泉に到着し、温泉に浸かって本日の行動を終了することにした。

f:id:nayutakun:20210511160514j:plain

温泉で汗を流して行動終了

f:id:nayutakun:20210511160549j:plain

遅めの昼食はチキン南蛮

f:id:nayutakun:20210511160644j:plain

市街地から見る国道218号線の青雲橋

f:id:nayutakun:20210511160713j:plain

青雲橋の下には高千穂鉄道の鉄橋が今なお残る

f:id:nayutakun:20210511160756j:plain

帰りのバスは青雲橋バス停から

f:id:nayutakun:20210511160834j:plain

2.3kmの登り道でまた汗をかいた

f:id:nayutakun:20210512153326j:plain

f:id:nayutakun:20210512153341j:plain

2021年5月9日 九州自然歩道 103日目 宮崎県延岡市北方町上中尾~西臼杵郡日之影町日之影温泉駅 晴れ 27/13℃ 行動時間9:04 行動距離23.5km 37778歩

復路交通:青雲橋18:12西鉄高速バスごかせ号-博多BT21:57

九州自然歩道 102日目 圧巻・荘厳・孤高!行縢の滝 宮崎県延岡市北方町細見~行縢山~延岡市北方町上中尾 2021年5月8日

 今回の九州自然歩道トレッキングは宮崎県延岡市北方町細見からの再開。毎度ながら宮崎県は交通の便が悪く、土曜の朝に福岡を発つと現地への到着が正午を過ぎてしまうため、今回も前泊。宮崎県北部の日之影温泉のすてきな宿に泊まった。

f:id:nayutakun:20210510195043j:plain

高千穂鉄道日之影温泉駅

 その宿というのが、2005年に廃線になってしまった高千穂線の車両をホテルの客室として改造し、日之影温泉駅の跡地のレールの上に設置したTR列車の宿。宿泊した部屋は畳の部屋で、トイレ、洗面台、テレビの付いた快適な部屋だった。駅の2階にある温泉に浸かって、早めに布団にもぐり込んだ。

f:id:nayutakun:20210510195136j:plain

日之影温泉TR列車の宿

f:id:nayutakun:20210510195156j:plain

車内はホテルのよう

 土曜の朝は4:00に起床。延岡行きの始発バスは近隣のバス停を5:47に出るのだが、地図で確認するとバス停までの直線距離は300mほどしかないのに等高線が20本ある。結局、バス停までは2.3kmもの距離を歩き、汗ビッショリになって始発バスに乗ることができた。バス停から見ると宿は雲海の底。バスに乗るために雲の上まで歩いたことになる。

f:id:nayutakun:20210510195305j:plain

日之影温泉駅を出発

f:id:nayutakun:20210510195329j:plain

すぐに街並みは下の方に

f:id:nayutakun:20210510195357j:plain

バス停は雲の上

f:id:nayutakun:20210510195414j:plain

下顔(しもつら)バス停でバスを待つ

 バスは予定通り6:19に細見バス停に到着。まずは県道235号樫原細見線のりっぱな舗装路を北に進む。五ヶ瀬川に流れ込む細見川に沿って敷設された道路で、交通量は少ない。

f:id:nayutakun:20210510195448j:plain

延岡市北方町の細見バス停で下車して行動開始

f:id:nayutakun:20210510195528j:plain

快適な県道235号線

f:id:nayutakun:20210510195555j:plain

細見川に沿って北に進む

 道路が良いのでペースが速くなる。7:00に5km地点の小川集落を通過した。正面の山越には行縢(むかばき)山の岩肌が見えてきた。

f:id:nayutakun:20210510195716j:plain

小川集落の山の向こうには行縢山が聳える

 ここで考えた。九州自然歩道の本線はこのまま細見川に沿って北に進む。これといって見所のない山が続きそうだ。行縢山は九州自然歩道の支線で、行ってみるのも悪くない。ただし、行縢山は細見川の東を流れる行縢川に沿った道がアプローチになるため、一山越さなければならない。往復の距離はざっとみて12km。心配なのは支線の山越えルート。本線の山越えルートでもしばしば藪漕ぎに泣かされているので、支線の山越えは散々な目に遭いそうで怖い。

f:id:nayutakun:20210510195804j:plain

黒仁田集落の支線分岐点でしばし思案

 しかし、昨夜、日之影温泉で一緒になった、あと2つで日本の滝100選を制覇するという滝のエキスパートの方は、行縢山にある行縢の滝は日本の滝100選となっており、ぜひ行くべき滝と推していた。温泉の後で氏の滝のブログを拝見したが、滝の見事な写真と滝愛に溢れたページに圧倒された。うん、ここは行くしかない。7:30に黒仁田集落の行縢山への分岐点に到着して、そんなこんなと7分ほど考えたが、7:37に県道から右折して、支線に進む山道を登り始めた。

f:id:nayutakun:20210510195843j:plain

支線に進む

f:id:nayutakun:20210510195901j:plain

すぐに非舗装路に変わる

 支線の山越えコースは最初の300mほどは舗装路だったが、すぐに非舗装路に変わり、スイッチバックを繰り返しながら高度を上げていく。峠までの等高線は20本、すなわち高度差は200mほど。それほどたいした行程ではなさそうだが、山を半分ほど登ったところでGPSを確認すると、北東に進む支線からかなりずれた東の方向に進んでいる。先ほど通過した、地図上で支線の進むと思われる地点は完全に藪となっており、廃道化しているようだった。

f:id:nayutakun:20210510200309j:plain

支線はこっちの森の中を突っ切る

f:id:nayutakun:20210510200338j:plain

林道は整備状態良好

f:id:nayutakun:20210510200106j:plain

破線が正式な支線で、青線が現在歩行中の経路。こんなにずれていると心配になる。

 いま進んでいる山道は現在も林業に使われているようで、路盤はわりとしっかりしている。峠付近は少し荒れていたが、峠を下り始めると再び路盤のしっかりした山道が現れた。山を越えて到着したところは、地図上の支線の位置よりも東に300mほどずれているが、無事に行縢川の谷に出ることができた。

f:id:nayutakun:20210510200429j:plain

ほんの少しだけ荒れた峠を越す

f:id:nayutakun:20210510200500j:plain

舗装された林道が出てくる

f:id:nayutakun:20210510200520j:plain

行縢山も見えてくる

 ここからは行縢の集落を貫く舗装路を北に向かい、一路、行縢山に向かう。8:39に登山者が駐車場を利用する、むかばき青少年自然の家に到着した。ここで、職員の女性にお願いして、荷物を置かせてもらい、空荷で山頂までを往復することにした。

f:id:nayutakun:20210510200622j:plain

行縢集落の南端からまっすぐ行縢山に向かう

f:id:nayutakun:20210510200708j:plain

林道を抜ける

f:id:nayutakun:20210510200732j:plain

むかばき青少年自然の家

 荷物からヒルの忌避剤を取り出し、靴と靴下や脛にスプレーしていると、女性が無線機を持ってきて、山頂に着いたらヤッホーをするから持って行きなさいと渡された。荷物は持ちたくなかったが、女性が熱心に勧めるので、無線機をたすき掛けにして9:04に出発した。

f:id:nayutakun:20210510200801j:plain

行縢神社に手を合わせて出発

 行縢山は人気の山だけあって、登山道の整備状況はとても良かった。登山口の行縢神社に手を合わせて登り始める。沢にはしっかりとした橋が架けてある。難所にはロープや鎖が設置してあり、至れり尽くせり。

f:id:nayutakun:20210510200849j:plain

f:id:nayutakun:20210510200908j:plain

f:id:nayutakun:20210510200925j:plain

f:id:nayutakun:20210510200945j:plain

 9:38に滝への分岐点に到着し、3分ほど進むと目の前にすごい光景が現れた。巨大な一枚岩の上から滝の水が伝わって落ちてくる。言葉では表せきれないほどの圧倒的な光景。しばらく滝の下の岩に横になって、落ちてくる水の流れを見ていた。

f:id:nayutakun:20210510201148j:plain

日本の滝100選 行縢の滝

f:id:nayutakun:20210510201233j:plain

 行縢の滝では5分ほど水しぶきを浴び、ふたたび頂上に向かって歩き始めた。空荷だととても軽快。9:55に雌岳との分岐を通過し、10:30には行縢山の山頂(830m)に到着した。頂上も岩で、見晴らしが良い。あいにく黄砂が飛来しているため、霞がかかっているが、日向灘まで十分に見ることができた。

f:id:nayutakun:20210510201315j:plain

再び山頂に向かって歩き始める

f:id:nayutakun:20210510201342j:plain

行縢山山頂

f:id:nayutakun:20210510201412j:plain

中央がむかばき青少年自然の家

f:id:nayutakun:20210510201453j:plain

日向灘まで見渡せる

 頂上では無線機でむかばき青少年自然の家を呼び出した。しばらくすると、自然の家から3名の職員さんがテラスに出て、手を振るのがなんとか視認できた。ちょうどその時、男性が頂上にやってきたので、一緒にヤッホーと叫んでもらうことにした。まずはこちらから大声で叫ぶ。次いで無線機でカウントを唱えると、自然の家の職員さん3名がヤッホーと叫ぶ。カウントの3.2秒後に職員さんのヤッホーが聞こえてきた。頂上と自然の家との距離は約1000mとなる。男性と二人して、頂上で大笑いした。子供の頃にかえったような気分だった。

f:id:nayutakun:20210510201539j:plain

3.2秒後にヤッホーと聞こえてきたときは二人で大笑いした

 頂上では360°の眺望を楽しみ、日向から来たという男性としばらく話し、10:54に下山を開始した。下山も快適で、問題なし。11:54にむかばき青少年自然の家に到着し、とても楽しい経験ができたとお礼を伝えて、無線機を女性に返却した。自販機の飲料で喉を潤し小休止。自然の家を後にした。

f:id:nayutakun:20210510201701j:plain

下りも快調

f:id:nayutakun:20210510201720j:plain

 行縢集落に戻る林道を歩き、行きの道すがら気になっていた、ひでじビールというローカルのビール醸造所に立ち寄ることにした。醸造所の隣の広場に、行縢山を正面に望むようにバーベキューテーブルがセットしてある。アルコールの飲めない私はコーラを飲みながら、つまみの手羽先をぱくつく。隣のテーブルには横浜から登山に来たというカップル。しばらくくつろいだ後、13:28に行動を再開した。

f:id:nayutakun:20210510201808j:plain

この看板が気になって立ち寄ってみた

f:id:nayutakun:20210510201838j:plain

f:id:nayutakun:20210510201858j:plain

この贅沢な借景の広場にバーベキューテーブルが設えてある

f:id:nayutakun:20210510201939j:plain

手羽先を昼ご飯代わりに

 13:45に行縢集落の南端を折り返し、行きと同じ林道を通って14:26に黒仁田集落の分岐点に復帰した。帰りの林道で気がついたのだが、手製と思われる九州自然歩道の看板が立っていた。やはり旧支線は廃道となり、今回の林道が支線として主に使われているようだと納得した。

f:id:nayutakun:20210510202014j:plain

行縢集落南端の石組みの橋

f:id:nayutakun:20210510202103j:plain

ここから再び山道の峠に向かう

f:id:nayutakun:20210510202124j:plain

こんな手製風の看板があった

 黒仁田からはふたたび県道235号樫原細見線を歩く。ただし、いつの間にかセンターラインはなくなっている。14:45には県道から左折して唐立集落に向かう。

f:id:nayutakun:20210510202209j:plain

ふたたび県道を北上

f:id:nayutakun:20210510202230j:plain

唐立の集落が見えてきた

f:id:nayutakun:20210510202255j:plain

清流に架かる橋を渡って集落に向かう

f:id:nayutakun:20210510202323j:plain

 集落を過ぎると途端に道が細くなり、しばらくして非舗装の山道となった。ここからは標高差150mほどの峠の立花越。ところどころ藪になってはいるが、それほど酷くはない。枯れ葉が大量に積もり、滑りやすくなった山道に気をつけながら下りて、15:36に屋形原の廃校になった小学校の跡に出た。

f:id:nayutakun:20210510202346j:plain

集落を過ぎると途端に道が細くなる

f:id:nayutakun:20210510202410j:plain

非舗装路に変わり

f:id:nayutakun:20210510202425j:plain

少し荒れ気味の峠を越える

f:id:nayutakun:20210510202447j:plain

立派な栴檀の生える小学校の跡地に出る

 この集落には蛸鹿さんのレポートによると自販機があるはず。思ったとおり、小学校のすぐ下の酒屋さんの向かいに自販機が設置してあり、ここでコーラを購入してベンチに腰掛けて小休止。地元の85歳の男性から、炭焼きや林業の苦労について話を聞かせて頂いた。

f:id:nayutakun:20210510202534j:plain

この小学校は男性の出身校

 男性の話は面白かったが、山深いこの地ではそろそろ日が傾いてきた。16:05に行動を再開し、500mほど舗装路を進んだ後に、九州自然歩道の標識に従って山道に入る。勾配のきつい山道を登り、舗装路を横断して再び山道に入る。

f:id:nayutakun:20210510202624j:plain

しばらくは舗装路を進む

f:id:nayutakun:20210510202727j:plain

すぐに山道に突入

f:id:nayutakun:20210510202818j:plain

途中で舗装路を横断

 16:49に舗装された林道に合流してからは、そのまま舗装路の状態が続き、17:08に大中尾集落を通過する。この集落にはコミュニティバスの標識はあるが、時刻表は白紙。便はないようだ。

f:id:nayutakun:20210510202855j:plain

山道を進むと立派な舗装路に合流

f:id:nayutakun:20210510202931j:plain

山が美しい

f:id:nayutakun:20210510202950j:plain

大中尾集落のさわやか号の時刻表は白紙

 大中尾集落からさらに林道を進み、17:50に上中尾集落への分岐を右折して、集落には立ち寄らずに自然歩道を先に進む。林道は普通林道上中尾線と名を変え、幅員4mの規格の良い林道に変わった。しばらく歩くと、道路脇に整地した広場があったので、本日はここでビバーク。18:00に行動終了とした。

f:id:nayutakun:20210510203054j:plain

野営適地を探して林道を奥に進む

f:id:nayutakun:20210510203133j:plain

高規格の普通林道上中尾線に変わる

f:id:nayutakun:20210510203201j:plain

道路脇に整地された平地を見つけた

f:id:nayutakun:20210510203232j:plain

本日はここで野営

 テント設営を終え、しばらくエアーマットの上に横になって休憩。テントの入口近くに小さな蜘蛛がいるのが見える。動きが遅い。蜘蛛ならばいつか地獄に送られるときに助けてもらえるかもしれないと、たいていは生かして解放するのだが、見慣れた蜘蛛よりも足が短い。これまで見たことはないが、これは果たしてダニではなかろうかと思い、当該個体をビニール袋に閉じ込めて、脱出不能なような処置を施してしまった。

f:id:nayutakun:20210510203305j:plain

これは蜘蛛ではないよね?

 先日は生まれて初めてヒルを観察できた。今回はこの生物がダニならば、人生初ダニとなる。

f:id:nayutakun:20210511185419j:plain

f:id:nayutakun:20210510203400j:plain

2021年5月8日 九州自然歩道 102日目 宮崎県延岡市北方町細見~行縢山~延岡市北方町上中尾 曇り 22/11℃ 行動時間11:40 行動距離31.5km 55100歩

往路交通:

 日之影町TR列車の宿(前泊)

 下顔5:47宮崎交通バス-細見6:18

九州自然歩道 101日目 速日の峰を越えて海に向かって走る 宮崎県東臼杵郡美郷町北郷宇納間~延岡市北方町細見 2021年5月3日

 本日は美郷町北郷の宇納間(うなま)地蔵尊の町外れにある西野々農村公園に設置したテントの中で目を覚ました。もう5月だから暖かいかと思ったら大間違いだった。明け方は4℃まで気温が下がり、1年中使用している夏用の寝袋の中でブルブル震えて寝ていた。夏用の寝袋でも-3℃ぐらいまでなら寝られることは検証済みだが、そんな状況のときは寝る前に耐寒用のアンダーレイヤーを着ける。今日は半袖、半ズボンだから、想定外の寒さ。

 5:00に周囲が明るくなるのを待って寝袋から抜け出し、まずはお湯を沸かして熱いコーヒーを飲んで身体を温めた。5:40の日の出を待って撤収作業を行い、6:00から行動を開始した。

f:id:nayutakun:20210506191442j:plain

雲量0の快晴の朝。こんな日はキリッと冷え込む。

 6:10に県道210号線宇納間日の影線を通って宇納間の市街地を通過。6:14に町道633号線鹿猪谷線に右折し、鹿猪谷の集落を北東の山に向かって進む。

f:id:nayutakun:20210506191525j:plain

市街地の中心にある宇納間地蔵尊の参道入口

f:id:nayutakun:20210506191609j:plain

バスの時刻表は寂しいかぎり。しかも運行は平日のみ。

f:id:nayutakun:20210506191717j:plain

鹿猪谷に向かって進む

 6:18には森林基幹林道中山線となり、快適な林道を進む。しかし、林道が快適すぎてまたもや曲がるべきところを行き過ぎてしまった。右に折れて山中に進むべきところの目印を見落とし、200mほど戻った。

f:id:nayutakun:20210506191840j:plain

林道はよく整備されている

f:id:nayutakun:20210506191908j:plain

 6:40から鉄板でできた橋を渡って谷川を越えて、山道を登り始めた。山道はところどころ藪と化しているが、それほど悪くはない。20分ほど歩いて7:00に舗装路に合流した。

f:id:nayutakun:20210506191927j:plain

林道脇のこの赤テープを見逃してはいけない

f:id:nayutakun:20210506191954j:plain

谷川には橋が架けてあった

f:id:nayutakun:20210506192041j:plain

山道を進む

f:id:nayutakun:20210506192101j:plain

藪はわずか

f:id:nayutakun:20210506192122j:plain

小さな山を越えたら舗装路に出た

 7:05には九州自然歩道の標識が現れ、舗装路から非舗装の林道に右折する。この林道はちょうど大型重機が路盤を整備している最中で、オペレーターの方が重機の整備をしていた。路盤に砂利を入れる準備をしているとのこと。重機で固められた歩きやすい林道を進み、赤いテープの目印の付けられたところから再び山道に入る。

f:id:nayutakun:20210506192207j:plain

舗装路を横断してすぐに山道に向かう

f:id:nayutakun:20210506192242j:plain

ふたたび舗装路に合流

f:id:nayutakun:20210506192324j:plain

すぐに山道に曲がる

f:id:nayutakun:20210506192356j:plain

重機で林道を整備中だった

f:id:nayutakun:20210506192420j:plain

重機でならした林道は晴れていれば歩きやすい

f:id:nayutakun:20210506192500j:plain

またすぐに山道に折れる

 7:18に林道を左折して山道に入ったが、この山道が思いのほか快適。現在はほとんど人が歩いていないようで、枯れ葉が堆積しているのだが、道幅が広く、路盤がしっかりしている。以前は多くの人が通った幹線に近い連絡路だったのではないかと思うぐらいの快適さ。山道の両側に植えられたスギの植林も、ほどよく日差しを遮って心地よい。山道の最後は、いまにも崩れ落ちそうな丸木の橋を怖々渡って7:40に舗装路に出た。

f:id:nayutakun:20210506192540j:plain

今回の山道は路盤が何十年も掛けて踏み固められている

f:id:nayutakun:20210506192619j:plain

どこまでも快適な山道

f:id:nayutakun:20210506192637j:plain

思い出したように古い標識もある

f:id:nayutakun:20210506192742j:plain

f:id:nayutakun:20210506192752j:plain

快適な山道の終点は罰ゲームのような橋

f:id:nayutakun:20210506192827j:plain

舗装路に出る

 大きな鶏舎の横を歩いて、7:53から再び山道を進む。この山道も路盤の状態が良好。踏み跡がほとんどないにもかかわらず、歩きやすい。

f:id:nayutakun:20210506192857j:plain

鶏舎の横の道端にはカラーが植えられていた

f:id:nayutakun:20210506192934j:plain

ほんのしばらく舗装路を歩いたら再び山道に

f:id:nayutakun:20210506193003j:plain

この山道も路盤がしっかりしている

f:id:nayutakun:20210506193025j:plain

f:id:nayutakun:20210506193044j:plain

集落の手前で舗装路に出る

 8:11に入下秋元集落を通過。このあたりはかつて炭焼きが盛んだったところのよう。今でも樫材を使った備長炭を生産しているとのこと。集落を過ぎ、8:15に宇納間からつながる国道388号線との合流地点に着いた。ここで本日最初の小休止。朝に沸かしたお湯でカフェ・オ・レを淹れ、行動食のクラッカーで朝食とした。

f:id:nayutakun:20210506193131j:plain

着いたのは木炭の里秋元集落

f:id:nayutakun:20210506193206j:plain

炭焼き窯は現在も稼働中

f:id:nayutakun:20210506193240j:plain

ここで小休止

 8:33には朝食を終えて行動再開。3kmほど国道388号線をのんびりと進む。

f:id:nayutakun:20210506193322j:plain

しばらくは国道388号線を進む

f:id:nayutakun:20210506193350j:plain

f:id:nayutakun:20210506193400j:plain

 9:06にヤキウ集落に到着。ここから国道は北に向かって曲がるが、九州自然歩道はまっすぐ町道718号線谷久線に進む。ヤキウから先はヤキウ谷の舗装路を進む。深い谷で、自動車は通らない。鳥の声以外は聞こえない静寂に満ちた谷。

f:id:nayutakun:20210506193425j:plain

ヤキウ集落から国道を離れる

f:id:nayutakun:20210506193454j:plain

静かな谷間を歩く

f:id:nayutakun:20210506193512j:plain

 2kmぐらい進み、9:35に深田の原で広い舗装路と合流して左折する。さらに2kmほど歩き、9:55にヤキウで分かれたばかりの国道388号線に小黒木集落で合流。国道沿いに農家レストランの看板があるので、朝食でも摂れないかと周囲を探したが、レストランが見つからない。この集落では、自販機で飲料水を補給して先に進んだ。

f:id:nayutakun:20210506193543j:plain

深田の原で東から来た舗装路と合流

f:id:nayutakun:20210506193751j:plain

f:id:nayutakun:20210506193810j:plain

小黒木集落

f:id:nayutakun:20210506193831j:plain

看板はあるがレストランがない

f:id:nayutakun:20210506193905j:plain

どこを探しても、ない

 国道388号線を北上し、10:24に真竹集落を通過。猟犬を軽トラの荷台に積んだ男性たちが道端で何やら作戦会議をしている。また1台、猟犬を積んだ軽トラが集まってきた。イノシシ狩りにでも行くのだろうか。作戦会議の男性たちは活き活きとした顔をしている。

f:id:nayutakun:20210506194003j:plain

真竹集落では狩猟系男子が行き交う

 10:36にイウゴ(ユウゴ)集落を通過。また、猟犬を積んだ軽トラが通り過ぎた。猟犬は賢く、静かだ。人を見ても吠えることはない。

f:id:nayutakun:20210506194110j:plain

 10:43にイウゴ集落の人家の途切れるあたりに「癒しの里一心」という施設があった。きれいな庭が整備されている。男性が出てきて、庭で休んで行ってくれと誘ってくれる。以前は宿泊施設として使われていたとのこと。

f:id:nayutakun:20210506194125j:plain

f:id:nayutakun:20210506194147j:plain

f:id:nayutakun:20210506194158j:plain

f:id:nayutakun:20210506194210j:plain

f:id:nayutakun:20210506194221j:plain

f:id:nayutakun:20210506194231j:plain

 さらに舗装された林道を進む。11:35から道路脇の赤テープを目印に、山道に入る。ここからは標高差200mほどの直登の山道。山道は重機で造成中の林道で分断されており、ときどき方向を見失う。軽い藪漕ぎが2か所ほど、重機の押し出した残土で崖と化した部分が1か所あった以外はさほどの問題はなく通過した。

f:id:nayutakun:20210506194331j:plain

さらに林道を進む

f:id:nayutakun:20210506194408j:plain

f:id:nayutakun:20210506194420j:plain

f:id:nayutakun:20210506194439j:plain

ここから急な山道に入る

f:id:nayutakun:20210506194510j:plain

ほんの少しだけ荒れている

f:id:nayutakun:20210506194537j:plain

だいたい快適

f:id:nayutakun:20210506194601j:plain

景色は良い

f:id:nayutakun:20210506194619j:plain

山道を造成中の林道が分断しているところもある

 12:04に舗装路に合流し、12:14にポケットパークを通過。速日の峰(はやひのみね、868m)の山頂に近くなり、目の前が開けてきた。このあたりから山頂近くにあるテーマパークのETOランドの案内板が出てくる。12:28にETOランドと九州自然歩道の分岐を通過し、今回はせっかくなのでETOランドに立ち寄ってみることにした。

f:id:nayutakun:20210506194705j:plain

舗装路に到着

f:id:nayutakun:20210506194723j:plain

舗装路の脇にはポケットパーク

f:id:nayutakun:20210506194748j:plain

ETOランドまで1km

f:id:nayutakun:20210506194811j:plain

眺望がひらけてくる

 1kmほどのゆっくりとした傾斜の舗装路を進み、12:40にETOランドに到着。食堂が開いているかと期待していたが、売店のみが営業していた。アイスクリームを食べて小休止。失礼な言い方かもしれないが、ETOランドはこれ以上寂れることはないだろうと思えるぐらい寂れたテーマパークだった。

f:id:nayutakun:20210506194900j:plain

f:id:nayutakun:20210506194912j:plain

f:id:nayutakun:20210506194926j:plain

 小休止の後、12:58に行動再開。舗装路を下り、13:09に九州自然歩道の分岐点に戻った。ここからは山道に左折。最初の200mほどは廃道と化しており、藪漕ぎを強いられたが、13:29に路盤のしっかりした山道に合流した後は快適な道だった。

f:id:nayutakun:20210506194950j:plain

ここから九州自然歩道に戻る

f:id:nayutakun:20210506195029j:plain

100mほども我慢すれば快適な道がやってくる

f:id:nayutakun:20210506195111j:plain

標識はときに関係のない方向を向いているので気にしない

 しばらくは木立の中を歩き、次いで眺めの良い植林地の中に造成された林道森林管理道清水線を歩く。斜面は植林の収穫を終えた後で、眺めは最高に良い。北の正面には次の目標の行縢山(むかばきやま)。行縢とは武士が乗馬の際に使用した革製の足の装具のことだとのことだが、教養がないため読めない。東には延岡の市街地の向こうに日向灘が見えてきた、

f:id:nayutakun:20210506195200j:plain

この先の山道は快適の一語

f:id:nayutakun:20210506195224j:plain

こんな道なら1日歩いてもいい

f:id:nayutakun:20210506195300j:plain

尾根に出ると爽快な風景

f:id:nayutakun:20210506195328j:plain

北には行縢山

f:id:nayutakun:20210506195353j:plain

東には日向灘

f:id:nayutakun:20210506195425j:plain

林道がどこまでも続く

 林道は14:09に舗装路と合流し、さらに高度を下げていく。舗装路に入ってからは自動車がときおり通過する。ETOランドからの帰りの家族連れの乗った車のようだ。この舗装路は六峰街道命名されていた。

f:id:nayutakun:20210506195520j:plain

舗装路と合流

f:id:nayutakun:20210506195542j:plain

まだまだ快適な道が続く

f:id:nayutakun:20210506195606j:plain

景色も素晴らしい

f:id:nayutakun:20210506195622j:plain

 14:27に高畑集落の地点で地図に従って舗装路から外れて山道に入った。ここは完全な廃道で、ひどい藪だった。200mほどで元の舗装路と合流するが、無駄に廃道歩きをしただけだった。

f:id:nayutakun:20210506195652j:plain

地図に従い山道に突入

f:id:nayutakun:20210506195717j:plain

廃道だった

 15:28に六峰街道の終点の山口原集落に到着した。ここで給水して小休止。ここからは県道49号線の立派な舗装路になるが、交通量も多い。

f:id:nayutakun:20210506195741j:plain

県道49号線に突き当たる

 15:46に県道49号線から左折して、黒原集落、笠下集落を経て、16:12に五ヶ瀬川に架かる笠下橋のたもとに到着した。ここで選択肢が2つ。笠下橋を渡れば角田のバス停がすぐ近く。近くには商店もあり、冷たいものを手に入れることもできる。もう一つは、橋を渡らずに5kmほど下流に歩いて、細見橋まで進んでから橋を渡って細見バス停から帰途に着く方法。バスの時間は17:14。走れば間に合う。

f:id:nayutakun:20210506195838j:plain

山口原から先は舗装路のみ

f:id:nayutakun:20210506195858j:plain

f:id:nayutakun:20210506195918j:plain

小高い山を越えて五ヶ瀬川の見える笠下集落に出る

 ということで、今回も走ることにした。5kmだからたいしたことはない。しかも、五ヶ瀬川下流に向かうので、緩やかな下り。五ヶ瀬川を左手に眺めながら、早足程度にゆっくりと走り、17:10に細見バス停に到着して本日の行動終了。

f:id:nayutakun:20210506200022j:plain

川を見ながら走る

f:id:nayutakun:20210506200113j:plain

f:id:nayutakun:20210506200125j:plain

お地蔵さんを見ながら走る

f:id:nayutakun:20210506200149j:plain

細見橋が見えてきた

f:id:nayutakun:20210506200221j:plain

五ヶ瀬川は水量豊かな清流

f:id:nayutakun:20210506200301j:plain

西に傾いた日を浴びて光る

f:id:nayutakun:20210506200357j:plain

 3分ほど遅れた宮崎交通のバスに乗り、17:34に早日渡(はやひと)バス停に到着。食べ物が手に入らないかと、100mほど離れた道の駅まで走ったが、残念ながらすでに営業を終えていた。17:55に定刻どおりに早日渡バス停に到着した福岡行きの高速バスごかせ号に乗車して福岡への帰途に着いた。お腹が空いた。ペコペコだ。

f:id:nayutakun:20210506200413j:plain

 f:id:nayutakun:20210506200429j:plain

f:id:nayutakun:20210506200442j:plain

2021年5月3日 九州自然歩道 101日目 宮崎県東臼杵郡美郷町北郷宇納間~延岡市北方細見 晴れ 21/4℃ 行動時間11:08 行動距離35.5km 56752歩

 復路交通:

細見17:14宮崎交通バス-早日渡17:33/17:55西鉄高速バスごかせ号-博多BT21:57

九州自然歩道 100日目 九州山地のだいたい快適な山道を宇納間地蔵尊まで歩く 宮崎県東臼杵郡美郷町西郷田代~東臼杵郡美郷町北郷宇納間 2021年5月2日

 2週間ぶりの九州自然歩道トレッキングは宮崎県美郷町からの再開。今回は土曜日の午前中まで仕事が入っていたため、午後の飛行機で宮崎空港まで移動。宮崎空港から日向市駅まではJR日豊本線を利用。日向市から美郷町までは宮崎交通バス。ほとんど待ち時間がない乗り継ぎができる最速パターンで移動したのだが、自宅を午後2時前に出て、美郷町の旅館に到着したのは午後8時前。宮崎はマジ遠い。

f:id:nayutakun:20210505151221j:plain

このところの週末は飛行機で宮崎に

 もし、飛行機以外の公共交通機関を利用したならば、本日中には日向市までしか到達できず、トレッキング再開地の美郷町には翌日の昼過ぎになる。ボトルネックとなるのがバス。人口が集積し、大型の商業施設のあるJR日向市駅周辺と美郷町とを結ぶ便が1日3便しかない。本日乗車しているのは3人のみで、終点が近い美郷町まで乗車したのは私一人。地方ではバス便数が少ないが、利用者も少ない。

f:id:nayutakun:20210505151450j:plain

日豊本線都農駅の北にはリニアモーターカー実験線の跡が残る

 地方の公共交通機関は何処も目を覆わんばかりの惨状だが、ここ美郷町もかなりの衰退ぶり。町の中心の行政機関の所在地を結ぶ公共交通機関が1日3便というのは、これまで九州自然歩道を歩いたなかでも、もっとも厳しい状況。西郷、北郷、南郷という、九州山地の中の長閑な村が合併してできた美しい郷という名を冠した町の行く末が気に掛かる。

f:id:nayutakun:20210505151613j:plain

日向市駅から美郷町役場までは1日3便のバスを乗り継いで行く

 それはさておき、本日は美郷町の中心地の旅館で5:00に目を覚ました。気温は8℃と寒い。6:30と早めに用意してもらった朝食をとり、7:08にご主人が見送りに出てくれるなか、行動を開始した。現在はカラッとした晴れ。風が強く肌寒い。

f:id:nayutakun:20210505151854j:plain

旅館の正面には日蔭山が聳える

 まずは国道388号線を進む。300mほどで右折しなければならないところを調子に乗って400mほど進みすぎたところで気がついて引き返した。地図やGPSを確認して行動しなければいけないのだが、天気が良いとつい勢いが出てしまう。7:23に町道102号線を右折して、前回、九州自然歩道を離脱した神門原(みかどばる)集落に向かう。7:34に九州自然歩道離脱地点に到着し、右折して普通林道幸地線に進む。

f:id:nayutakun:20210505152730j:plain

神門原の離脱地点から右折して日蔭山に向かう

f:id:nayutakun:20210505152836j:plain

林道が日蔭山に向かって伸びる

 この林道は西郷の西に聳える日蔭山(897m)の中腹を横切る。しばらくはスギの植林の中に敷設された快適な舗装路を歩く。スイッチバックを繰り返しながら高度を上げていく。7:50に非舗装の林道に変わったが、路面の状態は良く、快適に歩く。植林の途切れたところからは、九州山地のどこまでも続く山脈が見える。

f:id:nayutakun:20210505153000j:plain

快適な林道を進む

f:id:nayutakun:20210505153148j:plain

周囲はスギの植林

f:id:nayutakun:20210505153210j:plain

九州山地の山々が広がる

 8:46にはふたたび舗装路になり、9:11に栗林に出た。この栗林は10年ほど前に歩いた蛸鹿(おすみおう)さんがずいぶん苦労したと報告しているところ。GPSを見ながら慎重に進む。このあたりは九州自然歩道の標識は見当たらず、また鹿避けのネットで行く手を阻まれたりして、たしかにコースはとりにくい。栗林を抜けた後で行き先を完全に見失ったが、GPSを頼りに伐採された木々で隠れていたコースをようやく見つけることができた。

f:id:nayutakun:20210505153353j:plain

非舗装路、舗装路と、いずれも快適な林道が続く

f:id:nayutakun:20210505153510j:plain

この先に栗林

f:id:nayutakun:20210505153538j:plain

山道が伐採された枝で隠れていた

 栗林の後しばらくは、斜面をトラバースする山道。植林の伐採を終えた後で、前面が開けていて景色が良い。山の麓には耳川を堰き止めてできた西郷ダムも見えてきた。

f:id:nayutakun:20210505153656j:plain

しばらくは斜面を横切る山道が続く

f:id:nayutakun:20210505153726j:plain

景色は素晴らしい

f:id:nayutakun:20210505153749j:plain

木々の間からは西郷湖が見える

 しばらく山道を進み、9:41に大斗(おせり)の滝に進む林道との分岐に到着した。ここから滝に向かって斜面を下っていったら、滝の上部辺りに出たが、木々が邪魔になって滝はほとんど見えない。本来はこのコースから滝壺まで下ることができるようなのだが、この先の道は崩落しているようで通行止め。やむなくいったん林道まで引き返し、迂回路を1kmほど進んで、滝壺近くの駐車場からきちんと整備された遊歩道を上流に向かう。

f:id:nayutakun:20210505153841j:plain

山道から大斗の滝に向かう林道に出た

f:id:nayutakun:20210505153914j:plain

滝に下降したが通行止めのため、舗装路を迂回する

 10:30に大斗の滝の下部に到着した。70mほどの落差のある雄大な3段の滝で、周囲を緑に囲まれて美しい。九州自然歩道は滝の右側から下りてくるようだが、現在は整備中で進入禁止となっていた。駐車場の正面には拝水(ささげみず)の滝もあり、大斗の滝とともに修行に使われていたよう。駐車場から100mほど下ったところにおせりの滝キャンプ場と管理棟があり、ここで小休止とした。

f:id:nayutakun:20210505155506j:plain

大斗の滝下流の登り口

f:id:nayutakun:20210505155553j:plain

滝は落差のある3段の見事な眺め

f:id:nayutakun:20210505155701j:plain

拝水の滝

f:id:nayutakun:20210505155726j:plain

キャンプ場の管理棟

f:id:nayutakun:20210505155922j:plain

キャンプ場が整備されている

 11:01に西郷ダムに堰き止められてできた西郷湖にかかる小原橋を渡り、対岸の集落に出た。このあたりで空が急に暗くなり、にわか雨が降ってきた。集落の女性からせっかくなのに雨が降ってきたと声をかけられる。西の空は晴れているので、雨具は着けずに、木の下を歩いてなんとかやり過ごしたら、再び日が差してきた。

f:id:nayutakun:20210505155958j:plain

小原橋で西郷湖を渡る

f:id:nayutakun:20210505160045j:plain

急に雨がパラついてきた

f:id:nayutakun:20210505160108j:plain

 小原橋から舗装路を300mほど進んだところで、舗装路は北に向かって曲がるところを九州自然歩道は直進している。ところがその下り口が分からない。しばらく、行きつ戻りつして、ようやく木に結びつけられた赤テープを見つけて、そこから西郷湖の湖畔に沿って東に進み始めた。地図の上では300mほどしかない山道だが、最初は道が付けられていたが、ところどころ崩落していたり、廃道になっていたりして、なかなか苦労した。

f:id:nayutakun:20210505160158j:plain

舗装路からダム湖に沿った山道に進む

f:id:nayutakun:20210505160244j:plain

ときおり道が崩落していたり、藪をかき分けたり

 11:55にようやく西郷ダムに到着した。ここからの道は自動車の轍が見えるので大丈夫かと思ったら、またもや数カ所の藪漕ぎ。1kmほどに30分かかり、12:30に立石集落に到着した。

f:id:nayutakun:20210505160342j:plain

なんとか西郷ダムに到着

f:id:nayutakun:20210505160400j:plain

耳川のきれいな水をたたえた青い湖

f:id:nayutakun:20210505160446j:plain

耳川の渓流は続く

f:id:nayutakun:20210505160526j:plain

ここから先は自動車もときおり通るのかと安心したが、、、

f:id:nayutakun:20210505160606j:plain

ときおり藪漕ぎを強いられる

f:id:nayutakun:20210505160638j:plain

ようやく立石集落に到着

f:id:nayutakun:20210505160716j:plain

立石からは北に向かって左折して林道に進む

 立石では行動食のクラッカーで昼食とした後、12:52から普通林道立石赤木線の舗装路を北に向かって歩き始めた。行動を再開してすぐ、13:09に三叉路から右折して普通林道立石線に進んだ。この林道は木立に囲まれた非舗装路で、1か所崩落箇所があったが、その他は問題なし。

f:id:nayutakun:20210505170529j:plain

立石からも快適な林道を進む

f:id:nayutakun:20210505170600j:plain

緑が眩しく光る

f:id:nayutakun:20210505170641j:plain

町並は遙か下方に

 14:26には林道椎屋谷線の舗装路と合流した。自動車の通らない勾配の強い舗装路を快適に進む。晴れてはいるのだが、ときおり雨がパラパラと降ってくる。風は強く、肌寒い。気温は12℃と低い。

f:id:nayutakun:20210505170808j:plain

勾配は強いが快適な林道

f:id:nayutakun:20210505170850j:plain

 15:11に舗装路から山道に右折する。ここからしばらくは非舗装路を進む。15:38に山頂近くの若宮造次郎公園に到着した。公園はパラグライダーのテイクオフグラウンドとして使用されているよう。幅50mぐらいの斜面がきれいに伐採されている。これまで歩いてきた珍神山(うずがみやま)、尾鈴山、尖山(とがりやま)、日蔭山などが一望できる。

f:id:nayutakun:20210505170930j:plain

舗装路から山道に折れる

f:id:nayutakun:20210505170959j:plain

パラグライダーのテイクオフグラウンドの若宮造次郎公園

f:id:nayutakun:20210505171038j:plain

正面には珍神山、尾鈴山、尖山、日蔭山などのこれまで歩いてきた山々

f:id:nayutakun:20210505171257j:plain

イノシシが逃げずにいるかと思って近づいたらサイの置物だった。趣味が悪い。

 ここからはしばらく舗装路を歩いて、15:56に造次郎山(733m)の山頂に到着した。山頂には数本のアンテナが立つが、山名票はなく、山頂と思われるところには三角点が設置してあった。山頂近くには良好な眺望はなく、風が強く寒いため先に進む。

f:id:nayutakun:20210505171409j:plain

造次郎山の山頂にはアンテナが立つ

f:id:nayutakun:20210505171429j:plain

山名標の代わりに三角点を撮影

 舗装路を歩き、16:10に小太ヶ墓峠から右に、村道106号坂元諸塚線に折れて下り始める。右折した林道は薄暗く、峠の曰くありげな名前もあり、心細くなる。

f:id:nayutakun:20210505171537j:plain

小太ヶ墓峠の標識は読めないのでさらに不気味

f:id:nayutakun:20210505171621j:plain

峠の下り口は木々が生い茂り、薄暗い

 4kmほど人気のない林道を下り、17:09に坂元集落に着いた。ここからは町道223号線を進む。集落の圃場はすべて柵で囲われている。家が近くなると道路脇の花が増えてくる。道路脇に11人乗りの漁船が置いてある。

f:id:nayutakun:20210505171723j:plain

4kmほどこんな下り道が続く

f:id:nayutakun:20210505171746j:plain

景色は良い

f:id:nayutakun:20210505171816j:plain

坂元集落に到着

f:id:nayutakun:20210505171837j:plain

圃場は完璧に柵で囲まれている

f:id:nayutakun:20210505171905j:plain

大型漁船が置いてあるのが不思議

 17:27に米花集落を通過し、17:32に膳所が谷で宇納間に続く国道388号線と合流した。交通量の多い、とはいっても1、2分に1台程度だが、を1kmほど進んで17:54に宇納間市街地の外れにある西野々農村公園に到着して行動終了とした。

f:id:nayutakun:20210505181255j:plain

西野々農村公園は静かな公園

f:id:nayutakun:20210505181336j:plain

芝生の上にテントを張ることができて快適

 日没時間は18:56でまだ明るい。公園の片隅にテント設営を終えて、宇納間の市街地に行ってみることにした。市街地には歴史のありそうな旅館があったが、すでに廃業しているよう。食堂が2軒あったが、本日は営業していなかった。店舗はAコープと他に1軒あったが、休日は休業のようだった。町の中心地から参道に進み、365段の階段を上って宇納間地蔵尊に参拝してからテントに戻ることにした。

f:id:nayutakun:20210505181418j:plain

市街地の旅館は廃業しているよう

f:id:nayutakun:20210505181450j:plain

参道の石段を365段登る

f:id:nayutakun:20210505181526j:plain

地蔵尊は山の頂上に

f:id:nayutakun:20210505181550j:plain

宇納間地蔵尊

f:id:nayutakun:20210505182849j:plain

f:id:nayutakun:20210505182903j:plain

2021年5月2日 九州自然歩道 100日目 宮崎県東臼杵郡美郷町田代 美郷町役場~東臼杵郡美郷町北郷区宇納間 晴れときどきにわか雨 15/8℃ 行動時間10:47 31.6km 54316歩

 往路交通:

福岡空港15:05ANA4669 -宮崎空港15:50(25分遅れ)/16:31JR日豊本線-日向市18:10(33分遅れ)/18:38宮崎交通神門線浜砂橋行-19:18道の駅とうごう/19:19-美郷町役場19:39(前泊)

九州自然歩道 99日目 珍神山に新緑燃ゆ 宮崎県日向市東郷町坪谷 牧水公園~宮崎県東臼杵郡美郷町田代 美郷町役場 2021年4月18日

 今朝はあまりの寒さで目が覚めた。気温は3℃だった。想定外の冷え込み。宮崎には一年中アロハシャツで過ごせるようなイメージがあったが、そんなイメージはガラガラと崩れ去ってしまった。そういえば昨夜は星がきれいだった。5:20に寝袋から這い出し、6:25に行動を開始した。

f:id:nayutakun:20210421164331j:plain

日の出は5:40 この日は快晴

 若山牧水記念文学館の前を通過して坪谷川を越える。たしか、中学校の教科書に載っていた若山牧水の歌がこれ。

「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」

この歌は当時から自分に刺さっていた。しかし、それ以上に中学校時代の思い出で若山牧水といえば、愛知県豊橋市の古本屋。初めて入る古本屋に緊張して、ガラス越しに中を眺めると、気難しそうな眼鏡をかけたおじさんが奥の帳場に座って何か読んでいる。引き戸を開けて入った私にはチラッと一瞥しただけで、挨拶はない。おずおずと手前の方から棚を眺めて、奥の方にたどり着いた。帳場の上に掛けられた額を見たら、若山牧水の手紙だった。この瞬間から、若山牧水ときたら、古本屋の眼鏡のおじさん。いまでもこの古本屋はあるだろうか?たしか、松葉通りにあったのだが。

f:id:nayutakun:20210421164422j:plain

文学館前の若山牧水像 旅の歌人だった

f:id:nayutakun:20210421164507j:plain

今でも残る牧水の生家

 町中を走る国道446号線をわずかに東に歩き、すぐに標識に従って左折して、西ノ内川に沿って北に向かう道に入る。

f:id:nayutakun:20210421164548j:plain

牧水の出身地は山深い静かな町 東郷

f:id:nayutakun:20210421164639j:plain

西ノ内川に沿って北に進む

f:id:nayutakun:20210421164729j:plain

 しばらくは舗装路を歩くが、人家が途絶えた7:10あたりで舗装路から砂利道に変わった。

f:id:nayutakun:20210421164818j:plain

川沿いの道を北に進む

f:id:nayutakun:20210421164847j:plain

人家を過ぎると砂利道に変わる

 砂利道はコンクリート舗装に変わり、急坂になった。7:35に庵登集落を通過したが、廃屋が数軒あるだけ。

f:id:nayutakun:20210421164918j:plain

急坂になるとコンクリート舗装に変わった

 その後、ふたたびアスファルト舗装路に変わり、7:47に登山口への分岐に到着した。九州自然歩道ポータルサイトのコースとヤマトホの進んだ進路は直進だが、YAMAPの登山道と九州自然歩道の新しい白い小型標識は左を指している。迷ったが左折して進むと、また白い小型標識が出て右を指している。標識に従って進み、7:58に鉄塔の設置現場に出た。ここでポータルサイトの地図とYAMAPの登山道が合流した。

f:id:nayutakun:20210421165017j:plain

この分岐が二択

f:id:nayutakun:20210421165044j:plain

新しい表示を信じて進む

f:id:nayutakun:20210421165110j:plain

開けたところでポータルサイトの地図のコースと合流

 ここには真新しい送電用鉄塔が建設されていて、そのために周囲が整地されている。資材を運ぶためだろうか。索道も設置されたままになっている。ここまでの山道も新しく整備して、法面補強をしており、九州自然歩道は新しくこちらに誘導しているよう。鉄塔にはまだ送電線は張られておらず、これからまだ一連の送電線設備が作られるのかもしれない。

f:id:nayutakun:20210421165212j:plain

送電用鉄塔の建設地だった

 伐採されたスギの切り株が座るのにちょうどよい高さにあるため、ここで小休止とした。眼下に東郷の町が見える。荷物の軽量化のため、本日用意した朝食は大豆バー1本のみ。物足りない。

f:id:nayutakun:20210421165238j:plain

切り株に腰掛けて休憩

f:id:nayutakun:20210421165303j:plain

南郷の町が見える

 8:09から行動再開。ここからは、蛸鹿さんやヤマトホでも紹介されている珍神(うずがみ)山の直登階段。標高394mの登り口から823mの頂上近くまで、南尾根になんの迷いもようなひたすら真っ直ぐに設置された階段を上りはじめる。ところどころ勾配の緩やかなところに階段のないところもあるが、基本的には無限に続くかと思われるほど長い真っ直ぐの木製の階段を上る。よくもこんなに長い階段を整備したものだと感心する。

f:id:nayutakun:20210421165344j:plain

登り口から直登の階段が続く

f:id:nayutakun:20210421165406j:plain

f:id:nayutakun:20210421165416j:plain

 9:11に珍神山(823m)の頂上に到着した。ここでは牧水公園で購入したカルピスウォーターを飲んで小休止。北斜面のスギの植林が伐採されているため、北にある美郷町西郷の方向の眺望がよく見える。

f:id:nayutakun:20210421165441j:plain

珍神山の山頂標識

f:id:nayutakun:20210421165516j:plain

北に美郷町西郷が見える

f:id:nayutakun:20210421165553j:plain

九州山地がどこまでも続く

 今日はバスの時間が14:27なので、気に掛かる。わずかな小休止の後、すぐに下りはじめた。整備状況の良好な南尾根の階段とはまったく異なり、下り道は踏み跡が不鮮明。珍神山の南斜面は広葉樹が拡がっていたのに対し、北斜面はスギの植林がなされているためか、シカ除けのネットが張り巡らされている。行きつ戻りつして、GPSで方向を確認しつつ藪の中を進んで林道まで下ることができた。林道に出るまでの最後の200mほどは、ノイバラの茂みを進んだため、露出した皮膚は傷だらけになってしまった。

f:id:nayutakun:20210421170615j:plain

北斜面の登山道は荒れていた

f:id:nayutakun:20210421170640j:plain

ノイバラの藪で傷だらけになってしまった

 ヤマトホのルートは林道を横断して、そのまま真っ直ぐ藪の中を下降するように突き進んでいるが、いくら探しても下り口も踏み跡もない。しばらく林道の東西を歩いて下り口を探すが、やむなく九州自然歩道の標識が指すように、林道を西に大斗の滝(おせりのたき)に向かって進むことにした。

f:id:nayutakun:20210421170729j:plain

しばらくの藪漕ぎの後、林道に出た

f:id:nayutakun:20210421170809j:plain

GPSで確認すると、ヤマトホはこっちに進んでいる

f:id:nayutakun:20210421170856j:plain

標識に従って大斗の滝に向かって林道を歩くことにした

 林道歩きは快適だった。歩きやすい砂利道で、山の麓には美郷町の市街地が見える。正面には標高700mほどの九州山地の山々がどこまでも連なる。

f:id:nayutakun:20210421171033j:plain

快適な林道を歩く

f:id:nayutakun:20210421171058j:plain

九州山地の山々が続く

f:id:nayutakun:20210421171127j:plain

西郷の町の西には日陰山

 10:08にヤマトホの選択したコースと合流した。ヤマトホコースも、藪を抜けた後は林道になっていたようだったようだ。さらに50mほど下には舗装された林道が見える。地図を見ると、これが九州自然歩道のよう。10:15に林道の間をつなぐ舗装された連絡路を下って、正式な九州自然歩道のコースに戻ることができた。林道から見える山の青葉は燃え立つよう。

f:id:nayutakun:20210421171206j:plain

ヤマトホコースと合流

f:id:nayutakun:20210421171246j:plain

下に見える舗装路が九州自然歩道

f:id:nayutakun:20210421171334j:plain

舗装された連絡路で合流できた

 1kmほど林道を下り、11:08に溝の内川に沿ったところまで出た。右手に渓流を眺めながら、スギ木立の中を快調に進む。渓流と山の組み合わせは最高に美しい。

f:id:nayutakun:20210421171437j:plain

緑が燃えるように美しい

f:id:nayutakun:20210421171500j:plain

杉の木立の中を進む

f:id:nayutakun:20210421171530j:plain

溝の内川の渓流に沿って進む

f:id:nayutakun:20210421171605j:plain

ところどころに落石もあるが

f:id:nayutakun:20210421171628j:plain

すばらしい春の山が目の前に拡がる

 11:37に国道388号線に出て、11:44に槇の鶴集落を通過した。11:53に通過した国道388号線上の小川集落には自販機があったため、飲料水を飲んで小休止とした。

f:id:nayutakun:20210421171718j:plain

国道388号線に合流

f:id:nayutakun:20210421171747j:plain

小川集落で小休止

f:id:nayutakun:20210421171845j:plain

川を渡って小谷集落に

 小川集落からは国道に沿って左折し、12:02に小谷集落に到着。ここからは国道を離れて、左折して山道に入る。道端にミツバチの巣箱の置いてあるのんびりした道だと思っていたら、だんだん人気のない悪路に変わる。しばらくは藪をかき分けて進むが、ほんの少しの辛抱で、豊前坊神社からは状態のよい舗装路に変わってホッとした。

f:id:nayutakun:20210421171913j:plain

小谷集落から山道に左折

f:id:nayutakun:20210421171940j:plain

最初は心地よさげな山道

f:id:nayutakun:20210421171959j:plain

養蜂箱もところどころに設置してある

f:id:nayutakun:20210421172053j:plain

だんだん寂しい山道になる

f:id:nayutakun:20210421172113j:plain

しばらくは藪と格闘

f:id:nayutakun:20210421172134j:plain

豊前坊神社から先は快適な道

 しばらく舗装路を歩き、12:36に町道との分岐を左折して、正面に標高898mの日陰山を眺めながら西に進む。

f:id:nayutakun:20210421172217j:plain

豊前坊神社からは舗装路

f:id:nayutakun:20210421172243j:plain

町道との交差点を左に進む

f:id:nayutakun:20210421172307j:plain

正面には日陰山

 12:48に横八集落で町道102号線に右折して北に向かう。500mほど歩いた神門原集落から、九州自然歩道は左折して日陰山の山中に向かう。美郷町役場前からのバスは、7時台、9時台、14時台、18時台の4便があるが、14:27に乗らないと宮崎からの帰りの飛行機に間に合わない。12:57に神門原の交差点で九州自然歩道を離脱して2kmほど北の美郷町田代の集落に向かう。

f:id:nayutakun:20210421172337j:plain

横八集落で町道102号線に右折

f:id:nayutakun:20210421172426j:plain

集落ののどかな道を進む

f:id:nayutakun:20210421172457j:plain

今回は神門原の分岐点で九州自然歩道から離脱

 13:10に愛宕集落を左折してふたたび国道388号線に戻り、13:25に美郷町役場にて行動終了とした。

f:id:nayutakun:20210421172611j:plain

町の中心地を目指して北に進む

f:id:nayutakun:20210421172642j:plain

f:id:nayutakun:20210421172708j:plain

町の中心の美郷町役場

f:id:nayutakun:20210421172734j:plain

本日はここからバスで福岡に帰宅

f:id:nayutakun:20210421172802j:plain

f:id:nayutakun:20210421172813j:plain

2021年4月18日 九州自然歩道 99日目 宮崎県日向市東郷町 牧水公園~宮崎県東臼杵郡美郷町田代 美郷町役場 晴れ 17/3℃ 行動時間7:01 22.5km 40047歩

 

復路: 美郷町役場前14:27-日向市駅東口15:26/15:34日豊本線特急ひゅうが13号-宮崎16:21/18:43特急ひゅうが15号-宮崎空港18:53/20:40ANA4958-福岡空港21:20

九州自然歩道 98日目 矢研谷から桃谷にかけては滝三昧の絶景 宮崎県児湯郡都農町 尾鈴キャンプ場~宮崎県日向市東郷町 牧水公園 2021年4月17日

 今回の九州自然歩道トレッキングも、金曜の夜から宮崎に前泊。夕食には名物の釜揚げうどんと肉巻きを食べて早めにベッドに入った。

f:id:nayutakun:20210419191734j:plain

福岡-宮崎はボンバルディア・エアロスペース社のDHC8-400

f:id:nayutakun:20210419191930j:plain

宮崎名物の釜揚げうどん 今日は織田薪(おだまき)

f:id:nayutakun:20210419192043j:plain

うどんだけでは足らずに、にくまき本舗の肉巻き

 本日土曜日の天候は雨。5:40にホテルを出て、宮崎駅に向かう。6:01の始発の列車で都農に6:40に到着。今回は、大変ズルいと思うのだが、都農駅から尾鈴キャンプ場まではタクシーを利用。前回は尾鈴山瀑布群から都農駅まで歩いたのだが、17kmほどある。現地までは公共交通機関利用か徒歩のみと決めており、本来はScheduled Public Transportation(時刻表のある公共交通機関)を意図していたのだが、今回だけは勘弁してほしい。当地の公共交通機関網はものすごく貧弱で、土日のみでは次の目的地にたどり着くことができなくなってしまうのだ。

f:id:nayutakun:20210419192205j:plain

昨夜から続く雨

f:id:nayutakun:20210419192229j:plain

始発の日豊本線で都農に向かう

 都農駅日豊本線の列車が到着したときには、予約をしていたタクシーがすでに待ってくれていた。気のよい男性の運転手さんで、かつて都農の町まで走っていたトロッコ列車の跡などを教えてくれた。先日は、リヤカーを曳いて日本一周をしている人を見かけたとか。話が弾み、目的地まで退屈しなかった。

f:id:nayutakun:20210419192326j:plain

尾鈴山の山開きは4月29日だった

 尾鈴キャンプ場入り口までは30分ほど乗車し、7:15に到着した。あいにく強い雨が降っており、運転手さんは心配そうにこちらを見る。上下の雨具を装着し、靴にはゲーターを着けて、7:30に行動を開始した。

f:id:nayutakun:20210419192406j:plain

雨具完全装備で歩き始める

 県道307号線から橋を渡り、トロッコ道のトンネルを抜けてしばらく進み、もう一つの橋を渡るとキャンプ場。設備の整った快適そうなキャンプ場だが、誰も宿泊していないようだ。いつか再来の時のために山小屋の位置を確認して先に進む。

f:id:nayutakun:20210419192451j:plain

ロッコのトンネルに進む

f:id:nayutakun:20210419192531j:plain

橋を渡るとキャンプ場

f:id:nayutakun:20210419192552j:plain

広くて快適そう

 キャンプ場の裏手から階段を上り、高度を上げていく。右手に川が見えてきて、まずは若葉の滝が出てきた。これも十分に見事な滝。滝壺からの流れにあった置き石を伝い、対岸に徒渉する。徒渉地点から100mほど進むと矢研(やとぎ)の滝が現れた。落差73mの壮大な滝で、日本の滝100選に選ばれている。東遷前の神武天皇がここで矢を研いだことから矢研の滝と名付けられたとのこと。

f:id:nayutakun:20210419193042j:plain

キャンプ場の裏手から山にとりつく

f:id:nayutakun:20210419193105j:plain

最初に現れるのは若葉の滝 流れ出しを石伝いに徒渉

f:id:nayutakun:20210419193209j:plain

100mほど進むと矢研の滝が現れる

f:id:nayutakun:20210419193241j:plain

水量の多い迫力のある滝

 矢研の滝から若葉の滝にいったん引き返し、今度は山に向かう道を上っていく。谷川に架けられた梯子の片方が水中に降りている。そこから対岸の梯子まで5mほどは膝下の深さの川を徒渉しなければならない。やむなく、靴と靴下、ゲーターを脱いで、ズボンを膝上までたくし上げて徒渉した。水は冷たく、川の石が足に突き刺さる。

f:id:nayutakun:20210419193344j:plain

再び山道を登る

f:id:nayutakun:20210419193407j:plain

梯子は水中まで

f:id:nayutakun:20210419193459j:plain

覚悟を決めてズボンをたくし上げる

 対岸にたどり着き、タオルで足を拭いていると、目の前の落ち葉の中から、3cmほどの長さの茶色のミミズのような生物が、尺取り虫のような運動をしながら近づいてきた。初めて見たが、これがヒルだとすぐに分かった。炭酸ガスに反応するようで、こちらにロックオンしてものすごい勢いで接近してくる。恐ろしい。すぐに撃退した。すでに素足にくっついた個体はいないか確認してから、靴下を履いた。

f:id:nayutakun:20210419193537j:plain

ヒルがものすごい勢いで寄ってきた(閲覧注意!)

 さらに山道を進み、今度は矢研の滝を上から眺める。このあたりの山道もかつてはトロッコ列車が走っていたようだ。幅1.5mほどの切り通しが作られており、全体に勾配は緩やか。山道としては非常に歩きやすい。

f:id:nayutakun:20210419193641j:plain

矢研の滝を上から眺める

f:id:nayutakun:20210419193708j:plain

このあたりはトロッコ

 谷間の小さな流れのあるところには、幅の狭い橋が架かっている。これもトロッコ列車の橋を利用しているようだ。

f:id:nayutakun:20210419193734j:plain

こんな谷間の流れは至る所にある

f:id:nayutakun:20210419193814j:plain

そのたびにトロッコは小さな橋を渡っていたようだ

 矢研の滝の上流には、天の磐船(あまのいわぶね)というニギハヤヒコノミコトが高天原から乗り捨てた船だとされる石があるが、これは無理をしすぎ。どうみても浮かびそうには見えない。

f:id:nayutakun:20210419193900j:plain

ロッコ道から川に下りると天の磐船

f:id:nayutakun:20210419193937j:plain

これが置き去りにされた磐船

 ここから先もトロッコ道が続く。ところどころに枕木も残っている。よく見ると、レールを止める犬釘のようなものが残った枕木もある。このトロッコ道は渓流のすぐ横を走っていたようだ。今から70年ほど前は、この道の上の線路を、切り出した材木を積んだトロッコが走っていたと思うとワクワクしてくる。もし、現在もトロッコ列車が走っていたならば、週末ごとに日本中のその筋のマニアが大集合しているのではないだろうか。

f:id:nayutakun:20210419194106j:plain

快適なトロッコ道が続く

f:id:nayutakun:20210419194131j:plain

枕木らしきものに犬釘と思われる金属が残る

f:id:nayutakun:20210419194303j:plain

ロッコ道の横に渓流が流れる

f:id:nayutakun:20210419194326j:plain

線路はさらに続く

f:id:nayutakun:20210419194401j:plain

 トロッコ道を抜け、9:33に自動車の轍の跡のある林道に合流した。林道には現在も伐採されたスギ材が並べられている。心地よい林道をしばらく歩く。9:45に九州自然歩道の分岐の標識が出てきたが、地図ではさらに200m先に分岐があるように見える。9:50に地図上の分岐点から川に向かって降りたところ、トロッコ列車の線路跡にたどり着いた。さきほど林道で終点だと思っていたトロッコ列車は、さらに上流まで線路が敷設してあったようだ。ただしこのコースはメインテナンスがあまりよくなく、倒木が多く、一部は藪になっている。もう少し進むと、橋長20mほどのやや長めの橋が出てきた。ここからは急斜面となり、この先には線路は敷設してなかったように見える。

f:id:nayutakun:20210420082009j:plain

林道と合流

f:id:nayutakun:20210420082129j:plain

500mほどの林道歩き

f:id:nayutakun:20210420082416j:plain

再び山道に入るが、路盤はトロッコ道のよう

f:id:nayutakun:20210420082458j:plain

倒木に塞がれる

f:id:nayutakun:20210420082517j:plain

枕木が残っていた

f:id:nayutakun:20210420082548j:plain

この橋の先でトロッコ道は消えていた

f:id:nayutakun:20210420082646j:plain

ロッコ道は渓流に変わる

f:id:nayutakun:20210420082708j:plain

美しい流れを眺めながら登る

 10:18にさらに川沿いに進んだところで、コースを示す赤テープが現れ、川向こうにも赤テープがはためいている。ここが渡渉地点のようだ。昨日からの雨のせいか、流れが速く見える。赤テープの少し上流に大きな石が並べておいてある。ふたたび靴を脱いで、ズボンを膝上までたくし上げた。水は冷たい。意外に流れが速く、油断すると水流に押されて転倒しそうになる。水面に頭を出した石を掴みながら、無事に渡渉することができた。

f:id:nayutakun:20210420082806j:plain

川岸に赤いテープの徒渉点がここ

f:id:nayutakun:20210420082854j:plain

石伝いには渡れなかった

 徒渉した後は山道をぐんぐん登っていく。10:33にも小さな渡渉地点があったが、今度は靴を脱がずに石伝いに渡渉することができた。

f:id:nayutakun:20210420083040j:plain

徒渉後は急な山道

f:id:nayutakun:20210420083058j:plain

さらに登る

 10:35には林道との交差が現れた。林道が歩けるかと期待したが、すぐ目の前に遊歩道の看板があり、スギの植林の山道に進む。ここまで山道と徒渉はずいぶん堪能したので、そろそろ歩きやすい林道を歩いても文句はない。さいわい、下草のしっかり刈ってある歩き易い山道でホッとした。今日は雨で下草は雨をたっぷり含んでいるので、藪漕ぎをしようものならばずぶ濡れになってしまう。

f:id:nayutakun:20210420083156j:plain

林道との交差には反対側に小さな標識

f:id:nayutakun:20210420083305j:plain

すぐに山道に入る

f:id:nayutakun:20210420083409j:plain

ところどころ荒れている

f:id:nayutakun:20210420083438j:plain

大規模な法面補修も何カ所かで行われている

 11:00にはふたたび林道と交差。ここも遊歩道の小さな看板が立てられており、すぐに山道に入る。しばらくスギの植林を縫うように進むが、11:23に藪の中に入っていった。GPSで方向を確認するが間違いはない。藪漕ぎでしばらく格闘したら抜けることができた。

f:id:nayutakun:20210420083906j:plain

山道を下る

f:id:nayutakun:20210420083928j:plain

こんな植物が密生していた イネ科の植物に寄生するナンバンギセルに似るが正確な名前は分からない

f:id:nayutakun:20210420084034j:plain

スギの植林の中を進む

f:id:nayutakun:20210420084055j:plain

荒れた道に突入

f:id:nayutakun:20210420084141j:plain

藪を抜けて平地にたどり着く

f:id:nayutakun:20210420084218j:plain

小川を越える

 この後、しばらくは谷間を進み、12:11に川べりに出た。ここからは川の上流に向かって進む。地図で石並川と確認できた。この川は絶景の連続だった。岩をくりぬいたような深い淵が現れたと思ったら、左からしぶきを立てて勢いよく流れ込こむ支流がある。その上流では本流も二つに分かれて左右から滝になって合流している。まだ行ったことはないが、写真でよく見る高千穂峡のようだ。

f:id:nayutakun:20210420103841j:plain

しばらくは川の音を聞きながら山道を歩く

f:id:nayutakun:20210420103932j:plain

高千穂峡のような光景が現れて息をのむ

f:id:nayutakun:20210420104043j:plain

二つに分かれた川が滝となって合流している

 山道は左の滝に沿って登っていくが、7段ぐらいの滝となっている。右の川の部分もさらに落差のある滝になっているようだが、よく見えず、滝の音だけが聞こえてくる。

f:id:nayutakun:20210420104302j:plain

左の滝に沿って登っていく

f:id:nayutakun:20210420104347j:plain

まだまだ上まで数段の滝が続く

 左の滝の4段目ぐらいのところに赤いテープが現れ、徒渉地点とされているかと思われた。向こう岸の岩が削られており、道が続いているのが見える。しかし、本日は水量が多く、この滝を渡ることはできそうにない。

f:id:nayutakun:20210420104451j:plain

ここが徒渉地点なのだが、今日は渡れない

f:id:nayutakun:20210420104543j:plain

上の滝まで巻いて徒渉する

 そこで、一段上の滝まで巻き、靴を脱いで徒渉する。しばらく前に進んだ人がいるようで、うっすらと踏み跡がついている。こちらの滝の流れ出しの方は幅が狭いが、今日は水量が多く、足が取られそう。岩も滑りやすく、慎重に水につけた素足を進め、ようやく対岸の石にしがみついた。渡り終えたのは12:16だった。雨のためか滝の水は濁っているが、見事な滝だ。滝の名前を示す看板はない。落差こそそれほどないが、滝のコンビネーションと岩をくりぬいて流れる様がすばらしい。

f:id:nayutakun:20210420104644j:plain

この地点でなんとか徒渉できたが流れは強い

f:id:nayutakun:20210420104910j:plain

f:id:nayutakun:20210420104944j:plain

ようやく山道に復帰

f:id:nayutakun:20210420105025j:plain

滝の全景をおさめようと思ったが無理。この上に数段、下にも数段の滝が続く。

 滝を渡り終えた後はスギの植林を抜けて、12:29に橋のたもとで林道と合流した。標識には林道西林神隠線と書いてあり、北の西林山と西の神隠山の裾野を流れる石並川に沿って敷設された林道のようだ。雨が弱くなってきたので、材木置き場で荷物を下ろし、昼食とした。林道沿いにはコース中の数少ない平地があり、先行された方たちはこのあたりで野営をすることが多いようだ。

f:id:nayutakun:20210420124049j:plain

滝の徒渉の後はしばらくスギ植林の中を歩く

f:id:nayutakun:20210420124130j:plain

林道西林神隠線に出る

f:id:nayutakun:20210420124206j:plain

しばらくは快適な林道を歩く

f:id:nayutakun:20210420124242j:plain

山の緑が目に沁みるよう

 12:50に行動再開。林道を400mほど西に上流に向かって歩いて、九州自然歩道の標識に従って河原に出た。ここにも赤テープが巻いてある。この川は、川幅があり、深く、流れが早い。赤テープの徒渉地点では膝上まで水に浸かりそうだ。しばらく上流まで遡行して、一番狭いところを探してズボンを一番上までたくし上げて徒渉を開始した。流れが強く、荷物を担いだ身体は安定しない。足を動かすと下流に持って行かれる。転倒しないようにすり足で慎重に進む。長く水に浸かっていたため、足が痺れてきた。水面はズボンギリギリで、少し濡れてしまった。ようやく対岸にたどり着き、靴を履き終えたのが13:53。この徒渉はなかなか難易度が高かった。

f:id:nayutakun:20210420124508j:plain

林道を400mほど進むと、右手に川が見えてくる

f:id:nayutakun:20210420124543j:plain

標識から川に向かって降下する

f:id:nayutakun:20210420124611j:plain

このあたりが徒渉地点 深く流れも速い

f:id:nayutakun:20210420124651j:plain

 ここから先は勾配の強いスギの植林を進む。地図を見てみると、標高差が400mを越える上りが続く。14:41にようやく稜線上に出た。稜線上には標識があらわれホッとした。稜線からはほぼ同程度の高度の山道を北に向かって進む。

f:id:nayutakun:20210420124735j:plain

徒渉後は傾斜の強い山道を直登

f:id:nayutakun:20210420124810j:plain

稜線に向かってさらに登る

f:id:nayutakun:20210420124842j:plain

ようやく傾斜が緩やかになる

f:id:nayutakun:20210420124904j:plain

稜線につくと九州自然歩道の標識がある

 15:00ごろに稜線上の眺望のある小ピークに出た。雨はようやく止んで、日が差してきた。山の緑が眩しい。

f:id:nayutakun:20210420124959j:plain

稜線からは神隠山の北尾根の斜面を横切って進む

f:id:nayutakun:20210420125115j:plain

北尾根には眺望のよいところが1箇所ある

f:id:nayutakun:20210420125159j:plain

ようやく日が差してきた

 15:17に林道に出た。新しくできたばかりの林道で地図には載っていない。ここでは九州自然歩道が林道によって分断されているが、階段が自然歩道を連結するように設置されている。階段部分を日差しが照らしていたので、雨具を脱いで乾かしながらコーヒーブレイクとした。ホテルでサーモスに詰め込んだお湯がまだ熱い。インスタントのカフェオレの甘さが身体にしみる。

f:id:nayutakun:20210420125301j:plain

地図に記載のない、できたばかりの林道に出た

f:id:nayutakun:20210420125338j:plain

九州自然歩道を連結する階段が設置されている

 15:33に行動再開。雨は止んだが、藪を歩くと水しぶきを浴びるため、再度雨具を装着して歩き始める。今回もスギの植林を下り、16:04に林道と交差。ここでもコーヒーブレイク。砂防ダムから落ちてくる水で顔を洗う。冷たい水が心地よい。

f:id:nayutakun:20210420125440j:plain

林道との交差が北尾根の峠あたり。ここからはスギ植林の中の下りが続く。

f:id:nayutakun:20210420125533j:plain

f:id:nayutakun:20210420125545j:plain

再び林道に出る。この林道は地図に記載あり。

f:id:nayutakun:20210420125621j:plain

自然遊歩道の看板から山道に入る

 林道には自然遊歩道の白い標識があり、16:21にそこから下って行動再開。スギの植林であるが、ところどころに倒木がある。地図の九州自然歩道を示す破線からは少し外れているが、ヤマトホの歩行コースをトレースして先に進む。16:40に林道と交差してさらに山道を下り、16:46に小さな谷川を渡渉した。

f:id:nayutakun:20210420134658j:plain

再びスギの植林の中を下る

f:id:nayutakun:20210420134728j:plain

ところどころ山道は崩壊し、法面の補強が行われているところもある

f:id:nayutakun:20210420134803j:plain

道が消失したところもある

f:id:nayutakun:20210420134827j:plain

林道に出る

f:id:nayutakun:20210420134845j:plain

さらに下る

f:id:nayutakun:20210420134904j:plain

そこそこ快適な山道が続く

f:id:nayutakun:20210420134923j:plain

ところどころ踏み跡を探してコースを逸脱しないように注意する必要がある

 17:05に迫内川の上流の砂防ダムに出た。赤いリボンがぶら下がる渡渉地点は川幅が10m近くあり、最も深いところは膝を優に超す。ここはズボンをたくし上げても濡れてしまいそうだ。ここはまず、河原の石を徒渉地点に放り込んでおいてから、靴を脱いで渡った。すこしズボンが濡れてしまったが被害は軽微。対岸にたどり着いたら、ヒルが近づいてくる前に靴を履いて歩き始めた。

f:id:nayutakun:20210420135022j:plain

砂防ダムの上流で徒渉

f:id:nayutakun:20210420135052j:plain

山沿いの橋を渡る

f:id:nayutakun:20210420135126j:plain

舗装路に続く

 17:20に徒渉を終えて舗装路に出た。あと2kmほどで目的地の牧水公園に着く。振り返ると西林山が西日に照らされて新緑が燃えている。

f:id:nayutakun:20210420142416j:plain

砂防ダムの徒渉を終えると舗装路に続く

f:id:nayutakun:20210420142447j:plain

西林山を西日が照らす

f:id:nayutakun:20210420142607j:plain

広葉樹が薄い緑の葉を拡げている

 しばらく舗装路を歩いていると家並みが見えてきた。のんびりとした町のようだ。

f:id:nayutakun:20210420142712j:plain

東郷町の町が見えてきた

f:id:nayutakun:20210420142734j:plain

牧草地に囲まれた、のんびりしたところ

 17:56に牧水公園に到着した。満開のツツジが見事だ。残念ながら本日は牧水公園の食堂や施設はコロナ対策のために休館。キャンプ場も閉鎖されていた。今日はキャンプ場に宿泊するつもりだったので残念だ。暗くなる前に野営可能な平地を探さなければ。

f:id:nayutakun:20210420142818j:plain

牧水公園に到着

f:id:nayutakun:20210420142842j:plain

ツツジ園が満開

f:id:nayutakun:20210420143147j:plain

f:id:nayutakun:20210420143157j:plain

ハチも蜜を集めるのに一生懸命

f:id:nayutakun:20210420143229j:plain

f:id:nayutakun:20210420143240j:plain

2021年4月17日 九州自然歩道 98日目 宮崎県児湯郡都農町尾鈴キャンプ場~宮崎県日向市東郷町牧水公園 雨のち晴れ 21/6℃ 行動時間10:43 18.5km 38025歩

 往路交通:

福岡空港18:25ANA4671-宮崎空港19:10/19:18-宮崎19:28(前泊)

宮崎6:10日豊本線-都農6:40/6:45タクシー-尾鈴山キャンプ場7:15