九州自然歩道を週末に歩き倒す

目標は九州自然歩道の総延長2932km踏破。

九州自然歩道 26日目 龍馬の行き来した長崎街道を歩く 長崎県長崎市金毘羅山~諫早市碁盤の辻 2020年3月21日

 今朝はあたりが明るくなってきた6:00に、長崎市街が一望できる金比羅山の山頂で目を覚ました。ちょうど太陽が昇り始めるのを見ながら、撤収作業を進めた。朝日を浴びながらコーヒーを飲んで、7:10に行動を開始した。

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金比羅山から眺める日の出

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金比羅山頂コーヒー

 山頂からはよく整備された急な山道を下り、金比羅神社にはおよそ30分で到着した。神社の手前にはキャンプ場のような広場があり、こちらに泊まることもできそう。トイレもある。

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金比羅神社近くの広場

 金比羅神社は立派なお社が立ち並んでおり、お詣りしてから西山集落を目指して進み始めた。しかし、分岐点が見つからず、何度も怪しい地点をうろつくが下り道への入り口がわからない。仕方がないので藪をかき分けて進むと、下りの階段の手すりが白く見えた。今度はその手すりを目印に進み、ようやく分岐点を見つけることができた。

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金比羅さんのきれいなお社

 ここからは、コンクリートで固められた急な階段を下りて、傾斜地に張り付くようにして家が建てられている西山集落に8:04に到着した。

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長崎の町はこんなところが多い

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 ここからは車道を歩き、ダムを通過し、西山水源池に沿って上流に向かって進む。最上流部の木場の集落に到着したところで、ベンチのある公園をみつけ、ここでシリアルの朝食とした。

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西山水源池のダム

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公園でシリアルの朝食

 朝食の後は、木場の集落から急な勾配を何度も折り返しながら高度を上げていく。今日は、太陽が上がってくるとかなり暑い。汗をかきながら峠を越え、車道から山道に折れて進んだ。

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集落の勾配も急

 ここからは整備状況の悪い山道となったが、ほどなく9:48に集落に出て、ふたたび舗装路を下り始めた。10:22には田の河内集落のバス停に到着し、ベンチでしばらく休憩した。

 集落から500mほど進むと、中尾ダムに到着した。ダムのたもとには地産品の販売の店があったがとくに興味をひくものはなかった。

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中尾ダム

 そのまま下流に歩いていくと、東長崎の矢上町の市街地に出た。ここで昼食を摂ることとし、11:40にインド料理の店に入ってゆっくりとランチを楽しんだ。

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下界で食べるランチは贅沢に

 12:20に行動を再開し、ここからは八郎川沿いに進む長崎街道に入った。川沿いの交通量の少ない道路で、時折立ち並ぶ松の並木やお地蔵さんが往時の長崎街道を偲ばせる。

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このあたりから長崎街道の標示が目立つ

 13:00に長崎街道沿いの松井麹店に入り、甘酒を頂いた。この甘酒は加熱処理をしていない本物の甘酒で、店舗でしか飲めないとのこと。甘味料は使用していないのにとても甘く、飲みやすい。江戸時代から続く5代目の店主から、糀の蘊蓄をたっぷりと聞かせてもらった。

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松井麹店 饅頭が人気で何人も買いに来ていたが売り切れ

 さらに川に沿って長崎街道を進む。このあたりは時折、造成された住宅地によって長崎街道が寸断されている。

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 13:50にセブンイレブンでコーヒーブレイクとした。コーヒーを飲みながら地図をチェックすると、ここから先の長崎街道は山中に進み、補給が期待できそうにない。本日最後の補給のため、晩ご飯の食材を購入して、長崎街道に従って山手に入っていった。

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山手の街道からは大村湾が見える

 今日は快晴で、歩きはじめると暑い。30分ほど進んだところで、井樋の尾観音があったため、お詣りした。きれいに境内が掃除された観音様で、涼しくて気持ち良さそうなので、観音様の縁側で昼寝をさせてもらった。40分ほどゴロリとしていたところで、近所の方がお詣りに来てその音で目が覚めた。聞けば地元の方々は、毎週この観音堂の清掃をしているとか。なるほどよく手入れがされている。

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井樋の尾観音で一休み

 長崎街道はここからさらに深い山に入っていく。かつて峠の茶屋があった峠集落を16:09に通過。数軒の家々が散在する花ノ木集落を16:23通過し、ここから険しい山道に入る。

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さらに長崎街道を進む

 山道の入り口の案内にあった3つの海が一遍に見渡せるという碁盤の辻を目標にして歩きはじめる。ところどころ山道には傷んだところがあったものの、難なく17:10に碁盤の辻に到着。しかし、期待した眺望はまったくなく、がっかりした。

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 さらに、碁盤の辻から東に分岐する道の入り口がわからない。またもや藪をかき分け、ようやく下りの道を見つけた。しばらく下ったところで快適そうな草地を見つけたので、17:33と若干早いが今日はここで行動終了。10時間も歩くと、疲れる。

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かつては東西南北に碁盤のように海が見渡せたという碁盤の辻の現在の姿

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草地の上に寝るとふかふかで気持ちがよい

 現在は雲一つない快晴。天気予報では夜半から雨とのこと。とても雨が降るとは思えない青い空。明日は天気予報が外れますようにと祈りながらテントの設営を行う。

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2020年3月21日 九州自然歩道 26日目 長崎県長崎市金毘羅山~諫早市碁盤の辻 快晴 気温19/13 距離24.3km 行動時間10:31 38116歩

九州自然歩道 25日目 真っ青な空の下の平和の街を歩く 長崎市畝刈町~長崎市金毘羅山 2020年3月20日

 九州自然歩道のトレッキングもいよいよ長崎市内。今回は、長崎市内のホテルに仕事の終わった木曜の夜から前泊し、大浴場でゆっくり手足を伸ばして明日から3日間のトレッキングに備えた。

 金曜の朝は長崎駅前まで歩き、ふだんはまず食べることのない吉野家で朝ご飯の定食をがっつりと食べてから、前回の九州自然歩道からの離脱地点の長崎市畝刈町までバスで向かった。8:12に畝刈のバス停に到着し、少し先のセブンイレブンで昼食用のおにぎり2個とサラダを購入。8:30から歩行を開始した。

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登山道から眺める畝刈の町

 しばらくは舗装路を進み、2回ほどスイッチバックの後、飯盛岳の登山道に入ると整備状況の悪い山道に変わった。途中で九州自然歩道から400m離れた位置に飯盛岳の246mの山頂へのコースがあったため、とりあえず行ってみたが、まったく眺望はなく、三角点も設置されていないようで、残念ながらわざわざコースを外れてまで行くようなものではなかった。

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 飯盛岳から先の登山道は稜線伝いで、ときどき右手に海が見える好ルート。整備状況も良好で心地よい。しばらく心地よい山道を進むと、牧場の柵が見え、九州自然歩道から100mほど外れたところに矢筈岳の山頂がある。336mの矢筈岳の山頂には10:04に到着。山頂は岩でできており、南方向が開けた絶壁で、眺望は最高に良い。

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海が見える好ルート

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矢筈岳の山頂から

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 ここでコンロを出してお湯を沸かし、30分のコーヒーブレイクとした。今日はスターバックスのOrigamiを持参。このコーヒーは香りがよい。

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今日はスターバックスのOrigami

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矢筈岳の山頂コーヒー

 コーヒーブレイクの後は、矢筈岳から600mほどの地点の、あぐりの里というテーマパークのような施設に到着。きれいに植え込みが整備されており、家族連れが多数訪れている。羊などの動物もチラホラ。ここを少し見学して先に進むことにした。

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のんびり過ごせそうなあぐりの里

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季節の花も植えてあり

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店舗も入っているよう

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 あぐりの里から式見ハイツ、現あぐりの里高原ホテルを経由し、舗装路を進み、11:45に式見ダムに到着した。ここはやや小規模な水源ダム。

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あぐりの森高原ホテル

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式見ダムの手前の観音岩

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式見ダムは小規模な水源ダム

 式見ダム湖の西岸を進み、山道に入る分岐点でちょうど12:00となったため、ベンチでコンロの準備を始めた。お湯を沸かし、ふかひれスープを作り、畝刈のセブンイレブンで購入したおにぎり2個と卵サラダの昼食とした。食後にアップルティーでさっぱりした。

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岩屋山への山道は快適

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 昼食後は12:32から山登りを開始。ここで、舗装路は終わり、岩屋山までは山道。山頂まで3.5kmの標示。山道の整備状況は良好で、13:41に475mの岩屋山の山頂に到着した。

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岩屋山の山頂からの眺めは素晴らしい 飛びたくなってしまう

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 岩屋山は南面が開けており、長崎市街が一望できる素晴らしい眺めの山頂。山頂は10人以上の登山客で賑わっている。ここでは水を飲みながらしばし休憩。その後、下りに入る。岩屋山からの下りルートはかなり急で、少し苦労した。しかし、しばらく下ると快適な稜線の山道に出た。この稜線の山道は整備状況がすばらしく、木洩れ日もちょうどよく、理想的な山道。4kmほど下り、15:06に市街地に出た。

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岩屋山の山頂でもゆっくり過ごせそう

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長崎の住宅地は坂坂坂

 降りたところは長崎の市街地の油木町。シンボリックな形をした長崎市科学館、体育館の横を通り、平和公園に向かった。

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長崎科学館

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 ここでは原爆落下中心地、平和記念像を見学した後、浦上天主堂を経由して金比羅山の登り口に向かった。

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長崎市電の平和公園駅を渡り

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ここが爆心地

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平和記念像

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浦上天主堂

 時間は16:00とまだ明るいが、今日はすでに8時間近く歩いているので少しつらくなってきた。金比羅山から先には行けなさそうな気もしてきたので、金比羅山の山道に入る前にローソンでしばしのコーヒーブレイクと晩ご飯のおかずを補給した。

 その後、16:30に金毘羅山の山道を登り始めた。3.4kmの山道に1時間半をかけてゆっくり上り、18:00に金比羅山の366mの山頂に到着した。ここも長崎市街地が一望できる眺めの良いピークで、数名の登山客が夕暮れの長崎の街を眺めていた。

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金比羅山頂

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金比羅山頂からの眺めも素晴らしい

 幸い、金比羅山頂には平らなスペースがあったため、なるべく風の当たりにくい方向にテントを張った。

 まだ日が落ちる前だったため、しばらく写真の整理などしてから晩ご飯の準備を開始した。今日の晩ご飯は、白米と鳥の照り焼き、サラダ、豚汁。量はたっぷりで、白米の浸水時間をたっぷりとったため美味しく炊けた。

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長崎の町の向こうに日が沈む

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シュラフに入る前に夜景も見ておいた

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  ご飯の後には、テントを出て長崎の夜景を楽しんでからシュラフに潜り込んだ。

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2020年3月20日 九州自然歩道 25日目 長崎市畝刈町~長崎市金毘羅山 晴れ 気温18/10 距離20.7km 行動時間9:54 38135歩

往路交通:福岡市営地下鉄 西新19:15-天神19:23/西鉄天神高速バスターミナル19:35-長崎駅前21:49(前泊)長崎自動車 長崎駅前7:36-道開 8:12

九州自然歩道 24日目 4日間の西彼杵半島縦走を終える 長崎県長崎市下黒崎町~長崎市畝刈町 2020年3月8日

 夜半から雨は止んで、外は静かだった。6:30になり外が明るくなったのでテントの外に出てみた。野営地は木々に囲まれているためまだ日が差し込んでこないが、晴れている。よかった。

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雨が止んだ

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日が差してきたので濡れたものを乾かす

 バックパックにはレインカバーを付けていたが、パッキングされていない持ち物はすべてびしょ濡れだった。テントから荷物を出して、陽のあたるところに並べる。その横でコーヒーを淹れて、パンと一緒に朝食を摂った。テントと上着が乾くのを待って、8:54に行動を開始した。

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テントも乾かす

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昨日は暗くてわからなかったがこんなきれいなところに泊まっていた

 ほどなく人家がチラホラ見えてきた。才木の集落だ。地図ではこのあたりに分岐点があるはずだがなかなかわからない。高圧線を目印に進む。

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最初に歩いたのはときおり普通乗用車が通過する良好に整備された広域農道

 結局、分岐点は見つからず、9:41に1kmほど先の樫の久保で誤ったコースをとっていることが明確になる。地図を見ると、ここから南下すれば九州自然歩道への復帰は容易。このあたりの自然歩道は、軽トラックしか通らない舗装された農道と普通乗用車がまれに通る立派な農道の2種類しかないようなので、迷うことなく進むことができる。

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こちらの道を進んで九州自然歩道に復帰

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 たまに軽トラックが通る農道を南に進み10:03に藤の尾で九州自然歩道に復帰した。

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藤の尾バス停

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 このあたりには工場も散在しており、自販機もときおり設置してある。町が近づいてきた。

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山中に現れた浄水施設

 浄水場の横を通り、10:27にさくらの里の運動公園でコーラを飲みながら小休止とした。地図を見ると、ここからは市街地の外周をぐるりと回るコースとなっている。しかし、このあたりには道標はほとんどなく、慎重に地図を確認しながら進む。

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このあたりはこんな道で分岐点も多いが道標はなし

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こんな景色のところもあり

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畑で行き止まりになるところもあり

 何度か人家の庭先で行き止まりになりながらも、11:20に畝刈の市街地に到着した。

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畝刈の市街地

 まだ時間が早いが、ここから先に進むと途中で山中1泊が要りそうだ。11:27のバスで長崎市街に向かい、久しぶりに美味しいものを食べようと決心した。

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長崎市まで出て、吉宗(よっそう)の茶碗蒸しと蒸寿司のランチにした

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2020年3月8日 九州自然歩道 24日目 長崎県長崎市下黒崎町~長崎市畝刈町 晴れ 17/8 距離9.0km 行動時間2:39 14103歩

復路交通:長崎バス 道開 11:27-長崎駅前 12:05/高速バス 九州号 17:15-西鉄天神高速バスターミナル 19:22/福岡市営地下鉄 天神 19:29-西新19:37

 

九州自然歩道 23日目 神浦の棚田を楽しむ 長崎県西海市大瀬戸町つがね落としの滝~長崎市下黒崎町 2020年3月7日

 今日は滝の音を聞きながら目を覚ました。水の落ちる響きを楽しみながらコーヒーを淹れ、8:03にスタートした。

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滝の横のキャンプサイトにテントを設営

 つがね落としの滝の側道から九州自然歩道に復帰し、舗装路の上り坂をしばらく歩く。小雨がぱらついてきた。8:53に県民の森西ゲートに到着したときには本格的に降り出してきたため、レインパンツをはき、バックパックにはレインカバーを装着した。

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まずは快適な舗装路から

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長崎県民の森西ゲートに到着

 県民の森は岩背戸渓谷に沿って遊歩道がつけてあり、とても景色がよい。しばらく渓谷を楽しみながら進む。ストックを持った早朝ウォーキングの男女にすれ違う。

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岩背戸渓谷に沿った遊歩道

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岩魚が潜んでいそうな

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川に沿って歩く

 9:26に県民の森のこまどりの橋に到着し、ここから右折して山道に入る。これまでの心地よい舗装路から、急な傾斜の山道に変わる。このまま県民の森の気持ちの良い舗装路を迂回するコース設定をしてくれてもいいのに、九州自然歩道の設置担当者はよりハードな道を選択する傾向がある。

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重たい荷物を担いでいると、せっかくきれいな渓谷に沿った道があるのに、こっちに行かせるのかよと文句も言いたくなる

 長崎県民の森の部内の名称では健脚コースと名付けられた道のりを歩き、10:22に県民の森キャンプ場の管理棟に到着した。ここはキャンプ場の受付であるが、本日は泊り客は1人もいないとのこと。午後3時に次の客が来るまでは暇だからゆっくりしてくださいということで、ストーブで身体を温めながらシリアルの朝食とする。雨が大粒に変わり、野外作業をしていたと思われる男性たちも次々と管理棟に戻ってくる。

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長崎県民の森キャンプ場のエントランス

 戻ってきた男性から、通り道近くにある笹野食堂について尋ねると、予約制だから電話をかけてみたらよいとのことで電話を掛けるが、あいにく満席だとのこと。残念。管理棟では11:43までゆっくりした後、大粒の雨の中を再スタートした。

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県民の森を出るとすぐに御用堤が現れる

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雨が強く降っている

 御用堤の横を通り過ぎ、琴平神社の境内に到着した。それほど大きくない神社だが、鳥居をくぐって石段を下りていくと、ずーっと長い石段が続いていく。千段近い階段ではなかったかと思う。一番下の鳥居をくぐり、12:32にようやく神浦ダムに向かう長い下り道に合流した。

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琴平神社

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神社からの長い石段

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まだまだ続く石段

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下の鳥居に至るまでが長いこと

 ここからは、神浦ダムダム湖を木々の向こうにちらちらと見ながら先に進み、13:20に神浦ダムと神浦市街地との分岐点に到着した。このまま進んでもこの先に補給はなさそう。しかし、神浦の市街までは4km以上あり、山のふもとの海岸べりに家々が並ぶのが見える。とても迷ったが、4km下って、食料品を調達することとした。14:00に神浦市街地に到着し、食料品を買い、14:30に再び山上に向かって歩きはじめた。雨は再び大粒に変わってきた。

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遥か下に見える神浦の町

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この町で食料を調達

 15:20に分岐点に戻り着いた。九州自然歩道の本線に復帰し、15:40に神浦ダムに到着した。ここで小休止した後、ダム湖沿いに進んだ。

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途中の棚田は見事

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神浦ダム

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ダム湖に沿って上流に進む このときは土砂降り

 16:26にダム湖の最上流部に到達し、ここから右に折れ、舗装された山道に入った。17:00に峠に到着し、牧場を通過した。

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放牧中の牛がわざわざ挨拶に来てくれた

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雨に煙る山並み 写真で見ると荘厳にも感じるが、土砂降りの中を一人で彷徨っていると心細いことこの上ない

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 17:40林道から自動車の往来のある舗装路に出た。次第にあたりは暗くなってきた。少し小雨になったところで、道路わきにスペースを見つけ、18:00にテントの設営を開始した。

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 設営を開始するのと同時に、再び大粒の雨が降り出し、装備は雨でぐちゃぐちゃに濡れてしまった。GPSで確認すると、本日の野営地は長崎市下黒崎町の山中で標高257m。とうとう長崎市内に入った。長崎は今日は雨だった。

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2020年3月7日 九州自然歩道 23日目 長崎県西海市大瀬戸町つがね落としの滝~長崎市下黒崎町 雨 12/3 距離27.3km 行動時間10:47 42421歩

九州自然歩道 22日目 西彼半島の山中をひたすら歩く 長崎県西海市西海町伊佐の浦~西海市大瀬戸町つがね落としの滝 2020年3月6日

 未明から寒くて何度も目が覚めた。現在使用している夏用のシュラフではまったく歯が立たない寒さで、九州では初めて経験した寒さだった。明け方には寒さに耐えきれず、ガスバーナーを少し焚いてテントを温める必要があるぐらいだった。

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フライシートが霜と結露でガチガチに凍ってしまっていた

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 6:00を過ぎ、ようやくあたりが明るくなってきたところでテントから出てみると、テントの外側の防水シートのフライには真っ白に霜がつき、テント内部から発生する水で結露した部分はカチカチに凍結していた。昨日は雲量0の快晴だったため、放射冷却が起きたようだ。また、テントの設営地も、川に沿った湿気の多いところだったためだと思う。それにしても寒かった。このあたりの標高は200mほど。1月に縦走していた、標高1000m近い、雪の残った背振のほうが気温は低かったと思うが、今回は3月に入り油断してTシャツの上には薄い7分袖のみだったのが敗因の一つ。

 早めに出発して身体を動かして温かくなりたいとは思いながらも、なぜか撤収には手間どり、8:00に行動開始。簡易舗装がされた林道を、伊佐の浦ダムに向かって歩きはじめる。1kmほど川沿いに上ったところで九州自然歩道の標識が出て、渡河地点を示している。橋はない。渓流の石を伝って対岸に渡る。

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浦川の渡河地点

 そこから先は、整備状況の良い山道を登る。ただし傾斜は割ときつく、先ほどまでの寒さはまったく感じなくなる。

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石畳で整備された山道だが傾斜はきつい

 山道のピークを越えたところで自動車道の下をくぐる。ここからは地図上では150mほど進んだところで川を越えて対岸に渡り、山を上るようになっているが、とりつき口がわからない。ここかと思われるところに踏み跡が見えたので、しばらく進むが藪に阻まれ先には進めない。やむなくもと来た道をさらに奥に進んだところで九州自然歩道の標識が出て、う回路に誘導される。ここは、地図よりも迂回距離が長いようだ。う回路の谷にも、全体に霜が降りている。

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自動車の通る橋が見える

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谷あいは霜で白一色

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 そこからは尾根伝いの快適な山道を進む。

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快適な山道が続く

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景色もよい

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足跡はイノシシのもののほうがはるかに多い

 9:30に4km地点の九州自然歩道の分岐点となる牧場に到着した。ここは無人となってしまった牧場のよう。日当たりの良いところに腰掛け、昨日購入してあったちらし寿司の朝食とする。

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廃墟となってしまっている牧場

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 しばらく小休止の後、歩きはじめるが、ここでは標識が途切れ、自然歩道のとりつき口がわからない。ここの分岐は少しわかりにくく、どちらの道をとってよいのか迷う。この辺りは電波が届いておらず、GPSが動作しない。地図を確認して、方角を合わせて道路を選んで進む。カーブの状態が地図とだいたい一致していたため安心していたが、地図上にない分岐が出てきたため、ここからどちらに進もうか迷う。

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道に迷っている途中で見つけた池 赤く染まっている

 しばらく南に進んだところで、牛舎のところにいた女性に聞いて、だいたいの位置を把握できた。県道122号線を東に進み、白岳集落に進んでしまったようだ。仕方がないので、さらに東に進み、県道205号線に出て1.5kmほど南下し、九州自然歩道に復帰した。

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きれいな国道 自動車の通行もほとんどなく快適

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 自然歩道はここで県道205号線に合流しているが、2車線のきれいな道路だが交通量はほとんどない。10:30ぐらいに山内集落を通過した。ここにはバス停があるはずだが、みあたらない。さらに進むと10:43に三差路に突き当たり、広い道路に合流した。ここで、バスが目の前を通り過ぎる。さいかい交通のバスだ。バスが運行しているのは確認できた。

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無人販売所の隣で飼われていたポニー

 三差路から右折して、立派な舗装路を下り、10:55に次の分岐点となる白藤橋バス停に到着した。ここには屋根付きの立派な待合施設がある。時刻表をチェックし、昼食とする。昼食は、朝食の残りのちらし寿司と、これも買っておいたブリの竜田揚げ。

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久しぶりに見たバス停

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時刻表はこの通り

 このバス停では、ようやく電波の到達が確認できたため、ブログの記事のアップロードを試みる。しかし、電波が弱く途中でダウンしてしまう。

 昼食後は11:54にスタートした。白藤橋からは南に向かって細い道に左折して、下り道を進む。ここも舗装路。1kmほど下ったところで、九州自然歩道の標識に従い、自動車の通行が禁止された雪浦ダムの周回路に入る。ここは交通がないため荒れ放題になっている。この道路は途中で未舗装部分があったり、倒木などがある。しかし、大した問題もなく、雪浦ダムには12:45に到着した。

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雪浦ダム

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 ここからは雪浦の町に向かっての下り道。行こうかどうしようか迷ったが、西海市の推すホゲットウ石鍋製作所遺跡に向かって2kmほどの往復をすることとした。ここは室町時代に使途の分からない石鍋を制作していた遺跡があるとのこと。今回行かなければ一生来ることはないと意を決して山を下る。ところが、遺跡の入り口近くと思われるところに1枚の標識が立てられているだけ。石鍋標本も資料館も、また現場へのアクセス道さえない。ここは、ひょっとしたら教育委員会が発掘作業をしたものの、保存や盗掘防止のために意識的に公開していないのかと思うほどの秘匿性であった。何もなく引き返す空しい1時間だった。

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ゲットウに関する唯一の展示

 標高差を50mぐらい回復し、14:14から雪浦分岐をスタートした。ここからは渓流に沿った山道に入る。山道の状態は良好。傾斜の急なところには石段が取り付けてある。

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雪浦分岐からの山道

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 14:52に無名ピークを超えるが、ここは木々に囲まれ眺望はなし。15:00に井出の尾堤に出る。林の向こうに緑の水が見える。

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井出の尾堤

 さらに緩い勾配を上り、5分ほどで黒似田堤に到着する。ここを通過して、ふたたび山中の道に入る。右手に焼山、左手に無名峰に囲まれた谷あいを歩く。気持ちがよい。

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黒似田堤

 17:00ぐらいに雪浦市街の2kmほど上流部の集落に到着した。10軒ほどの家が傾斜地に点在する集落。ここには自販機があるかと期待したが、なにもなくて残念。今日は朝から補給の機会がほとんどなかった。

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 1.5km先に名所のつがね落としの滝があるとの看板がある。ここは九州自然歩道の支線にあたるので覗いてみることとした。駐車場から砂防ダムを渡り、100mほどのトンネルをくぐって滝に至る。そこそこの水量のある、形の良い滝だ。

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つがね落としの滝に至るトンネル

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名所 つがね落としの滝

 川の横に小さなキャンプサイトがあったので、そこにテントを設営した。滝の音が煩いが、自動車の音よりは快適。水、トイレがあるのがありがたい。

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2020年3月6日 九州自然歩道 22日目 長崎県西海市西海町伊佐の浦~西海市大瀬戸町つがね落としの滝 快晴 気温12/0 距離30.0km 行動時間10:57 43972歩

九州自然歩道 21日目 ミカン、ミカン、ミカン、ミカン尽くし 長崎県西海市西海橋~西海市伊佐の浦 2020年3月5日

 九州自然歩道トレッキングもとうとう長崎県に入ってしまった。現在踏破中の九州自然歩道まで復帰するためには、自宅~博多~(佐世保)~早岐西海橋と移動しなければならないため、乗り継ぎが最短となるパターンでも5時間以上を要するようになってしまった。とくに、早岐から西海橋の移動が困難で、バスが平日で1日3本、休日は1日2本しかないため、佐世保あるいは早岐に前泊しないといけなくなってしまった。なかなか大変である。だんだん、趣味と簡単に片づけられるような活動から逸脱し始めてしまったような気がする。これは何か?修行か?

 韓国への出張が取りやめになって2日空いたため、山に来てしまった。前日夜から佐世保駅前のホテルに宿泊している。5:30に起床して、シャワーを浴びる。NHKのニュースを見ながらゆっくり準備をし、6:20からホテルで朝食を済ませる。

 佐世保発7:08の特急みどりに乗車し、早岐に向かう。早岐までは特急券は不要で、またたまたま階段を上がって乗車した車両がコンパートメントだった。コンパートメントに乗車する機会はなかなかないので舞い上がってしまった。

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特急みどりのコンパートメント

 

 早岐で7:25のバスに乗り、西海橋東口までおよそ20分。7:55に西海橋のたもとの公園から続く九州自然歩道に復帰した。

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西海橋のたもとから九州自然歩道に復帰

 

 公園を過ぎると、杉崎の集落に入る。平らな石を並べた石垣が特徴の集落だ。集落は斜面のみで、南向き斜面はミカン畑になっている。大村湾に差し込む朝日がまぶしく光っている。

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石垣の積み方が特徴的

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大村湾に朝日が輝く

 

 3kmほど歩いて国道206号線に合流した。しばらくは交通量の多い道路を歩く。右手にセブンイレブンが現れたためコーヒーブレイクとした。 

 ここから先は、右手に瀬川湾がきれいに見える。その向こうには針尾島西海橋、隠居岳と、これまで歩いてきたコースが一望できる。

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瀬川湾を望む

 

 9:40に瀬川湾の一番奥になる川内の集落に到着した。ここからは国道を離れ、集落の急な坂を登り始める。

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 今日はこれまでほとんど舗装路で、ペースは極めて好調。本当は土の道のほうが歩くのには心地よいが、自動車の交通のほとんどない簡易舗装をも歩きやすい。なにより時間が読めるのがありがたい。 

 7.1km地点で再び国道と交差した。ここには日守バス停が先に見えたので、時刻表を確認に行った。案の定、バスの時刻表には1日2便のみ。 

 この先はすぐに国道を離れ、簡易舗装の農道に入る。快適な農道で、ミカン畑ののどかな風景が続く。

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ミカン畑の続く快適な農道

 

 10:55に道の駅さいかいに到着。ミカンを模した建物。温かい食べ物はハンバーだけだったので、ハンバーガーの早めの昼食とした。ハンバーガーはこれと言って特徴はなかったが、食後に自分で機械を操作して絞るミカンジュースを飲んだが、これが最高だった。はるかを6玉使った豪華なジュースで300円。いままで飲んだミカンジュースのベスト5に入る名品だった。

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道の駅さいかい みかんドーム

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はるかの搾りたてジュース

 

 道の駅から道を挟んだ向かい側にはミカンの直販場があり、10種類近いミカンの試食ができた。すべて試食した。同じ品種でも、生産者によってかなり味が異なる。

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直売所でミカンの試食 いずれも美味しい

  せとか、麗紅、はるか、サマーオレンジ、不知火、原口、上野、津の輝、など、いずれも美味しかったが、とくにジューシーだった麗紅を購入して、そろそろ出発することとした。1時間近くも道の駅と直販場で時間を消費してしまった。

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 11:45に行動を再開し、舗装路を1.3kmほど進み、30分ほどで虚空蔵山(標高306m)の頂上に到着した。

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虚空蔵山の頂上から北の眺望

 

 頂上からすぐのところに青年の家のキャンプ場があった。よく整備されている。また、イノシシ除けのために作られたとされる猪垣を模した展望台があり、上から眺望を堪能した。本日は快晴。360°見渡せた。やはり、天気が良いと気持ちがよい。

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青年の家キャンプ場

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猪垣を模した展望台

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眺望は良好

 

 虚空蔵山から先は、畑の中を進む、日本の原風景のような山道。ここも簡易舗装で歩きやすい。

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 大島が見えたあたりから山道に入り、つづら折りの道が続く。13:45に太田和の集落まで下りて県道と交差した。ここにも1日1本のバスが通っているはずだ。

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海の向こうに大島が見える

  ここから先は上りに変わり、石宗の集落を通過し、七ツ釜鍾乳洞への分岐点に14:20に到着した。ここから九州自然歩道の本線を離脱し、1kmほど山道を下り、七ツ釜鍾乳洞に向かった。七ツ釜鍾乳洞は日本九大鍾乳洞の一つとのこと。ちょっと微妙な数だなと思いつつ、入場券を購入して鍾乳洞に入る。客はただ一人。

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七ツ釜鍾乳洞の入口

 

 全長は1kmを超えるとのことであるが、一般への開放部分は250mのみ。しかし、実際に鍾乳洞の中を歩いてみると、いやに長く感じる。しかも一人だけ。閉所の苦手な私は少し不安になる。2回ほど頭をぶつけながら終点に到着した。そこから戻るが意外と遠くまで来ていることに驚く。地下に入ると、方向感覚を失うことにいつも驚く。

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 15:15に鍾乳洞を出て、道路を挟んで向かい側の食堂に入る。ここ1軒のみで選択肢はなし。しかしここが正解だった。家庭の味そのものであるが、日替わり定食が美味しいく、ボリュームがある。料理をするのは気さくなおばちゃんで、聞けばヤマトホが6月にこの家に泊まったとのこと。あなたもヤマトホやっているのかと笑われた。

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ボリュームのある定食が夕食となった

 

 七ツ釜鍾乳洞から再び山を上り、16:15に九州自然歩道の本線に復帰。再び、ミカン畑の中を通る快適な農道が続く。ときおり未舗装部分があるが、すぐに舗装路に変わる。

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 ミカン畑の手入れや収穫か、農作業の人がときおり軽トラックで通りかかる。できるだけ先に進みつつ、野営適地を探す。

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 4kmほど進み、伊佐の浦ダムへの分岐部近くの、少し日当たりの良い農道横の広場を見つけ、今日は早めに17:15に行動終了とした。テントの設営を終えても、まだ十分に明るい。

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 山の端に沈んでいく太陽を眺めながら、ガスコンロで沸かしたお湯で作ったカフェオレを飲んだ。今日は少し肌寒く、温かいカフェオレは身体に沁み込んでいくようだった。

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2020年3月5日 九州自然歩道 21日目 長崎県西海市西海橋西海市伊佐の浦 快晴 気温9/3 距離 24.8km 行動時間9:41 39724歩

往路交通:福岡市営地下鉄 西新18:15-天神18:23/西鉄天神高速バスターミナル 18:40-佐世保駅前 20:35(前泊)/JR佐世保線 特急みどり4号 7:08-早岐 7:17/西肥バス 早岐駅前 7:25-西海橋東口 7:55

九州自然歩道 20日目 潮風に吹かれながらミカン畑を歩く 長崎県佐世保市隠居岳~西海市西海橋 2020年3月1日

 隠居岳キャンプ場は快適だった。昨夜は雨の降らないところを見つけてテントを張り、ご飯を炊いて夕食。雨の音が聞こえなくなったところで外に出てみたら、雲の間からシリウスベテルギウスが美しく輝いていた。 

 しかしながら6:30に起きてみると小雨が降っている。ゆっくりと支度をし、昨日の残りのおにぎりの朝食を済ませる。このキャンプ場には水道があったため、魔法瓶一杯に熱湯を沸かして入れておいた。これでどこでもコーヒーが飲める。

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隠居岳キャンプ場から望む佐世保早岐の市街地

  雨に当たらないところでテントを乾かし、パッキングを終え、展望台に行って佐世保の全景を眺めてみる。早岐針尾島との間の水道がよく見える。西には佐世保の町も見える。このまま小雨のままでいてくれたらいいなと思いながら8:14にキャンプ場を出発する。

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奥の針尾島との間に水道(早岐瀬戸)が見える

  キャンプ場からは舗装された林道が続く。交通量は少ない。ときおり軽トラックが通り過ぎるのみ。杉の植林を抜けると早岐の町が見えてくる。正面には針尾島の山々が見える。この道は見晴らしがよく、交通量が少なくて快適だ。つづら折りの林道を先に進むと人家がチラホラと見えてくる。

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 快適な道をそのまま進んでいると、目印と思っていた貯水池が正面に現れた。本来はこの池の500mほど西を進むはず。地図を見たところ、九州自然歩道は500mぐらい手前で右に折れている。残念ながらここには標識が見当たらず、誤ってまっすぐ進んでしまったようだ。ここから東に進み、九州自然歩道に復帰を試みた。

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こちらが本来の九州自然歩道

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  ほどなく、次の目印の西九州自動車道との交差部にたどり着いた。ここから九州自然歩道に復帰。この道も、簡易舗装がされた快適な道だ。西九州自動車道の下を潜り抜けてから1kmほど進んだところで踏切を通過する。車1台がようやく通過できるほどの幅の狭い踏切で、事故が起きないものかと気になったので写真撮影。そこに電車が通過したので撮影したら、なんと伊万里行きのMRの列車だった。松浦鉄道佐世保までのはずなのに、早岐まで直通運転しているようだ。さすがに涙ぐましいような営業努力をしているなと感心。

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よくも自動車が通るなと思うほど狭い踏切

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そこにMRが来た

  踏切から500mほど進んだところで10:10に観潮橋を通過。橋の下には川のような流れがあり、一見すると川にかけられた橋のように見えるが、ここは早岐針尾島の間の海の水道、早岐瀬戸に架けられた橋。佐世保湾大村湾を結ぶ水路のため、干満の差で川のように水が流れている。

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早岐針尾島を結ぶ観潮橋

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川のように水が流れる

  ここからは早岐瀬戸に沿った交通量の多い道路を進む。景色は良いのだが、狭い道路で、交通量が多いので楽しい道のりではない。しばらく進み、車道が山手に進むところで、九州自然歩道早岐瀬戸に沿って農道を進み始める。

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針尾島から早岐早瀬を隔てて眺める早岐市街

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後ろには隠居岳が見える

  農道の両側は水田と思われるのだが、田植えの前のこの時期にすでに水が満ちている。こんな状態で土が作れるのか少し心配になる。さらに進むと、水田のようなところにレンコンがいくつか転がっている。ここはレンコン栽培に利用されているんだと納得。

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すでに水が満ちている水田

 

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水田ではなくレンコン畑だった

 ここからは再び車道に合流して、歩きはじめる。しばらくバス通りを歩いていると、江上町の交差点近くでセブンイレブンを見つける。周囲には人家はほとんどないが、交通量が多いためだろう。ちょうど12:00となったので、ここでおでんと肉まんを購入して昼ご飯とする。セブンイレブンWiFi環境があるから助かる。ここでたまったメール類を一気にダウンロードしておいた。

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こういう道を晴れた日に歩くと気持ちいい

  江上町交差点から2kmほど進んだところで、九州自然歩道の地図に従い、左に折れて車道を離れて林道に入る。標識はなく、荒れ果てた道に先行きが心配になる。九州自然歩道は、名の通った山の登山道は整備状況が優れている。無名の山は荒れ果てていることもある。整備状況が非常にばらつくのが、登山道と登山道との間のアプローチ路。標識がまったくなかったり、人家の軒先を通ったり、工事で道が消失していたり。今回も、そんなような嫌な予感のする雰囲気。このルートには人の通った痕跡が少なく、道端には大量のゴミが廃棄してある。そんな道を下って、早岐瀬戸の堤防まで出た。自然歩道はほとんど消失した状態。堤防の脇をすり抜けるようにして進むが、時折、樹木が生い茂り通過が困難になる。そんなところではずいぶん遠回りをして藪の中を進むことになる。

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いやな予感がするが、車道から分かれて脇道に入る

 

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道が荒れ放題になる

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地図では道が続いているが、物理的にはここで行き止まり

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わずかな隙間を見つけて先に進む

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無理をして進んだのはその先に見えた早岐瀬戸がとってもきれいだったから

  堤防に沿って、なんとか地図上では右に折れて山を登る地点らしきところまで到達したが、山の斜面を見ると、イノシシの泥遊びの痕跡と、数名の人間が斜面を泥まみれになりながらかろうじて登ったような痕跡がわずかに確認できるのみ。意を決して、道なき斜面を登り始める。20分ほどかけて、なんとか崖の上までたどり着くと、そこはミカン畑。ミカン畑には業務用の簡易舗装されたサービス路が見える。しかし、ミカン畑の周囲には、イノシシ除けの柵とイノシシ除けの電線が張り巡らせてあるので、ミカン畑には容易に入ることはできない。あたりを見回し、柵の一番低いところを乗り越えようと決心し、バックパックを外して先に柵の向こうに放り入れた。次いで、電線の上に上着を架けて感電しないように注意し、柵を何とか乗り越えた。200Vの電線注意と書いてあり、ビリっと来たら痛いだろうなと冷や汗が出た。

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海沿いの道にも苦難が続く

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ここで万事休し、けもの道を這いあがる

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這い上がった先にはミカン畑が

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ミカン畑が海に映えて美しい

  ミカン畑のサービス路に入ってからは快適だった。ところどころにイノシシ除けの柵があるが、人が通ることができるように、カギを開けて通過できる。ミカン畑の向こうには早岐瀬戸が流れている。南向きの斜面はすべてミカンが栽培されている。それも、興津、佐世保、上野、原口など、これまで目にしたことがない新品種のようだ。ちょうど雨が止んで、うっすらと日が差してきた。ミカン畑の向こうには、昨日登ってきた隠居岳が見える。

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早岐瀬戸に面した南斜面はミカン畑

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隠居岳がはるかに見える

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海が青い

  ミカン畑を過ぎると、再び車道に合流する。交通量は多いが、歩道があるため安心だ。しかし、これまで山の中を歩いてきたため、車によって発生する人工音が煩く感じる。8kmほど車道部分を歩いて西海橋に15:18に到着。1日3便しかないバスが15:14に出たばかりだった。

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美しいアーチの西海橋

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自動車専用の新西海橋も見える

 

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橋の下には渦潮が

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 次の18:14のバスを待つ間、ホテルのロビーでゆっくりさせてもらう。次のバスの時間まで3時間。地方の公共交通機関の惨状を目の当たりにした。

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2020年3月1日 九州自然歩道 20日目 長崎県佐世保市隠居岳~西海市西海橋 雨 気温12/0 距離        22.2km 行動時間7:09 33462歩

復路交通:西肥バス 西海橋西口 18:14-早岐駅前 18:40/早岐 19:00-博多20:38/福岡市営地下鉄 20:53-西新 21:07